県内業界から見る【原油安の影響】について 石川県中小企業団体中央会 <調査対象> ◎調査期間:平成27年1月下旬~平成 27年2月上旬 ◎調査対象:当会情報連絡員(業界組合)58 団体 回答 48団体 ・製 造 業:31団体中25団体 ・非製造業:27団体中23団体 <結果のポイント> (1)原油安の影響について 円安による原材料高(物価高)・コスト高の声がよく聞かれた 2014 年であったが、7月より原油価格が下がり始 め、11 月にOPECが減産を見送ったことで、一層下落に拍車がかかった。原油安は、企業収益の改善と将来の景気 好転に繋がると言われているが、県内の中小企業者にはどのようは影響を与えているのか、業界組合に聞いてみたとこ ろ、次の通りであった。 ○全業種では、 「変わらない」が 66.7%と最も多く、 「今後収益が改善しそう」が 27.1%と続いた。12 月・1 月の 価格低下が大きかったため、事業者の収益改善に繋がっていると想定していたが、 「収益が改善している」は 6.3% と少数に留まった。企業にとっても、個人にとっても、トータルなコストの構成は幅広く、原油安のみでは、活動を 活発化させる要因にはなりにくいようである。 (2)業種別詳細 ○製造業においては、 「変わらない」が 72.0%と最も多く、 「今後収益が改善しそう」が 28.0%と続いて、 「収益が改 善している」との回答はゼロであった。 「変わらない」の要因は、 “円安に相殺される” “その他の物の価格が上がっ ている” “コスト低減に大きな影響ではない”というものであった。原油安にはなったものの、円安や物価高でその 他のコストは上がっていること、製造コストのあくまで一部であるとのことで、収益改善に大きく貢献はしないよ うである。 ○非製造業においても、 「変わらない」が 60.9%と最も多く、 「今後収益が改善しそう」が 26.1%と続くものの、製 造業と異なり、 「収益が改善している」が僅かに見られた(13.0%) 。既に収益が改善していると答えたのは、建設 業、燃油小売業、旅館・ホテル業であり、コストに占める燃料費の構成割合の高い業種であった。同じように燃料費 の構成割合の高い運輸業においても、原油安が収益改善にすぐに繋がると考えていたが、回答は「今後収益が改善し そう」であり、その理由は収益改善には安価な状態が今後も続くことや更なる低下、また、車両や人材の確保といっ た事業の安定化と稼働率UPの必要性があるとのことであった。なお、最も多かった「変わらない」の要因は、 “円 安に相殺される” “個人消費の回復に繋がるほどではない”であった。ここでも円安による他の経費の上昇が足枷と なっており、加えて、物価高や実質賃金の低下が言われている中、ガソリン価格の低下のみでは、個人の実質購買力 を高める効果は薄いと考えられる。 ■原油安によって、どのような影響を受けているか(カッコ内は実数) 全業種 製造業 27.1% (13) 6.3% (3) 収益が改善している 変わらない 66.7% (32) 収益が改善している 28.0% (7) 72.0% (18) 今後収益が改善し そう ■原油安の影響の要因(複数回答可) 【製造業】 収益が改善 今後収益が 変わらない している 改善しそう 円安に相殺される 5 1 燃料費が安くなった(なりそう) 1 3 その他の物の価格が上がっている 3 1 コスト低減に大きな影響ではない 3 電気代が安くなった(なりそう) 2 ガス代が安くなった(なりそう) 1 その他 3 2 非製造業 26.1% (6) 13.0% (3) 収益が改善している 変わらない 今後収益が改善しそ う 変わらない 60.9% (14) 今後収益が改善し そう 【非製造業】 収益が改善 今後収益が 変わらない している 改善しそう 円安に相殺される 4 2 燃料費が安くなった(なりそう) 2 2 2 個人消費の回復に繋がるほどではない 3 物流費が安くなった(なりそう) 1 個人消費の回復につながる 1 仕入価格が下がる(下がりそう) 1 電気代が安くなった(なりそう) 1 ガス代が安くなった(なりそう) 1 その他 2
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