見る/開く - 琉球大学

Title
Author(s)
Radiotherapy or Radical Surgery Induced Female Sexual
Morbidity in Stage IB and ⅡCervical Cancer( Review_審査要
旨)
ハーディング, 優子
Citation
Issue Date
URL
Rights
2014-03-20
http://ir.lib.u-ryukyu.ac.jp/handle/123456789/29027
平 成 2ζ年 二 乙 月 ょ8日
(別紙様式第 7号)
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課程 博
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1
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氏名
ハ ー デ イ ン グ 優子
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論文 審査委員
査日
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(論文題
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ICervical
Cance
r (子宮頚がんステージ I
B
.nに対する放射線療法後または広汎手術後の性機能障害)
(論文審査結果の要旨)
上記論文に関して、 研 究にいたる背景と目 的
、 研究内容、お よび研究成果の意義と学術水準につ
いて慎重に検討し、以下のような審査結果を得た。
1
. 研究の背景と 目的
子宮頚癌の主治療は、年齢、全身状態 、合併症の有無、臨床進行期などに応じて、手術療法ある
いは放射線療法が選択される。治療に伴 う合併症と して、リンパ浮腫、排尿 ・排便障害、放射線腸
炎 ・勝脱炎、睦壁の癒着・閉鎖、性交障害、女性ホルモン欠落症状などがあるが、その診断と管理
は、患者 Q
O
Lの観点から非常に重要である。その中で治療後の性機能障害の評価と管理はこれまで
疎かにされ、これに対する研究報告も極めて稀であ った。外科侵襲や放射線照射は、睦や睦周囲組
織を中心とする骨盤内臓器の萎縮や拘縮を引き起こし、また癌擢患、癌治療それ自体が精神的に影
響を及ぼし、性機能低下を引き起こすと考えられる。
近年、わが国では 20-40歳代で子宮頚癌の擢患率増加が報告されており 、治療後の性機能障害
への対策は、ますますその重要性 を増 していくと考えられる。今回の研究の目的は、治療後子宮頚
癌患者の性機能を治療法別に健康女性 と比較し、その実情を明らかにすることである。
2. 研究内容
自記式アンケート調査による観察 ・
横 断研究を行った。琉球大学附属病院で広汎子宮全摘 術 (
R
S
)
あるいは根治的放射線療法 (
RT
)が施行された臨床進行期 1B期
、I
I期の子宮頚癌患者で、 2
0
1
1-2012
年に治療後経過観察のために外来を受診した 1
75人、ならびに対照群として 5
2
1人の健康女性を対
象として、アンケー ト用紙を配布した。有効回答は子宮頚癌患者 92人 (
R
S群
、 RT群各 46人,回収
率5
3%)、健康女性 1
48人(回収率 28%) から得られた。性機能は FSF1(
F
e
m
a
l
eSexu
a
lFun
ctio
n
1
n
dex:
性機能指標)を用い欲求・興奮 ・潤滑・オーガスム ・満足 ・疹痛からなる 6つのドメインス
コア と総スコアにより比較検討を行った。なお、本研究は本学臨床研究倫理審査委員会で承認され、
調査前に対象者から文書同意を得 た
。
対象者の年齢中央値は、 R
T群 51歳(範囲 27-72歳
)
、 RS群 44歳(範囲 2
868歳)、健康女性 43
歳(範囲 30-66歳)で、
あった。 FSF
1総スコアの中央値は、 RT群 で 5.5点(範囲 3.
6
-34.7点
)
, RS
群で 1
8.9点(範囲 3.431
.2点),及び健康女性で 2
2
.1点(範囲 2-34.
2点)と 、R
T後の性機能は健
康女性との比較において有意な低下 を示 した (pく 0.
001
)。 各 ドメ インスコアに関 しても 、RT群
、「
オーガスム J、「
疹
ではすべての ドメイ ンで健康女性 と比較し有意 な低下 を認め
、 「興奮」 、「
潤滑J
痛Jの各スコア中央値は 0点(範囲 0
6
.
0点)で、高度の性機能障害の存在が示唆された。 一方
、
R
S群では F
S
F
r総スコア、ならびに「疹痛J以外の各ドメインにおいては、健康女性との比較にお
いて有意な低下を認めなかった。
3
. 研究成果の意義と学術的水準
子宮頚癌の治療後、特に放射線療法後の女性において、性機能低下は重大な問題であり、カウン
セ リングや リハビ リテーションを考慮する必要性を示 した本研究は、臨床的にも重要であ り意義深
く、国際的にも評価 される。
以上により、本論文は学位授与に十分値するものであると判断した。
備
考
1 用紙の規格は、 A 4とし縦にして左横書きとすること。
2 要 旨は800
字"
'
'1200
字以内にまとめる こと。
3 *印は記入しないこと。