冷蔵庫の新システム~賞味期限管理・自動献立表作成システム~ 茨城県立日立第一高等学校 内田 圭祐(2年) 指導教員 関山 大志 【目的】 この開発を考えた目的は,食べ物の無駄を減らすためである。また,ダイエットをする方, 持病のある方の健康管理をするためである。そのうえ,ダイエットをしている方のためになる システムを考えてダイエットする人たちが順調に痩せられるようにしようと思ったからであ る。食品の食品添加物を表示することで,アレルギーの発生を防止して,癌の発生を抑制する ためである。 【概要】 1.賞味期限管理システム 冷蔵庫に入れる前に食品の賞味期限を入力し,期限が近づいたらアラームで通知する。 そして,冷蔵庫の表示盤に情報を表示する。 2.自動献立表作成システム 冷蔵庫は収納品を使用したダイエットや持病のある方のための自動献立表作成を行う。 料理の食材が不足した場合,自動発注する。ダイエットをしている方には,カロリー表 示と不足している運動量の表示も行う。 3.食品添加物過剰摂取防止システム 冷蔵庫内の食品の食品添加物摂取量を計算して一日の許容摂取量を超えないよう に自動献立表を作成する。また,アレルギーを発生させるような食品添加物は前も って入力しておき,それを含む食品は表示盤で警告する。それぞれの食品添加物に よっておこる症状についても明記する。 第1図 開発構造図 第2図 メニュー処理 【今後の展望】 ・仕組みが複雑になっているので簡単な仕組みにする。 ・このシステムを携帯電話などの他の電子機器で応用する。 ・自動献立表作成システムを年齢別のものを取り入れる。 ・持病のある方が役に立つようなシステムを考え,付け加える。 工情1-① アクセル自動制御装置 茨城県立日立第一高等学校 木名瀬 遼(2年) 指導教員 関山大志 【はじめに】 この開発は,アクセル自動制御装置による足への負担の軽減に加えて,車間距離や道路標識, 衛星通信(GPS 信号)による速度制御によって,渋滞の抑制や事故防止,運転手の法定速度の遵 守強化を目的としています。 【研究内容】 ○研究方法 手動制御装置と全自動制御装置とアクセル自動制御装置の違いから,アクセル自動制御装 置の良い点を明らかにし,その他に,何を付属すればより安心・安全な運転をすることがで きるかを考えていく。また,道路標識や GPS 信号による速度制御システムをカーナビゲーシ ョンに搭載出来るようにするため,カーナビ内部の制御システムを理解する。 ○結果・考察 アクセル自動制御装置に,道路標識と衛星通信(GPS 信号)によって速度制御できる速度 制御機構を取り付けることで,交通問題(車両事故や渋滞)を緩和できるのではないかと考 えた。そして,カーナビにそれらのシステムを搭載することで,タッチパネル装置という簡 易な操作によって,手軽に速度制御操作を行うことができると考察した。 ○開発構造図 【今後の課題】 道路標識や衛星通信(EPS 信号)による速度制限を実験で検証しようと考えている。また, その実験にあたってどんな問題点やリスクが生じるのかを考え,これまでの内容をより詳し く調べていきたい。 工情1-② 電動アシスト付買い物カートの作製 茨城県立日立第一高等学校 永井完幸(2年) 担当教員 関山大志 【はじめに】 電動アシスト付き買い物カートの作成をしようと理由は,最近の道路は整備され ていて歩きやすく,電動アシストの付いた買い物カートがあれば重い荷物も楽々運べ,それに 加え階段の上り下りができれば,足の不自由な人やお年寄りでも,お米やペットボトルの箱買 いなどの荷物で重くなってしまう場合でも近所のスーパーなどに歩いて買い物に行けるため, 買い物と運動が両方一度にできて便利なのではないかと考えたからである。 【目 的】 三輪の買い物カートを電動アシスト化して 16 ㎝以下の階段の上り下りをすること。 【研究方法】 三輪カートにハンドドリルを動力として取り付ける ことにより電動アシスト化する。右の写真1のように軸を 2 本足 してプーリーをつけ,上の軸とハンドドリルをフレキシブルチュ ーブでつなげことにより,上の軸を回すことで下の軸も回し電動 アシスト化させる。タイヤはラチェット構造を組みこむことで空 回りを防ぐこと,階段を下りる時の安全性を高めることができる。 【結果と考察】 上記のやり方で電動アシストを駆動することには 成功した。しかし,実際に階段を上ろうとしたところ,タイヤ, 軸,プーリーのどれかが空回りしてしまい階段を上ることはでき 写真1 なかった。