ENVI - Harris

ENVI チュートリアル
地図作成
この章は以下の内容から構成されています。
概要 ........................................................................................................................ 2
使用するファイル .................................................................................................. 2
ENVI における地図作成 ......................................................................................... 3
準備 ....................................................................................................................... 3
ENVI の起動.......................................................................................................... 3
Landsat TM データを開いて表示する .................................................................. 3
QuickMap テンプレートの構築 ............................................................................ 4
地図レイアウトをカスタマイズするためのオプション.......................................... 6
地図レイアウトのカスタマイズ ............................................................................. 16
結果の保存 ............................................................................................................. 18
プリント ................................................................................................................ 19
ENVI セッションの終了 ........................................................................................ 20
概要
この章では、ENVI の地図作成の機能を紹介します。ENVI の QuickMap ユー
ティリティを使用して、基本的な地図テンプレートを作成します。その後、
ENVI の注釈機能を使用して情報を追加します。詳細は、 ENVI オンラインヘル
プを参照してください。
使用するファイル
DVD: Resource DVD
Path: Data / ys_tmsu b
ファイル
概要
ysratio.img
イ エ ロ ー ス ト ー ン 国 立 公 園 の TM Ratio サ ブ セ ッ
ト画像
ysratio.hdr
上記用の ENVI ヘッダ
ysratio.ann
上記用に保存された注釈結果
ysratio.grd
上記用に保存されたグリッドパラメータ
ys_loc.ti f
上記用の位置画像
2
ENVI における地図作成
地図作成では、対話的な操作で主な地図要素を加えることにより画像から画像ベ
ースの地図を容易に手早く作成できることが求められています。地図作成の手順
としては、ENVI の QuickMap ユーティリティを使用した基本的なテンプレー
ト作成(または保存されているテンプレートの読み込み)を行います。 ENVI の
注釈の使用もしくは他の画像を重ねることで、必要であれば対話的にカスタマイ
ズが行うことができます。QuickMap は、地図の縮尺、出力ページサイズ、方向
の設定が行えます。また、地図で使用する画像の空間サブセットの選択、マップ
グリッド、スケールバー、地図タイトル、ロゴ、投影情報、他の基本的な地図注
釈を簡単に追加することができます。ENVI の QuickMap 出力の 注釈機能とし
て、凡例、偏角図、矢印、画像、プロット、追加テキストの挿入が行えます。
ENVI 注釈機能やグリッドラインオーバーレイを使用し対話的に地図を作成する
ことで、QuickMap のデフォルトオーバーレイの変更と全ての地図要素の配置を
変更することもできます。
準備
ENVI の QuickMap ユーティリティを使用して基本的な地図テンプレートを作
成することで、ENVI での地図作成は画像を表示することと同じくらい簡単に行
うことができます。その後必要に応じて、対話的に注釈や地図縮尺、グリッドラ
インなどの個々の地図要素の追加や変更を行うことができます。地図は、ENVI
ディスプレイグループとして保存されます。このため、再度使用し、変更、プリ
ントすることができます。また、ENVI 注釈機能によって、よく使用される地図
オブジェクトのテンプレートを作成して保存することができます。

まず、地図作成に使用する画像を選択し、ファイルを開き、グレースケール
または RGB 画像として ENVI のウィンドウに表示してください。必要に応
じ、後述のコントラストストレッチングも行ってください。
ENVI の起動
プログラムを起動する前に、インストールガイドの指示通り ENVI が正しくイン
ストールされていることを確認してください

