楽読 (ラクヨミ) 2008年10月9日 Vol.33 日本株の先行きは不透明だが ~先進国の中では割安な水準に注目 米欧の金融不安の影響で世界経済への警戒感が一段と高まり、世界の金融市場の動揺が続く中、 昨日8日の日本株式市場は、外部要因に加え、外国為替市場で、円高が進んだことで、輸出企業中 心に業績見通しが一段と悪化するとの懸念から記録的な下げとなりました。 日経平均の一日の下落率は9.4%と、史上最大だったブラックマンデー(14.9%)以来の大きさで、歴 代でも1953年のスターリン暴落(10.0%)に次ぐ3番目の大きさとなりました。また、TOPIXの下落率も 8.0%と、ブラックマンデー(14.6%)以来の大きさとなり、終値での900ポイント割れは2003年6月26日 以来となりました。 そのような中、昨日は、東証一部全体での平均PBR(株価純資産倍率、加重平均)が0.98倍まで低 下し、ついに1倍を割り込みました。現在、株価の水準は、日本の金融危機といわれた2003年当時を 上回っていますが、純資産という企業価値からは、既にその当時以上に日本株が売られていること を示しているといえます。 →次ページの説明をご覧ください。 【TOPIX(東証株価指数)と同平均PBRの推移】 (ポイント) (1993年5月31日~2008年10月8日) (※)平均PBRデータ取得可能な期間より作成 7 2100 TOPIX(東証株価指数)(左軸) 1800 6 1500 5 (倍) 4 1200 900 3 平均PBR(右軸) 2 600 0.98倍 (10/8) 1 300 0 93/5 95/5 97/5 99/5 01/5 03/5 ※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。 ※信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成 0 05/5 07/5 (年/月) ■ 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資 料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成 時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産に は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。 投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご 1/2 覧ください。 【PBRとは】 株価を1株当たりの純資産額で割ったものです。 ■純資産額とは、資本金や資本剰余金などの自己資本(株主資本)と呼ばれる部分で、会社の総資 産から債務などの負債をすべて差し引いて最後に残る株主の持分です。つまり純資産額は「企業の 帳簿上の解散価値」を表わし、1株当たりの純資産は「1株当たりの解散価値」を意味するといわれて います。 ■そのため、PBRが1倍に満たない状態は、「会社の解散価値よりも株の時価総額が低い」状態であ り、理論上割安な水準にあるといえるでしょう。 【先進国の主な株価指数と平均PBR】 (10月8日時点) 国名 主要株価指数 平均PBR 米国 S&P500種 1.88倍 英国 FT100指数 1.43倍 フランスCAC40指数 1.25倍 ドイツ ドイツDAX指数 1.31倍 カナダ S&Pトロント総合指数 1.70倍 豪州 ASX200指数 1.84倍 日本 TOPIX(東証株価指数) 0.98倍 フランス 世界の主要株価指数のPBRを見ると、南米や東欧の新興国には1倍を割り込んでいる指数はあるも のの、先進国の中では日本のTOPIX(東証株価指数)のみが、1倍を割れています。 資産価値から見た日本株は、世界の中でも、極めて割安な水準にあるといえそうです。 足元で、PBRに限らず、既に多くの投資指標が、日本株の「売られ過ぎ」を示唆していますが、依然と して日本株の先行きは不透明感の強い状態が続いています。短期的には、金融不安やその対策な どを見極めようと、不安定な相場展開が続く可能性があると思われます。 しかし、日本企業の経常利益(東証一部、除く金融)は、2002年3月期から2008年3月期の間に3倍近 くまで増加し、2009年3月期は減益と予想されていますが、高い水準を維持すると見込まれています。 また、企業の豊富なキャッシュフローや、比較的健全な財務などを考慮すると、中期的には、金融不 安後退の先に、主要国株式市場の中で、日本株の魅力が相対的に高まるものと思われます。 ※上記は過去のものであり、将来の運用成果等を約束するものではありません。 ※信頼できると判断したデータをもとに日興アセットマネジメントが作成 ■ 当資料は、日興アセットマネジメントが市況等についてお伝えすることを目的として作成したものであり、特定ファンドの勧誘資 料ではありません。また、弊社ファンドの運用に何等影響を与えるものではありません。なお、掲載されている見解は当資料作成 時点のものであり、将来の市場環境の変動等を保証するものではありません。■投資信託は、値動きのある資産(外貨建資産に は為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基準価額は変動します。したがって、元金を割り込むことがあります。 投資信託の申込み・保有・換金時には、費用をご負担いただく場合があります。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)をご 2/2 覧ください。
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