TPP交渉における国会決議の遵守を求める特別決議 TPP 交渉は、米国政府が、依然、議会から交渉権限(TPA)を付与されな いまま、来週、ハワイで首席交渉官会合が行われることとなり、今週、5 日よ り日米二国間協議が再開され、予断を許さない状況が続いている。 1 月下旬以降、米を含む重要品目に関するマスコミ報道が相次ぎ、現場は大 混乱している。政府による情報開示が十分でないなか、米を含めて譲歩を検 討しているかのような報道内容は、生産現場をいたずらに不安にさせるもの であり、仮にこれらの報道が正しいのであれば、全く受け入れられるもので はない。 政府は、これまで国会決議を踏まえつつ、米国等と厳しい交渉に臨んでい ると説明している。また、自由民主党外交・経済連携本部は、2 月に TPP に 関する決議を行い、 「決議の遵守と毅然とした交渉の貫徹」を改めて政府に申 し入れた。 国会決議は、 「米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの農林水産 物の重要品目について、引き続き再生産可能となるよう除外又は再協議の対 象とすること」などとしており、これを遵守するとともに、食の安全や ISD 条項など、国民の暮らしやいのちに関わる重要課題について、決議に即して 毅然とした交渉姿勢を貫き通すべきである。また、マスコミ報道に衝撃を受 けている全国の農業者に対し、懸念を払しょくする十分かつ明確な説明を行 うべきである。 生産現場では、米価が下落するなか、飼料用米の生産拡大などに全力で取 り組んでいる。また、畜産・酪農生産基盤の強化に向けて、地域をあげた取 り組みを展開している。 JA グループは、これら国会決議の遵守を徹底して求め、全国各地で運動を 展開していくとともに、農業者の所得増大、農業生産の拡大、さらには地域 の活性化に向け、組織一丸となって全力をあげた取り組みを進めていく。 以上、決議する。 平成 27 年 3 月 6 日 全国農業協同組合中央会 第 61 回通常総会
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