UNIX もしくは Macintosh OS X で ENVI を起動するには、UNIX のコマ
ンドラインに envi と入力してください。

Windows システムで ENVI を起動するには、ENVI アイコンをダブルクリ
ックしてください。
プログラムが正常にロードされ実行されると、ENVI メインメニューが表示され
ます。
Landsat TM データを開いて表示する
画像ファイルを開きます。
1.
ENVI メインメニューから File -> Open Image File を選択してくださ
3
い。Enter Data Filenames という名前のファイル選択ダイアログが表示
されます。
2.
ファイル選択ダイアログで、他のアプリケーションを使用するときと同様
に、Resource DVD の Data ディレクトリの ys_tmsub サブディレクト
リに移動し、リストからファイル ysratio.img を選択して Open
(Windows )もしくは OK(UNIX)をクリックしてください。
ファイルとバンドは Available Bands List にリスト表示されます。デフ
ォルトでは 5/7、3/1、 3/4 比率のバンドが、自動的に "R"、"G"、 "B" フ
ィールドに読み込まれ、RGB ボタンが選択されます。
3.
ダイアログ下部で Load RGB ボタンをクリックし、新しいウィンドウに
画像を読み込んでください。
画像が表示されましたら、以下の手順に従って、QuickMap テンプレートを構築
し、個々の地図要素を追加してください。
QuickMap テンプレートの構築
1.
メインウィンドウのメニューから File -> Qu ickMap -> New QuickMap
を選択してください。QuickMap De fault L ayout ダイアログが表示され
ます。このダイアログで、 出力ページサイズ、ページの方向、地図の縮尺
を変更することができます。
2.
この章では、地図の縮尺以外の全てのデフォルト値を使用します。Map
Scale を 200,000 に変 更して OK をクリックすると、画像のサブセット
選択を行うことができます。
3.
この章では、画像全体を使用します。マウスの左ボタンをレッドボックス
の右下コーナーでドラッグすると、画像全体を選択することができます。
<ヒント>
出力地図の画像のサブセットを選択する場合は、マウスの左ボタンを使
用してレッドボックスの位置決めとサイズ変更を行います。
4.
OK をクリックすると QuickMap Paramete rs ダイアログが表示されま
す(図 1参照)。
5.
ダイアログにある Main Title テキストボックスでマウスの左ボタンをク
リックして、Yellowstone National Park I mage -Map と入力してくだ
さい。
6.
ダイアログにある Lower Left Text テキスト ボックスでマウスの右ボタ
ンをクリックし、Load Projection Info メニ ューボタンをクリックして、
ENVI ヘッダから画像の地図投影情報を 読み込んでください。
4
7.
ダイアログにある Lower Right Text テキストボックスでマウスの左ボタ
ンをクリックし、Map Generated Using と 入力し、さらに Enter キー
を押下 して ENVI QuickMap と入力してください。 Enter キーを押下し
て Copyright 20 01 と 入力してください。
8.
この章では、Scale Bars 、Grid Lines 、North Arrow チェックボックス
が選択されている状態にしておくことをお勧めします。しかしこれらを変
更する場合は、QuickMap Parameters ダイ アログの右側にあるチェック
ボックスとオプションを使用してください。
9.
Declination Diagram チェックボックスをクリックして、選択できるよ
うにしてください。
10. ダイアログの下にある Save Template を選 択してください。 Output
Filename として ysra tio.qm と入力して OK をクリックすると、
QuickMap の結果を QuickMap テンプレートファイルとして保存するこ
とができます。このテンプレートは、同じピクセルサイズの画像を使用す
るために再度呼び出すことができます。手順は、任意の画像を表示した後
に File - > QuickMap -> from Previous Template を選択します。そう
すれば保存された QuickMap テンプレートを読み込むことができます。
図 1:ENVI QuickMap Parameters ダイアログ
11. QuickMap Paramete rs ダイアログの左下のコーナーにある Apply をク
リックすると、標準の ENVI ウィンドウグループに QuickMap の 結果が
表示されます。
QuickMap Paramete rs ダイアログで設定を変更する場合、Apply をク
リックすると表示されている QuickMap を 変更することができます。
5
12. ここで、QuickMap をプリンタもしくは Postscript ファイルに出力する
