県内業界から見る - 石川県中小企業団体中央会

県内業界から見る【4 月の採用実績】について
石川県中小企業団体中央会
<調査対象>
◎調査期間:平成27年6月下旬~平成 27年7月上旬
◎調査対象:当会情報連絡員(業界組合)58 団体
回答 49団体 ・製 造 業:31団体中25団体
・非製造業:27団体中24団体
<結果のポイント>
(1)4 月の採用実績について
4月の雇用失業情勢によると、有効求人倍率は1.47倍と高水準を維持し、有効求人数は前年同月比28か月
連続で増加しており、着実に改善しているとのことであった。また、当会が毎月行っている景況調査のコメントで
は、人手不足が経営課題として挙げられ、企業の採用意欲が高まっていることが窺えた。そこで、この春(4月)
の採用実績は、昨年度(4月)と比較してどうであったか、業界組合に聞いてみたところ、次の通りであった。
○全業種では、
「変わらない」が最も多く、
「増やした」が続いた。当会が 2014 年 1 月に行った 2014 年春の
採用計画に関するアンケートでは、
「受注が増えないと考える」
「消費増税後の景気が不透明」との厳しい見方
から、採用に消極的な意見が多かった。この結果と比べると、この 4 月の採用実績は「増やした」の割合が多
くなることを想定していたがそうではなかった。これは、人手不足は一部の業界での現象であったこと、今後
事業が好転すると考えている事業者が少ないこと、また、募集しても応募がないといった要因が挙げられる。
(2)業種別詳細
○製造業においても、
「変わらない」が最も多く、
「増やした」が続いた。製造業では事業好転の要素があまり見
受けられない中であったが、
「増やした」との回答が28.0%であった。
「増やした」との回答は、繊維機械
と工作機械関連向けが好調な鉄鋼・金属製品製造業と一般機械器具製造業、北陸新幹線開業効果で忙しい菓子
製造業と印刷業であった。また、鉄鋼・金属製品製造業と一般機械器具製造業では技術者育成の観点から、景
気によらず長期的な人材確保も理由として挙げられた。
○非製造業においても、
「変わらない」が最も多く、
「増やした」が続いた。非製造業では北陸新幹線開業による観
光客の増加を見込んで「増やした」との回答が多いと考えていたが、その割合は25.0%に留まった。
「増や
した」との回答は、新幹線開業による観光客の増加を見込んだ旅館・ホテル業と土産物小売業、欠員補充から
商店街と建設業、ドライバー不足から運輸業であった。なお、非製造業において特徴的であったのは、
“採用を
増やしたい”と考えているにもかかわらず、
「募集しても応募がない」と言う理由で、
「変わらない」
「減らした」
との回答が複数見られたことである。これは規模や業種によって敬遠されていることが要因のようである。
■昨年と比較した 4 月の採用実績について
全業種
10.2%
(5)
12.0%
(3)
26.5%
(13)
1.増やした
3.減らした
28.0%
(7)
8.3%
(2)
25.0%
(6)
1.増やした
2.変わらない
2.変わらない
63.3%
(31)
非製造業
製造業
60.0%
(15)
1.増やした
2.変わらない
3.減らした
66.7%
(16)
3.減らした
■上記回答の理由(複数回答可)
増やした理由
製
造
業
非
製
造
業
受注の増加
長期的人材確保
人手不足
需要増加
欠員補充
人手不足
3
3
2
3
2
1
変わらない理由
事業が好転しない
4 欠員補充のみ
中途採用で対応
2 募集しても応募がない
長期的人材確保
1 採用を行っていない
今後の見通しが不透明
1 その他
外需不振
1
募集しても応募がない
4 需要不振
今後の見通しが不透明 2
2 採用を行っていない
欠員補充のみ
2 その他
1
1
2
2
1
3
4
減らした理由
人員過剰 1
内需不振 1
販売不振 1
募集しても応募がない
販売不振
1
1