金融危機の経済学 第4章前半

2009/05/01
07ba156c 鈴木 辰弥
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◆資産もリスクも急拡大した
◆高いレバレッジ
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◆資産もリスクも急拡大した
【元々の投資銀行業務】
→ 自ら資産を保有しない。
○ 証券売買の仲介
○ 企業の合併、
買収の仲介
【1985年以降の経営手法】
→ 自ら資産を保有する。
○ 証券化業務
○ 短期資金を借り入れ、
不動産に投資
資産の保有
= リスクをとる事
だから・・・
1985年以降、投資銀行の経営は
リスクを取る経営に変貌した!
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◆高いレバレッジ
以上2点から
投資銀行は、
レバレッジを
満期の短い資金を借りて、
①自ら資産を保有し、
高めた投資戦略
満期の長い資産
をとった!
運用する
を購入していた。
②レバレッジ比率を高める
という2点の経営方法により、
投資銀行は極めて
2005年~07年にかけての投資銀行は、
脆弱な経営状態だった
「資産の収益率が少しでも低下すれば、利
と言える!!
益額が巨額なマイナスに転落する」ような、
リスクの高い状況にあった!
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◆ベアスターンズの破綻 ~
◆民間からも政府 ・ FRBから
も見放された。
5
2007年
全米第5位の投資銀行ベアスターンズ
が破綻!
しかし、破綻直後には、米国株式市場は反応せず。
2008年
9月以降
二つの大事件が起きる。
フレディマックと
ファニーメイが政府
の管理下に!
リーマン・ブラザーズ
が破綻!
次節参照!
破綻までの経緯を
見ていく。
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【リーマン・ブラザーズの事業の分類】
投資銀行部門
資本市場部門
投資運用部門
逆に言えば、
リーマン・ブラザーズが
・債券、
破綻した原因は、・不動産担保証券
自らの資産を取引する事による、
「資本市場部門での
損失」にあるという事!
リーマン・ブラザーズの
「市場形成の促進」と、
「取引や売買からの利益獲得」
・貸付債権
・通貨 など
2000年代以降の収入
収入源は、「債券」、
では、
つ
の急増に大きく貢献した
「住宅ローン関連の証券
どのような資産を保有し、
ま
部門がこの
り
&株式の売買」、
どのように資金を調達
「資本市場部門」である。
していたのか?「外貨取引」だった。 7
【資産構成】
年度
2003
不動産と不動産ローン
担保証券及び売却用不
動産
28.4
2004
株式・社債等
政府と政府支
援機関の証券
派生証券等
31.3
11.5
14.6
30.3
35.8
12.1
12.1
2005
35.1
35.8
17.0
10.2
2006
29.6
38.3
20.9
10.0
2007
35.5
36.0
15.9
14.2
○ 資産の約36%は、「不動産ローンと
不動産ローン担保証券および売却用不動産」
○ 資産の約16%は「政府と政府支援機関の証券」
→ GSE発行の住宅ローン担保証券
リーマン・ブラザーズの経営は、
住宅価格の下落に対しては脆弱であった!
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【資金調達方法】
リーマン・ブラザーズ(2007年)
○「短期負債」
・・・負債の約80%
○「レバレッジ比率」
・・・約31倍。
野村HD(2008年9月末)
○「短期負債」
・・・負債の約75%
○「レバレッジ比率」
・・・約14倍。
リーマン・ブラザーズは、野村HDに比べて、
短期負債への依存度とレバレッジ比率が
高い事が分かる!
金利の上昇や、市場全体の流動性の減少に
対しては、脆弱であった!
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【破たんへ】
○2008年
証券化商品の市場価
格が大幅下落。
◆純評価損失
・・・147億ドル
(約1兆4700億円)
◆株主資本(自己資本)
・・・224.9億ドル
→ 純評価損失は、株主資本の約65%に達した!!
→ 評価損を処理すると、リーマン・ブラザーズの
株主資本は224.9億ドルから
77億9000億ドルに目減り。
リーマン・ブラザーズの信用リスクが急上昇した!
投資家にとっては、リーマン・ブラザーズの自己資本価値比率が低下し、
債務放棄(デフォルト)をされる危険性が高くなる為である。
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【最終的には】
投資運用部門売却先として、
バンク・オブ・アメリカ、
バークレイズ銀行が有力候
補に。
リーマン・ブラザーズ
と二行の交渉が
決裂。
FRBが、リーマンの救
済条件であった
二行への融資を拒否!
破綻!
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 感想
先生に指摘して頂いた通り、論点の主張が曖昧だった為、議論中に
自分でも何を主張しているのか、わからなくなってしまった。
論点は、現状の問題点と、こう改善すべきだ、という理想像を
自分の中でしっかりと設定しなければいけないことを改めて学んだ。
次回以降の発表に活かしたい。
また、空売り規制については今後も動向をチェックしていきます。
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