ことができます。詳細に関しては、18ページの「結果の保存」19ページの
「プリント」を参照してください。コピーを保存もしくはプリントするこ
とができます。それ以外の場合、次の手順に進んでください。
13. ENVI の ウ ィ ン ド ウ グ ル ー プ を 使 用 し て QuickMap の 結 果 を 再 度 表 示 し 、
地図のグリッド、スケールバー、北方向指示矢印、デフォルトテキストの
位置を見てください。
図 2:ENVI QuickMap のデフォルト出力
地図レイアウトをカスタマイズするためのオプション
ENVI は 、 地 図 を カ スタ マ イ ズ す る こ と が でき る 多 数 の オ プ シ ョ ンを 提 供 し ま す。
オプションによって、余白、テキスト注釈、グリッドライン、コンタライン、プ
ロットインセット、ベクタオーバーレイ、分類オーバーレイを追加することがで
きます。ENVI のイメージウィンドウ、スクロールウィンドウ、ズームウィンド
ウを使用して、地図のカスタマイズも行えます(スクロールウィンドウで処理を
行っている場合に、ウィンドウを大きくするには、コーナーをドラッグして表示
サイズを変更します)。以降の項では、様々なオプションを説明し、一般的な手
順を示します。
6
余白の追加
ENVI のデフォルトウィンドウには、画像のみが表示され、周囲には空白部分は
ありません。通常地図作成では、いくつかの地図オブジェクトが画像の外に存在
している必要があります。ENVI は、新しい画像を作成することなく、画像の境
界に注釈を作成することができる「余白」機能を提供します。 余白は、いくつも
の方法で画像に追加することができます。これらの方法は以下の項で説明します。
ENVI QuickMap での画像グリッド使用時における自動的な追加
余白は QuickMap グ リッドを適用するために追加され、このとき、デフォルト
グリッドが表示されます。グリッドの変更方法に関する詳細は、以下の特定のグ
リッド設定の手順を参照してください。必要な境界は、画像の周囲に自動的に追
加されます。
1.
デフォルトの境界から変更する場合、QuickMap ウィンドウのメインウィ
ンドウメニューバーから Ove rlay -> Grid Lines を選択してください。
Grid Line Paramete r s ダイアログが表示されましたら、Options -> Set
Display Borders を選択して Display Borders ダイアログを開いてくだ
さい。
2.
この章では、図 3で表示されているように値 100、400、150、100 を入力
し、OK をクリックしてください。
新しい余白の設定は、即座に画像に適用されます。 Grid Line Parameter
ファイルを保存すると、余白に関する情報はグリッドと一緒に保存され、
グリッドパラメータファイルを読み込む際には一緒に読み込まれます
図 3:Display Borders ダイアログの設定
Display Preferences の使用
Display Preferences ダイアログを使用して、余白と他のウィンドウ設定を変更
することもできます。
1.
QuickMap のイメージウィンドウメニューバーから File -> Prefe rences
を選択してください。先に説明したテキストボックスをダイアログ上部に
持つ Display Parame ters ダイアログが表示されます。
2.
任意の値を入力し、色を選択してください。
7
3.
OK をクリックしてください。新しい余白が画像に適用されます。
注釈機能の使用
余白は、ENVI 注釈機能を使用してコントロールすることもで きます。
1.
QuickMap のイメージウィンドウのメニューバーから Overlay ->
Annotation を選択してください。
2.
表示される Annotation ダイアログから Option -> Set Display
Borders を選択し、Display Borders ダイアログを表示してください。
3.
任意の値を入力し、OK をクリックしてください。
余白の設定が画像に適用されます。注釈ファイルを保存した場合、 この情報は注
釈と一緒に保存され、注釈ファイルを読み込む際には一緒に読み込まれます。
グリッドラインの追加
ENVI は、ピクセルグリッド、地図座標グリッド、地理(緯度 / 経 度)グリッド
を同時にサポートします。グリッドが適用される時、グリッドラベルにあわせて
100 ピクセルの余白(7ページの「余白の追加」で説明されているように設定する
ことができます)が自動的に画像に付加されます。画像にグリッドラインを付加
または変更する場合は、以下のように実行してください。
1.
QuickMap のイメージウィンドウのメニューバーから Overlay -> Grid
Lines を選択してください。 Grid Line Parameters ダイアログが表示さ
れ、グリッドラインがデフォルト のグリッド間隔で表示されます。
2.
Grid Spacing テキストボックスに値 4,000 を入力して、グリッド間隔を
4,000 メートルに変更してください。
3.
OK をクリックして、選択された属性情報を適用してください。

