楽読 (ラクヨミ) 2015年3月10日 Vol.935 投資先資産をリスクから考える ~リスク量から見た日本株への期待感 株式や債券などの資産には、上下の値動き(=リスク)があることを理解して投資を行なうことが求められてい ます。これは「リターンの裏には必ずリスクがある」ことを認識するだけではなく、期待するリターンに対応する リスク量や、投資に際して取ることが可能なリスク量などを勘案した上で、投資先を決定し、投資を行なうこと が重要であることを意味しています。 日米の株式市場のリスク量の推移(下記グラフ)を見ると、一般に、安定性の高い資産とされている債券につ いては、リスク量に変動はあるものの、株式に比べ小さかったことが分かります。また、リスクは「株式は高く、 債券は低い」などと言われますが、資産毎に異なるだけでなく、同じ資産でも、市場の動向に応じて、大きく なったり、小さくなったりする傾向があり、同グラフからは、リーマン・ショックに揺れた2008年前後に急激にリ スク量が大きくなっていたことが分かります。このように、資産毎、局面毎にリスク量は異なりますので、これら の特性やリスク量などを認識し、投資判断を行なうことが重要であると考えられます。 また、リスク量からは市場心理も垣間見えるようです。最近の日米の株式市場のリスク量の推移を見た場合、 米国の株式市場は、リーマン・ショック以降、欧州の債務危機時(2011年秋頃)に一時リスク量が増加したもの の、その後は景気の改善を背景に減少傾向となっています。一方、日本は2012年末以降のアベノミクスによ る金融緩和期待や、それに付随した円安進行により株価が急上昇する中でリスク量は増加し、足元でも高い 水準となっています。こうした違いから、現状の日本の株式市場は、安定的な景気回復局面にある米国と異 なり、景気回復への期待先行段階にあり、株価に実体経済が追い付いていない不安定な局面にあると見て 取ることもできます。一方で、この先、日本経済が着実な回復を遂げるようになれば、米国株式同様に景況感 を反映した推移となると見られ、リスク量が減少に転じ、安定した株価推移となることも期待されます。 日米株式市場のリスク量(1年)の推移 40% 東証株価指数 35% S&P500種平均(米ドルベース) 〔参考〕世界債券(米ドルベース) 30% (1994年12月末~2015年2月末、週次) 25% 20% 15% 10% 5% ●グラフは、各時点における過去1年の年間リスク(週次騰落率52本をもとに算出)を掲載しています。 0% 1994年12月 1997年12月 2000年12月 2003年12月 2006年12月 2009年12月 2012年12月 ●〔参考〕世界債券(米ドルベース):シティ世界国債インデックス ※信頼できると判断した情報をもとに日興アセットマネジメントが作成 ※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。 ■ 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資 料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成 時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産に は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。 投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご 覧ください。 1/1
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