ⅩⅣ.泌尿器科領域悪性腫瘍の予後(PDF)

ⅩⅣ.泌尿器科領域悪性腫瘍の予後
図1:泌 尿 器 科 領 域 悪 性 腫 瘍 生 存 率
100
%
80
60
40
20
0
0
1000
2000
3000
4000
5000
6000
7000
観察期間(日)
その他
腎癌
腎盂尿管癌
精巣腫瘍
前立腺癌
他臓器癌
膀胱癌
泌尿器科悪性腫瘍の治療後の予後は比較的良好で、全尿路性器癌の3,5,7,10年
生存率はそれぞれ 75.5%、66.1%、61.6%および 57.3%であった.しかしながら、疾患別にみ
るとその予後は異なっている.図に泌尿器科領域癌の生存曲線を示す.泌尿器科領域癌の
内で比較的症例数の多い腎癌、腎盂尿管癌、膀胱癌、前立腺癌および精巣腫瘍の5悪性腫
瘍の予後をみると、精巣悪性腫瘍の予後が最も優れており、ついで腎癌、膀胱癌の順にな
る.腎癌と精巣腫瘍、膀胱癌との間ではその生存率には有意差を認めない.一方腎盂尿管
癌と前立腺癌の予後は不良であり、腎盂尿管癌およびと前立腺癌の生存率は膀胱癌に比べ
て有意に(p<0.0001)低値であった.この傾向は進展度の低い(4段階法で1または2)早
期癌といわれる症例に限定しても同じであり、症例の進展度に関係なく腎盂尿管癌と前立
腺癌の予後は他の3悪性腫瘍に比べて予後は不良である.
文
献
1) 三方律治,今尾貞夫,深澤 立:東京都立墨東病院における尿路性器癌の臨床統計:
1986 年―2000 年の入院患者について.泌外 17(2):167ー172,2004
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