4.
グリッドの線とラベルの特性を変更する場合、Options -> Edit Map
Grid Attributes もし くは Edit Geographic Grid Attributes を選
択し、選択したグリッドの属性情報を変更してください。また、
QuickMap Paramete rs ダイアログから Additional Properties ボ
タンをクリックして、ラインパラメータを開くこともできます。
Grid Line Paramete r s ダイアログで Apply をクリックすると、表示さ
れている画像に新しいグリッドが表示されます。
8
図 4:Grid Line Parameters ダイアログ

後で使用するためにグリッドパラメータを保存する場合、Grid
Parameters メニュー バーから File -> Sa ve Se tup を選択し、出力
ファイルを選択してください。

これにより、グリッドパラメータのテンプレートが保存され、他の地
図作成で使用するために、Grid Parameters メニューバーから File > Restore Se tup を選択することで再度呼び出すことができます。
注釈の使用
地図作成時に地図オブジェクトを ENVI のウィンドウに追加する方法として一般
的に使用されるのが、注釈 (Annotation) で す。使用可能な地図オブジェクトに
はいくつかの種類がありますが、いずれも ENVI の標準的な注釈機能を使用して
配置することができます。
1.
QuickMap のイメージウィンドウのメニューバーにある Overlay ->
Annotation を選択し、Annotation ダイアログを起動してください。
2.
Annotation ダイアログのメニューバーにある Object プルダウン メニュ
ーから使用する注釈オブジェクトを選択してください。
3.
注釈を表示するウィンドウを指定するために Image、Scroll、Zoom ラジ
オボタンのいずれかを選択してください。
4.
マウスの左ボタンでオブジェクトをドラッグして配置し、マウスの右ボタ
ンをクリックして注釈の位置を確定してください。

Object -> Selec tion/Edit を選択し、変更したいオブジェクトを囲む
ようにマウスの左ボタンを使用してボックスを描画することで、注釈
オブジェクトを再度選択して修正することができます。また選択され
たオブジェクトは、ハンドルをクリックし新しい位置までドラッグす
9
ることで移動することもできます。選択メニューからオプションを選
択すると、オブジェクトを削除もしくは複製することができます。

マウスの右ボタンをクリックすると、再度注釈の位置を確定できます。
<ヒント>
ウィンドウ内で注釈機能以外のマウス機能を実行する前に、Off ラジオボタン
を選択してください。
ENVI で使用することができるさまざまな注釈に関して以下に説明します。詳細
に関しては、ENVI オンラインヘルプを参照してください。
図 5:Annotation ダイアログ
テキストと記号の注釈
ENVI には現在、さまざまなテキストフォントと標準的な記号セットが用意され
ています。また、ENVI では、システムにインストールされた TrueType フォン
トを利用することもできます。このため、様々な種類のテキストフォントや記号
を利用できます。これらは全て、対話的な操作で大きさを変えたり、回転したり、
別の色や太さに設定することができます。
<ヒント>
ENVI には、カスタム TrueType フォントとしていくつかの便利な記号(特別な
北方向指示矢印を含む)が用意されています。Annotation ダイアログの Font プ
ルダウンボタンから ENVI Symbols を選択して、テキスト注釈もしくは記号注
釈のいずれかを使用してください。
1.
Annotation メニューバーから Object -> Te xt もしくは Object ->
Symbol を選択してください。

テキスト注釈の場合、ダイアログ中央左にある Font ボタンメニュー
からフォントを選択し、ダイアログの中央にある適切なボタンとテキ
10
ストボックスを使用してサイズ、色、方向パラメータを選択してくだ
さい。
図 6:テキスト注釈

TrueType フォントはより柔軟性が高くなります。 Font ボタンメニュ
ー から TrueType を 選択してご使用のシステムで利用可能な
TrueType フォントのいずれかを選択してください。8ページの「注釈
機能の使用」で説明した方法を使用して、文字を選択し配置してくだ
さい。