まだ,実験が終わってないので断定はできないがタイ ヤだけが空回りしていた場合ラチェット構造を取り付けること で解決するかもしれない。 正面から見た アシスト部分 【今後の課題】 タイヤを駆動させることに関しては上記のやり方で間違っていないと思うが, 階段が登れないのではこの研究テーマにした意味がないので,タイヤが空回りしないような工 夫(ラチェット構造等)や,軸が空回りしないような工夫や,プーリーが空回りしないように別 のプーリーを使ってみるなどいろいろな工夫を考えていかなければならないと思う。 写真2 全体像 写真3 右から見た アシスト部分 工情1-③ 写真4 左から見た アシスト部分 パワーアシストアームの提案 茨城県立日立第一高等学校 増子 智也(2 年) 指導教員 関山 大志 【目的】 1. 人の力をサポート・増幅し,重量物を持つ事を可能にする装置の提案をする。 2. 装置の使用による,体の不自由な方(ご老人,身体障害者の方など)の日常生活の補助, 重量 物を扱う職業の方のサポート,災害救助等への応用を目指す。 ※装置は腕に装着する形で,モーター以外の動力(空気圧等)駆動とする。 【研究内容】 予備実験に基づき,装置(製品モデル)によって持ち上げる物体の質量の目標を 20kg と設定し, シリンダー機構を用いたシミュレーション装置(図 1)を製作して実験を行った。 エアータンクの出口圧 ばねばかりの値[kg] [MPa] ※4 回目に装置破損,1 回目 0.05MPa は測定不能 図 2 実験結果 図 1 パワーアシストアーム 結果より,シリンダー機構を用いての目標値達成は十分に可能であると考えた。 また,現在, 「流体駆動人口筋肉」の簡易モデルを製作中である。この装置は,ブロックの間を 通る伸縮性を持ったチューブが空気の流れによって膨張する事で装置が運動し,腕の動きをサポ ートする。 図 3 流体駆動人口筋肉 【今後の展望・課題】 ・スイッチシステムの確立をする。 ・実用可能な空気圧による動力の確保をする。 (例:炭酸ガスボンベ) ・原理試作を完成させ,最終的な製品モデルの図面を作成する。 ・「流体駆動人工筋肉」を用いて実験を行っていく。 工情1―④ 四足歩行ロボットの作製 茨城県立日立第一高等学校 檜垣 亮介(2年) 指導教員 関山大志 【はじめに】 以前からロボットに興味があり,前後左右の移動とその場での旋回が可能な四足歩行ロボット の作製を研究とした。今回作製したロボットは用途を限定せず, 「様々な用途に合わせて形を変化 させることの出来る基本形のもの」という構想で作製した。 【設計図】 橙---制御基板 緑---サーボモータ 青---トルク 図1.四足歩行ロボットの模式図 多脚部はそれぞれ2つのサーボモータを持つ。左右に動く。サーボモータは GWS サーボ MICRO/2BBMG/JR,制御基板は Raspberry Pi を使用した。全体長は約 58.7cm,全高は約 18.5 cmである。本体部は制御基板を搭載しているだけなので,様々な形に対応出来る。また,それ に合わせて脚部の配置や動く角度を調整することで,様々な用途に合わせて変化させる事が可能 になっている。 【改善点】 全体が無駄に大型化してしまったので,無駄をはぶいて小型化を目指す。特に脚部には無駄が 多い。関節部分は負担が大きく,上からの負荷に弱い。関節部分を強化する。また,脚部を上下, 左右に動かすそれぞれのモータは配置を逆にするべきと考える。 【今後の展望】 改善点から,設計をやり直し,ロボットを作り直す。ロボットを制御するプログラムを完成さ せ,自由に動かせるようにする。その後,いくつかのパーツや,プログラムを調整し,可能な限 り最適化出来るようにしたい。 工情1-⑤ 画像処理を用いた顔認識プログラムの作成 茨城県立水戸工業高等学校 発表者 倉本 諒太,酒出 雄太,川俣 滉一(2学年) 担当教員名 篠崎 健一 1.はじめに 社会の治安向上を目的として,様々なところに監視カメラが導入されている。指紋や虹彩など の身体的特徴や筆跡などの行動的特徴から個人を特定するバイオメトリクス認証はセキュリテ ィ対策の中核を担っている。そこで,認証技術に繋がる本研究を行うことにした。 2.研究内容 (1) 作成プログラム内容 人物の写った画像を,検出した顔の領域に, 外接四角形を表示する(図1)。 (2) 顔認識アルゴリズム プログラムは以下の流れで実行する。 ① ② ③ ④ ⑤ 画像を入力。 肌色領域を抽出。 白背景に肌色画素のみの画像を保存。 肌色領域のラベリング。 各孤立領域の特徴量を算出。 