「TPP」(日本) - 三井住友アセットマネジメント

2015年12月22日
(No.1,726)
〈マーケットレポートNo.4,575〉
2015年を振り返るキーワード
「TPP」(日本)
「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」は、太平洋を囲む12カ国で、関税撤廃と、ヒト・モノ・サービス・投
資の自由化を進め、さらには、知的財産権、電子商取引、国有企業の規律、環境など、幅広い分野で21世
紀型のルールを構築するものです。
アベノミクスの重要テーマの1つ
長い道のりを経て大筋合意へ
■TPPは、成長が著しいアジア太平洋地域で貿易や投資の拡大を通じて、域内経済の活性化を目指します。
日本はTPP協定により、大企業だけでなく、中小企業や地域産業もアジア太平洋地域の市場とつながること
が可能となり、経済成長の促進が期待されます。TPPは安倍首相によって成長戦略の切り札と位置づけられ
ているように、アベノミクス旧3本の矢のうち第3の矢(民間投資を喚起する成長戦略)を具体化した重要
施策の1つです。
■2015年10月5日、TPP協定交渉が、長い道のりを経て大筋で合意に至りました。参加国は自国内の議会
承認が必要となり、手続きが進んでいます。
TPP大綱まとまる
アベノミクス新3本の矢
新3本の矢とも密接に関連
■日本政府は11月25日に、国内対策をまとめた「総
合的なTPP関連政策大綱」を決定しました。TPP
大綱はアベノミクス新3本の矢とも密接に関連してい
ます。アベノミクス新3本の矢では、第1の矢(強い
経済)で目標とする名目GDP600兆円の積み上
げに、TPPによる輸出やインバウンド消費が前提とさ
れています。TPPは強い経済作りの土台と位置付け
られます。
2016年春にもTPP発効か
大企業
中小企業 地域産業
ベトナム
ブルネイ
日本
メキシコ
アメリカ
カナダ
オースト
シンガポール
ラリア ニュージー
ペルー チリ
ランド マレーシア
■米議会で来年2月以降審議が本格化
■日本は通常国会で審議、各国も批准なるか
TPPが発効するためには、米国の批准が欠かせません。
オバマ大統領がTPPに署名する意向を議会に通知し
たことで、来年2月以降、議会ではTPPの承認に向け
た審議が本格化する見通しです。議会による承認の
タイミングは大統領予備選の山場である3月までと期
待されます。
日本の審議は、通常国会で来年4月以降行われると
見られます。2016年度予算案の審議が優先されるこ
とに加え、米国の動きを見極めたいとの考えがあると思
われます。各国も米国の動きを見ながら、それぞれ議
会の承認手続きを進める見込みです。TPPが発効す
る時期がいよいよ近づいています。
2015年12月 3日 「TPPの政策大綱」と新3本の矢の関係(日本)
2015年10月20日 「アベノミクス2.0新三本の矢」(日本)
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