記号の場合、このオブジェクトが選択されている際に Annotation ダ
イアログに表示される記号の一覧から記号を選択してください。
図 7:TrueType フォントの記号例
2.
8ページの「注釈機能の使用」で説明されている手順で、画像にテキストも
しくは記号を配置してください。マウスの左ボタンを使用して位置を決め、
右ボタンをクリックして確定してください。
3.
必要に応じ、注釈の再選択、変更、移動が行えます。
ポリゴンと形状の注釈
ENVI は、長方形、正方形、楕円、円、自由な形状のポリゴンを描画することが
できます。これらの形状は、輪郭のみを描画することもでき、 ソリッドカラーで
塗りつぶしたり、パターンを張り付けることもできます。対話的に配置をするこ
とができ、回転、拡大縮小も簡単に行えます。
1.
Annotation ダイアログで Object -> Recta ngle 、Object -> Ellipse も
しくは Object -> Polygon を選択してください。
2.
8ページの「注釈機能の使用」で説明したように、形状をドラッグして配置
してください。

ポリゴンの場合、マウスの左ボタンをクリックしてポリゴンの頂点を
決め、右ボタンをクリックしてポリゴンを閉じます。
11
図 8:形状の注釈
線と矢印の注釈
ENVI は、注釈にポリラインや矢印を使用することができます。線の色、太さ、
種類、塗りつぶし、矢印の特徴等を詳細に設定することができます。
1.
Annotation ダイアログで Object -> Polyli ne もしくは Object ->
Arrow を選択してください。
2.
マウスの左ボタンをクリックして、矢印や線を定義してください。
3.
マウスの右ボタンをクリックして描画している線を閉じてください。
図 9:線と矢印の注釈
地図縮尺の注釈
ENVI では、地図作成で使用された画像のピクセルサイズに基づいて地図縮尺が
自動的に生成されます。単位はフィート、マイル、メートル、キロメートルのい
ずれかを選択することができます。縮尺は、個々もしくはグループで配置するこ
とができます。主目盛や副目盛の数、フォント、文字サイズ等詳細に設定するこ
とができます。
1.
Annotation ダイアログで Object -> Scale Bar を選択してください。
2.
パラメータを入力し、スケールバーを配置したいところでマウスの左ボタ
ンをクリックしてください。
3.
注釈内でマウスの右ボタンをクリックして確定してください。
図 10:スケールバー注釈
12
偏角図
ENVI は、ユーザが指定する特性に基づいて自動的に偏角図を生成します。偏角
図のサイズ、True North (真北の)方位、Grid North (グリッド北)の方位、
Magnetic Nor th (磁針北)の方位は 10 進法で入力することができ、ENVI の
標準的な注釈手順を使用して配置することができます。
Annotation ダイアログで Object -> Declin ation を選択してください。
マウスの左ボタンをクリックして注釈を配置してください。
マウスの右ボタンをクリックして、注釈内で位置を確定してください。
凡例
図 11は、ENVI の凡例編集機能を使用して作成した凡例の例です。凡例を囲むボ
ックスとボックス上部の凡例の説明は、別の注釈オブジェクトとして配置されま
す。
1.
Annotation ダイアログで Object -> Map Key を選択してください。
2.
Edit Map Key Items を選択して、個々の凡例項目の追加、削除、変更を
行います。
3.
マウスの左ボタンをクリックして凡例を配置し、右ボタンをクリックして
位置を確定してください。
図 11: ENVI の凡例
分類画像とベクタレイヤーの場合、凡例は自動的に作成されます。
カラースケールの注釈
グレースケール画像にグレースケールバー、カラーコード画像にカラーバーを作
成することができます。
<注>
RGB 画像が表示されている場合、このオプションを使用することができませ
ん。
Annotation ダイアログで Object -> Color Ramp を選択してください。
最大値、最小値、間隔を入力し、方向を垂直もしくは水平に設定してください。
マウスの左ボタンをクリックしてカラースケールを配置してください。
マウスの右ボタンをクリックして注釈を確定させてください。
図 12:ENVI のラベル付きカラースケール
13
注釈としての画像の挿入
ENVI のモザイク処理機能を使用して、多くの画像を他の画像に挿入することが
できます。ENVI の注釈機能は、地図作成や注釈作成処理を行う際にも画像を他
の画像に挿入することができます。
1.
挿入する画像が Available Band List に表示されていることを確認して
ください。
2.
Annotation ダイアログで Object -> Image を選択してください。
3.
Select New Image を クリックして挿入する画像を選択してください。
4.
Available Band List から画像を選択し、空間サブセットを行い必要であ
ればサイズ変更を行います。
5.
マウスの左ボタンをクリックして画像を配置してください。
6.
マウスの右ボタンをクリックして画像を確定してください。
<注>
8 ビット表示では、挿入された画像に簡単に新しい色を割当てることができませ
ん。そのため、ENVI はウィンドウにグレースケール画像のみを表示します。24
