農業、林業 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 高圧真空殺菌システム導入により省エネルギー化と省時間化を達成 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 平鹿町きのこ培養センター利用組合 平成25年度エネルギー使用合理化事業者支援事業 ◎総事業額:約2,300万円 ◎補助金額:約700万円 取組の概要 ●取組の背景と目的 菌床によるシイタケ栽培の場合、広葉樹のおがくずにフスマ等を加えた培地を殺菌する工程が必要であり、センター創業 以来、従来型の高圧菌床殺菌釜システムを使用していたが、大量の燃料(灯油)を使うことから、燃料代の上昇に頭を悩ま せていた。 一時木質ペレットを使ったバイオマスネルギーによる殺菌釜システムを導入して燃料 費を抑制することも検討したが、システムが高額であり収支的に無理であることが分か り断念した。 その後、長野県の設備会社から、既存の殺菌釜を高圧真空殺菌システムに改造するこ とにより、燃料使用量を削減できるとの提案を受け、培養センター内で実証実験を行 い、燃料の削減効果が認められた。さらにそのシステムで殺菌した培地(菌床)を用い て栽培実験を行い、シイタケの品質に問題ないことが判明したので『高圧真空殺菌シス テム』を導入することになった。 ▲高圧殺菌釜に連結されている真空ポンプ ●導入設備の概要 ◎高圧真空殺菌システム 菌床高圧殺菌釜の改造工事 (2釜用×2ライン) ▲培地 (菌床) を殺菌処理する高圧殺菌釜 ▲真空ポンプ用の制御盤 運用状況と省エネルギーの効果 既存の菌床殺菌釜システムに、真空ポンプと制御装置を付加して殺菌釜内を真空 エネルギー使用量 (灯油kℓ) 導入前 295 導入後 175 削減率 40.7% 〈平成24年9月~平成25年5月の期間と平成25年9月~平成26年5月との比較〉 にすることで、熱伝導率を高め、燃料使用量を削減。また菌床殺菌時に今まで使われ ていなかった蒸気を有効活用することが可能となり、大幅に燃料使用量を削減する ことができた。 左記の削減量は、培養センター全体の燃料使用量の削減率であり、殺菌釜だけで 見ると、50%位の削減効果があったと推定される。また、殺菌時間が今まで6時間 ほどかかっていたが、4時間に短縮することができて、作業効率も改善され労務費の 圧縮につながっている。 今回導入したシステムは、既存の設備に真空ポンプ等を付加して、改造したもので あることから、投資額を低減することができ、費用対効果が高い事業である。 ◎投資回収年数:3年 事業者概要 平鹿町きのこ培養センター利用組合 ■住所:横手市平鹿町浅舞字長沼東101 ■電話:0182-24-2033 ■組合員戸数:18戸 ■URL:http://www.akita-furusato.or.jp (JA秋田ふるさと) ■事業内容:きのこ菌床の生産 3 横手市平鹿町は古くからきのこの栽培が盛んな地区です。当利用組合の上部組 織であるJA秋田ふるさとからの出荷量はJA単位でみると東北一であり、全国的に みても上位の出荷量を誇り、主に首都圏に出荷されています。平鹿町きのこ培養セ ンターでは年間140万個の菌床を生産し、38戸の生産者に供給しています。また 組合員は栽培技術の向上に努め、収量と品質を向上させると共に、農薬は一切使わ ず、安心安全なきのこを生産しています。主な栽培品種はシイタケですが、他にシ メジ、ナメコ、エリンギなども生産しています。
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