県内業界から見る【夏のボーナス(一時金)について】

県内業界から見る【夏のボーナス(一時金)について】について
石川県中小企業団体中央会
<調査対象>
◎調査期間:平成27年7月下旬~平成 27年8月上旬
◎調査対象:当会情報連絡員(業界組合)58 団体
回答 45団体 ・製 造 業:31団体中23団体
・非製造業:27団体中22団体
<結果のポイント>
(1)夏のボーナス(一時金)について
大手企業では、2014 年度の好業績を背景に、15 年の夏のボーナスが 14 年夏の実績を上回ったとの報道があ
り、県内においても某経済団体の夏季一時金交渉状況の調査では、平均妥結額は前年比 6.09%増、3 年連続プラ
スとのことであった。そこで県内の中小企業者においては、今夏のボーナス(一時金)がどのように支給されたの
か把握するため、業界組合に聞いてみたところ、次の通りであった。
○全業種では、
「変わらない」が最も多く、
「増やした」が続いた。他の調査結果を踏まえると、
「増やした」との
回答がもっと多いと予想したが、
「増やした」は約 2 割強に留まった。これは、昨年度、消費増税の影響から停
滞感が強かった状況を反映しており、加えて、下記の調査結果の通り(
「変わらない」の理由“先行きが不透明”
)
、
今後の経済見通しに明るさが見られないことが要因と考えられる。
(2)業種別詳細
○製造業においても、全業種と同様の傾向であったが、製造業では「増やした」との回答が全業種よりも多かった。
「増やした」との回答は、昨年度全般的に低調な中にあって、建設機械・工作機械・産業機械関連の需要増から
比較的好調であった鉄鋼・金属製品製造業と一般機械器具製造業において見られ、その理由は“2014 年度の
業績が良かった”
、
“2015 業績向上が見込まれる”
、
“従業員のやる気向上”であった。また、
「変わらない」
、
「減
らした」の理由で見られた“原材料価格高騰による収益悪化”はアベノミクスの開始以降、
“消費増税後の反動
減”は昨年度当初からの経営課題であり、長期にわたって企業に悪影響を与えている模様である。
○非製造業においては、
「増やした」も「減らした」も全業種より少なく、
「変わらない」が 8 割弱と多かった。新
幹線開業効果が大きく、3 月から業績改善の声が多く聞かれていたため、
「増やした」との回答がもっと多いと
想定していたが異なっていた。
「変わらない」の理由は“先行きが不透明”が最も多く、現在観光客の増加で好
調な土産物小売業、旅館・ホテル業、燃油小売業においても、今は良くてもこの先分からないと言う声が多かっ
た。また、
「増やした」との回答は、観光客の増加で収益の上がっている金沢市内の旅館・ホテル業、燃油価格
の下落で収益の改善した運輸業、昨年度実績と今年度見通しも堅調な一般機械器具卸売業であった。
■昨年と夏のボーナス(一時金)について
全業種
8.9%
(4)
24.4%
(11)
製造業
13.0%
(3)
1.増やした
4.5%
(1)
30.4%
(7)
2.変わらない
66.7%
(30)
3.減らした
非製造業
56.5%
(13)
18.2%
(4)
1.増やした
1.増やした
2.変わらない
2.変わらない
3.減らした
77.3%
(17)
3.減らした
■上記回答の理由(複数回答可)
増やした理由
変わらない理由
製
造
業
従業員のやる気向上 2
2014年度の業績が良かった 2
2015年度業績向上が見込まれる 2
社会的な傾向 1
人員確保 1
定期昇給出来なかった分 1
非
製
造
業
収益が上がっている 2
社会的な傾向 2
2014年度の業績が良かった 1
2015年度の業績向上が見込まれる 1
減らした理由
消費増税後の反動減 2
先行きが不透明 5 人員確保 1
先行きが不透明 1
原材料価格高騰による収益悪化 2 その他 1
原材料価格高騰による収益悪化 1
2014年の業績が良くなかった 1 未回答
3
従業員のやる気向上 1
先行きが不透明 収益が上がっていない 消費増税後の反動減が続いている 2014年度の業績が良かった 未回答
8
7
1
1
3
収益が上がっていない 1