ビットカラーを使用することができる場合は、カラー画像を表示することができ
ます。
注釈としてのプロット挿入
ENVI の注釈機能は、地図作成や注釈作成処理を行う際に ENVI のプロットを他
の画像に挿入することができます。これらのベクタプロットは、「プリンタ」や
「Postscript」へ出力した際にベクタの特性を保持します (注:これらは画像へ
の出力の際に表示されません)。
1.
Annotation ダイアログメニューで Object -> Plot を選択してください。
2.
Select New Plot をク リックし、挿入するプロットを選択してください
(プロットが表示されていなければなりません)。サポートされているプ
ロットのタイプは、X-、Y-、Spectral -、Arb itrary Profile です。
3.
Select Plot Window ダイアログからプロットを選択し、プロットのサイ
ズを入力して OK をク リックしてください。
4.
マウスの左ボタンをクリックしてプロットの挿入位置を決めます。
5.
マウスの右ボタンをクリックして画像内の注釈プロット位置を確定してく
ださい。
14
8 ビット表示では、挿入プロットに新しいカラーテーブルを簡単に割当てること
ができません。このため ENVI では、プロットはウィンドウに表示されますが、
実際のプロットは、画像が直接プリンタや Postscript ファイルに出力される際
に配置され、注釈が焼き付けられます。またこのオプションは、「画像」に出力
される際にベクタプロットを生成しません。
分類画像のオーバーレイ
ENVI の 分 類 画 像 は 、地 図 作 成 時 に オ ー バ ーレ イ と し て 使 用 す る こと が で き ま す。
最初に、標準の ENVI 分類プロシージャを使用して画像を分類します。もしくは
既存の ENVI 分類画像を開きます。分類画像が Available Band List に表示さ
れると、オーバーレイとして使用することができます。画像の分類に関しては、
ENVI オンラインヘルプを参照してください。
1.
地図作成に使用した画像の Display メニューから Overla y ->
Classification を選択してください。Interactive Class Tool Input
File ダイアログで ENVI の分類画像を選択し、OK をクリックしてくだ
さい。Interactive Cla ss Tool ダイアログが表示されます。
2.
ダイアログにある On ボックスをクリックすると、指定したクラスが地図
上に表示されます。複数のクラスを選択することができ、選択されたクラ
スはオーバーレイとして適切な色で画像に表示されます。
3.
クラス色とクラス名は、Interactive Class Tool ダイアログで Options
-> Edit class colors /n ames を選択することで変更することができます。
コンタラインのオーバーレイ
ENVI は、画像の "Z" 値をコンタ表示し、画像の背景上にベクタとしてコンタラ
インをオーバーレイすることができます。このオプションは Digital Elevation
Models(DEM)の場合に最も適しています。以下の手順で地図作成にコンタを
簡単に追加することができます。
1.
地図表示されている画像のメインウィンドウのメニューバーから
Overlay -> Contour L ines を選択してください。
2.
Contour Band Choice ダイアログでコンタ表示する画像を選択し、OK
をクリックしてください。
3.
デフォルトコンタ値を使用する場合、Contour Plot ダイアログで Apply
をクリックしてください。
4.
Contour Plot ダイア ログで、新しいコンタレベルの追加、コンタレベル
の編集、色と線種の変更が行えます。詳細に関しては、ENVI オンライン
ヘルプを参照してください。
関心領域の取り込み
さまざまな方法で作成された関心領域は、取り込んで ENVI の地図に挿入するこ
15
とができます。2 次元もしくは多次元スキャッタプロットやベクタ・ラスタ変換
を使用したり、ROI を描画したり特定の画像バンドの閾値を設定することで、
ROI を生成してください。以下の手順で地図上に ROI を表示します。
1.
地図表示されている画像のウィンドウメニューバーから Overlay ->
Region of Interest を 選択してください。表示されている画像と同じサイ
ズの関心領域が既にある場合、ROI ツール にリスト表示され、画像に表
示されます。
2.
ENVI の標準機能を使用して ROI の追加、変更を行ってください。詳細
に関しては、ENVI オンラインヘルプを参照してください。
ベクタレイヤーのオーバーレイ
ENVI は、ArcShape 、Arc/Info Interchan ge 、DXF、MapInfo 、
Microstation DGN 、 USGS DLG、USGS SDTS ベクタフォーマットをインポ
ートすることができます。これらのファイルのベクタと ENVI の Vector Files
(.evf)のベクタは、ENVI の地図作成で使用することができます。
ENVI メインメニューから File -> Open Vector File を選択し、ファイルタイ
プを選択してください。
Apply をクリックし色、幅、線種等の属性情報を適用させると、作成した地図が
表示されているウィンドウにベクタが読み込まれます。詳細に関しては 、ENVI
