2014年 第23回放射線診断専門医試験問題P.38~52

41
2 歳の男児。数日前からの咳嗽と喘鳴とを主訴に受診した。来院時の胸部 X 線写真を示
す。
考えられるのはどれか。1 つ選べ。
a
胸水が貯留している。
b
右肺の虚脱を認める。
c
縦隔陰影は左側へ偏位している。
d
側面像の撮影が診断に有用である。
e
吸気および呼気撮影が診断に有用である。
胸部 X 線写真(正面像)
― 38 ―
42
生後第 2 週の男児。嘔吐を主訴に受診した。吐物は胆汁性であることから,腹部超音波
検査が施行された。上腹部カラードプラ写真(横断像)を示す。
可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。
a
腸重積
b
胃軸捻転
c
十二指腸閉鎖
d
肥厚性幽門狭窄症
e
腸回転異常症および中腸軸捻転
上腹部カラードプラ写真(横断像)
― 39 ―
43
新生児。胎児超音波検査にて脳室拡大を指摘されていた。生後 1 日に施行された頭部単
純 CT を示す。
可能性が高いのはどれか。1 つ選べ。
a
脳室内出血
b
結節性硬化症
c
Dandy-Walker 奇形
d
Sturge-Weber 症候群
e
先天性サイトメガロウイルス感染症
頭部単純 CT
― 40 ―
44
80 歳代の女性。2 日前から腹痛があり,嘔吐が出現し始めたため来院した。胃癌の手術
歴がある。腹部単純 CT を示す。
処置・対応として適切なのはどれか。1 つ選べ。
a
造影 CT にて腫瘤性病変や血管性病変を検索する。
b
イレウス管を留置し,24 時間後に CT で再検する。
c
イレウス管造影にて閉塞部位を検索する。
d
緊急血管造影を考慮する。
e
緊急外科手術を考慮する。
単純 CT 横断像
― 41 ―
45
50 歳代の男性。潰瘍性大腸炎の経過観察中に肝胆膵領域の MRI が施行された。MRCP
を示す。
この病態に合併する頻度が高いのはどれか。1 つ選べ。
a
膵
炎
b
脂肪肝
c
胆囊結石
d
胆管細胞癌
e
原発性肝細胞癌
MRCP
― 42 ―
46
50 歳代の女性。不正性器出血を主訴に来院した。乳癌術後で,抗エストロゲン薬を 10
!
年間内服中である。CA 19-9:48 U ml CA 125,
CEA:正常。骨盤部 MRI と FDG-PET
CT を示す。
可能性が高いのはどれか。2 つ選べ。
a
子宮肉腫
b
変性筋腫
c
子宮体癌
d
内膜ポリープ
e
囊胞性腺筋腫
T2 強調像
T1 強調像
T2 強調冠状断像
拡散強調像
ADC map
FDG-PET CT
― 43 ―
!
!
47
80 歳代の女性。貧血のスクリーニングのため腹部超音波検査が施行された。右側腹部横
走査による B モード像とカラードプラ像とを示す。
可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。
a
腸重積
b
異所性腎
c
大腸憩室炎
d
上行結腸癌
e
潰瘍性大腸炎
B モード像
カラードプラ像
― 44 ―
48
70 歳代の男性。スクリーニングの腹部超音波検査で腎に異常を指摘され精査となった。
発熱や腹痛は認めない。腹部造影 CT を示す。
考えられるのはどれか。2 つ選べ。
a
腎梗塞
b
腎盂腎炎
c
転移性腎癌
d
悪性リンパ腫
e
IgG4 関連腎病変
造影 CT(早期相)
― 45 ―
49
40 歳代の女性。上腹部痛を主訴に来院した。肝機能障害を認める。ダイナミック CT
の動脈相(A,B)と門脈相(C,D)とを示す。
可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。
a
うっ血肝
b
急性肝炎
c
急性胆管炎
d
Budd-Chiari 症候群
e
Fitz-Hugh-Curtis 症候群
動脈相
門脈相
― 46 ―
50
60 歳代の男性。数日前から自覚した左腹部痛が本日になり増悪するとともに,下血も出
現したため来院した。造影 CT(横断像と冠状断像)を示す。
最も考えやすいのはどれか。1 つ選べ。
a
悪性リンパ腫
b
虚血性大腸炎
c
偽膜性大腸炎
d
潰瘍性大腸炎
e
IV 型進行大腸癌
造影 CT(横断像)
造影 CT(冠状断像)
― 47 ―
51
60 歳代の女性。健診の超音波検査で腹部腫瘤を指摘され精査となった。症状はない。
ダイナミック MRI(造影前,動脈優位相および平衡相)と MRCP とを示す。
考えられるのはどれか。1 つ選べ。
a
膵粘液癌
b
リンパ上皮囊胞
c
漿液性囊胞腫瘍
d
神経内分泌腫瘍
e
膵腺扁平上皮癌
T1 強調像(造影前)
T1 強調像(動脈優位相)
T1 強調像(平衡相)
MRCP
― 48 ―
52
40 歳代の女性。骨盤部 T2 強調横断像を示す。
徴候として本例で伴なっているのはどれか。1 つ選べ。
a
高血圧
b
膀胱脱
c
膀胱内出血
d
骨盤内鬱血
e
反復性尿路感染
骨盤部 T2 強調横断像
― 49 ―
53
60 歳代の男性。虚血性心筋症による心不全および不整脈の治療中である。血清肝酵素値
の上昇を認めたため精査となった。 貧血は認めない。 このときの腹部単純 CT を示す。
薬剤性肝障害が考えられたため,投与中の薬剤が中止された。中止後 3 か月の腹部単純
CT も示す。
初回 CT における異常所見の原因として考えられるのはどれか。1 つ選べ。
a
金
b
鉄
c
亜鉛
d
ヨウ素
e
カルシウム
単純 CT(初回)
単純 CT (3 か月後)
― 50 ―
54
30 歳代の男性。検診の胸部 X 線撮影で異常を指摘され,精査を目的に来院した。腹部単
純 CT の横断像(3 スライス)を示す。
可能性が最も高いのはどれか。1 つ選べ。
a
肝硬変
b
異所性脾臓
c
奇静脈連結
d
悪性リンパ腫
e
下大静脈走行異常
腹部単純 CT
― 51 ―
55
50 歳代の女性。検診の腹部超音波検査で膵頭部に腫瘤を指摘され,精査を目的に来院
した。腹部ダイナミック CT(造影早期相)を示す。
疾患として可能性が低いのはどれか。1 つ選べ。
a
SCN(serous cystic neoplasm)
b
AVM(arteriovenous malformation)
c
SPN(solid pseudopapillary neoplasm)
d
PNET(pancreatic neuroendocrine tumor)
e
metastasis from RCC(renal cell carcinoma)
ダイナミック CT(造影早期相)
― 52 ―