図 1 プログラム概要 ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ 条件とそろえば顔の候補と判定。 元顔画像の候補領域に緑色の外接四角形を加える。 顔の肌色領域の画像を保存。 緑色の外接四角形のある画像を出力して終了。 (3) 肌色領域の抽出 肌色は特に決まっていないため,各プログラムで色の範囲を指定する必要がある。しかし,一 般にR,G,Bの範囲を指定するだけでは,明るさによってRGB値が大きく異なってしまうため, 適切に肌色の画素だけを抽出することができない。そこで,HSV空間および,YCbCr空間を使 用して肌色を抽出する。RGBデータからHSVデータへ,RGB値からYCbCr値へ変換し,H値, Cb値,Cr値を求めて,その値が次の条件を満たせば,その画素が肌色であるとみなす。 肌色の条件式:(H<50 または H>210)かつ(-50<Cb かつ Cb<-20)かつ(20<Cr かつ Cr<40) (4) ラベリング処理 肌色部分の孤立領域にラベリングを行う ことで図に示すように肌色の孤立図形領域 を抽出する(図2)。 (5) 図形特徴の算出 図 2 ラベリング処理 各孤立領域の図形特徴を求める(図3)。 ① ② ③ ④ ⑤ 画像全体に対する孤立領域の面積率 外接四角形中の肌色画素の面積率 外接四角形の縦横比 H/W 色の範囲 左右対称度 3.実践(実演) 図 3 画像特徴 作成した顔認識プログラムで顔を認識することができた(図4)。 4.課題 私達はまだ,覚えるべき知識や技術は多く残っており, 図 4 実行結果 未熟な部分も多い。それらを良く整理し,人々の役に立つようなプログラムの研究を続けたい。 工情1-⑥ Webサイト開発におけるセキュリティ対策 茨城県立水戸工業高等学校 発表者 中野 裕貴, 菊池 優太, 郡司 恭輔(2学年) 担当教員名 篠崎 健一 1.はじめに 近年,Webサイトの脆弱性を狙った攻撃が多発している。IPAの報告によるとWebサイトを狙 った攻撃は増加傾向にあり,NRIの統計でも,Webアプリの33%に危険な脆弱性が存在すると報 告している。これより,Webサイト作成時には,十分なセキュリティ対策を行う必要がある。 私達は,学校サイトの学校情報誌(MIT)閲覧・投稿とフォトギャラリーのページの作成を担当 することになり,セキュリティ対策を研究しな がら,その対策機能を作成することになった。 2.研究内容 (1) システム概要 本サイトは,利用者からの要求に応じて, Webサーバ上のPHPがDBへのデータ登録・削 除・検索や結果の表示,後述するGoogleとのデ 図 1 システム構成 ータのやり取りを行うものである(図1)。 (2) セキュリティ対策(図2) ① XSS(クロスサイトスクリプティング)対策 入力がスクリプトとして認識されないよう, 入力に対して記号を実体参照に置換えた(図3)。 図 2 セキュリティ対策 ② SQLインジェクション対策 GoogleのOauth認証を利用しGoogleアカウントでのログインを可能 とすることで,IDとパスワードの組のような重要な情報をDBに持たせ ない構造とした。 ③ CSRF(クロスサイトリクエストフォージェリ)対策 図 3 XSS 対策 処理を行うページとその一つ前のページの間で,セッション変数とPOSTメソッドを利用し て予測不能な乱数のやりとりを行うことでアクセスの正当性を検証した。 (3) 脆弱性検査 セキュリティ対策の効果を測るために,OWASP ZAP(図4)を用い た。これは,IPAが推奨する自動検査型脆弱性検査ツールであり, 検査コードを使用し攻撃を行い,そのレスポンスを解析することで 脆弱性の検査を行うツールである。これを用い,危険な脆弱性が存 在しないことを確認した。 (4) Web実装(実演) ① 学校情報誌MIT閲覧ページ:http://mito-th.sakura.ne.jp/homepage/MIT/ ② フォトギャラリーページ 図 4 OWASP ZAP :http://mito-th.sakura.ne.jp/homepage/info/gallery/ 3. 今後の課題 完全なセキュリティ対策を行うことは困難であり,高度化する攻撃に対応するため,最新の情 報セキュリティについて研究を続ける必要がある。また,インターネットの利用者と開発者の双 方がセキュリティ意識を高めていくことが重要である。その啓蒙を行っていく必要がある。 工情1-⑦
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