チュートリアル「ベクタオーバーレイと GIS 解析」もしくは ENVI オンライン
ヘルプを参照してください。
地図レイアウトのカスタマイズ
この項では、前の項で説明した内容を多数使用しながら地図作成のカスタマイズ
機能のいくつかを説明します。既に作成した ENVI QuickMap を演習の一部で
使用します。
この章の冒頭で説明している ENVI QuickMap をまだ作成していない場合、以
下の手順で画像を表示してください。
1.
ENVI メインメニューから File -> Open Image File を選択してくださ
い。Input File Selection ダイアログが表示されます。
2.
Resource DVD の Data ディレクトリの ys_tmsub サブディレクトリに
移動し、一覧からファイル ysratio .img を選択して Open をクリックし
てください。Available Band List ダイアログが表示されます。このリス
トから、スペクトルバンドを選択し、表示して処理を行います。グレース
ケールもしくは RGB カラー画像のどちらを読み込むかを選択することが
できます。5/7、3/1、3/4 比率のバンドが、"R"、"G"、 "B" フィール ドに
デフォルトとして読み込まれます。
3.
Load RGB をクリックして、画像を新しいウィンドウに表示してください。
16
QuickMap テンプレートの読み込み
画像が表示されると、以下の手順で保存されている QuickMap テ ンプレートを
読み込み、それぞれの地図要素を追加することができます。
1.
保存されている QuickMap テンプレートを再度呼び出してください。画
像を表示し、File -> QuickMap -> fro m Pre vious Template を選 択す
ると Enter QuickMa p Template Filename ダイアログが表示されます。
そのダイアログで保存されている QuickMap テンプレート ysratio .qm
をクリックし、 Open をクリックしてください。
2.
QuickMap Paramete rs ダイアログで Apply をクリックし、QuickMap
画像を生成してください。
QuickMap Paramete rs ダイアログで、Load To: Current Displa y ボ
タンがデフォルトで選択されています。QuickMap パラメータが、
QuickMap 機能が実行されたウィンドウに適用されます。
3.
QuickMap 画像のメインウィンドウのメニューバーから Overlay ->
Grid Lines を選択し、保存されているグリッドパラメータを読み込んで
ください。Grid Line Parameters ダイアロ グで File -> Restore Setup
を選択し、保存されているグリッドパラメータファイル ysratio.grd を選
択してください。Open をクリックした後 Apply をクリックしてください。
パラメータの変更を行った場合は、Apply をクリックすることで変更が画
像上に適用されます。
4.
QuickMap 画像のメインウィンドウのメニューから Overlay ->
Annotation を選択して、保存されている ENVI の注釈を読み込んでくだ
さい。 Annotation ダイアログで File -> Re store Annotation を 選択し、
保存されている注釈ファイル ysratio .ann を 選択して Open をクリック
してください。
5.
Annotation ダイアログで Image ラジオボ タンをクリックし、 Object ->
Selection /Edit を選択してください。QuickMap のイメージウィンドウ
にある注釈オブジェクトの周りをボックスで囲むようにクリックしドラッ
グしてください。
選択したオブジェクトに赤いハンドルが表示されます。
6.
赤いハンドルをマウスの左ボタンでクリックしてドラッグすることで、選
択したオブジェクトを他の位置へ移動することができます。選択したオブ
ジェクトのパラメータを変更してみてください。画像内でマウスの右ボタ
ンをクリックすると、オブジェクトの新しい位置が確定されます。
<注>
File -> Save Annotation を選択して変更が保存されることを確認してくださ
い。詳細は、ENVI オンラインヘルプを参照してください。
17
図 13:ENVI 注釈機能を使用したカスタム地図作成
結果の保存
地図画像はイメージウィンドウで、後で変更するために ENVI の表示グループと
して保存、あるいは地図を焼き付けるため保存することができます。
後の変更のための保存
変更が可能なファイルを出力します。
1.
イメージウィンドウで File -> Sa ve as Display Group を選択してくだ
さい。
2.
出力ファイル名として ysration.grp を入力し OK をクリックしてくださ
い。
3.
ENVI メインメニューから File -> Restore Display Group を選択 し、
ファイル名 ysratio.gr p をクリックしてください。Open をクリックする
と、必要な際にこの地図を読み込むことができます。
18
「焼き付け」画像としての保存
1.
File -> Sa ve Ima ge A s -> Postscript File を選択してください。

Standard Printing を 選択し、ユーザが指定するページサイズと縮尺
パラメータで Postscript ファイルを出力してください。

このオプションを使用することでより多くの制御が行えますが、選択
されている QuickMap の縮尺とは異なる縮尺を持つ地図が生成される
場合があります。

Output Quic kMap to Postscript を選択し 、指定された QuickMap
ページサイズと縮尺で Postscript ファイルを出力してください。注釈
を追加したことで指定したページサイズよりも画像が大きくなってし
まった場合、ENVI は複数ページに出力するかを質問してきます。こ
の場合 Yes をクリックすると、ENVI は自動的に複数ページの
Postscript ファイルを作成します。
画像ファイルとしての保存
作成した地図を画像ファイルとして保存することができます。出力フォーマット
は、ERDAS(.lan)、ERMAPPER 、PCI、ArcView Raster 等の一 般的な画像処
理システムフォーマットはもちろん、ENVI( バイナリ ) 画像、BMP、HDF、
JPEG、PICT、PNG、SRF、TIFF/GeoTIFF 、XWD も含んでいます。
1.
File -> Sa ve Ima ge A s -> Image File を選 択してください。
2.
解像度、出力ファイルタイプ、他のパラメータを ENVI オンラインヘルプ
の説明を参考に設定してください。出力ファイル名を入力し、OK をクリ
ックしてください。
プリント
作成した地図を直接プリンタに出力することもできます。この場合、地図はシス
テムソフトウェアドライバを使用して直接プリンタに出力されます。
1.
File -> Print を選択 し、前述の Postscript オプションで説明されている
ように Standard Printing もしくは Ou tput QuickMap to Printer の
いずれかを選択してください。
2.
プリンタを選択して OK をクリックしてください。
前述した全ての出力オプションで、グラフィックスと地図オブジェクトが出力時
に画像に焼き付けられます。図 14は、この章で説明されているように
QuickMap と地図作成のカスタマイズ機能を使って ENVI で作成した最終的な
地図合成の例です。
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図 14:ENVI の地図作成機能を使用して作成した画像
ENVI セッションの終了
ENVI セッションを終了するには、 ENVI メインメニューから File -> Exi t
(UNIX は Quit)を選択し、さらに OK を クリックして IDL を終 了します。
ENVI RT をご使用の場合は、 ENVI を終了するとオペレーティングシステムに
戻ります。
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