東大入試直前確認事項公開用

東大入試直前確認事項
1. 解ける問題を残して試験を終えるのがよくない終わり方である。(最も回避しな
ければならないことはこれ。)
2. 今年は, 順番から言えば昨年よりは難しくなる年である。(一昨年よりはおそら
く易しいとは思われる。) たとえ予定通りできなくてもまわりもできていない
可能性もある。
3. 東大の問題は一つの問題に山場が複数ある場合が少なくない。一つのことが解
決したからと言って気を抜かないこと。
4. ベストの解答 (途中の説明も完璧) が時間の関係などで無理な場合は, ベターな
解答を目指すべき。本題ではない説明にこだわりすぎて最後までたどり着かな
い方が後味が悪い。
5. 結果が不自然なもの (体積が負になるとか, 確率が 1 より大きいなど) は排除す
べきであるが, 結果が思いもよらないことはある。特に軌跡の問題では, 結果が
妙な曲線になることもあったり, 図形の問題では四面体の 1 頂点から対面を含む
平面に垂線の足をおろしたら対面上にはなかったりすることがある。結果が不
安になることもあるだろうが, そのようなこともあることを心得ておくとよい。
6. 整数問題で解法に見当がつかない場合は, 具体的な数値をあてはめて問題の性
格を見つけること。この段階でこの問題の特徴がわかることがある。
7. 図形問題で解法に見当がつかない場合は, 与えられた状態を式で表してみるこ
と。よくわからなくても, 式で表したものを答案に残しておくこと。
特に, 東大の問題の場合は, 「条件」と書かれたものを数式化することで問題
の意味がわかることがある。
8. 最大最小問題, 体積が絡む立体図形の問題などは初等幾何による解法に固執せ
ずに数式で状況を表現することをまず第 1 に考えること。
初等幾何の知識は必要であるが, どちらかと言えば補助的な使い方をするの
が多くの場合であって, 初等幾何のみで解ける問題は 2001 年第 1 問が最後で
ある。
9. 文章の長い確率の問題は, 最初に問題に書かれているルールを読み間違えると
致命傷になるので, 何度も確認すること。(特に神経を使わなければならない部
分はここである。)
10. 「評価」の問題は,
・(1) 評価に必要な不等式の導出
・(2) 評価したい式の証明あるいは近似値の計算
の順で設問が設置される。このようにたいていは小問が 2 題であるが, (1) がで
きなくても (2) ができることがある。
ただし, (1) で示した式に代入するだけで (2) が解けることは少ない。そのよ
うな場合は,
・(1) で示した式を何等かの「加工」を施す必要がある
・(1) で示した式を導くまでの途中の式を使う必要がある。のいずれかであ
る。評価する問題に限らず, 前の設問の結果できなく途中の式が後の設問で役
に立つことがある。
11. 「評価」の問題ははまりやすい。つまり, 時間を忘れて没頭しやすい問題なので
時間配分に注意すること。
12. 場合分けの問題は必ずどこかで出題される。確率の問題などでは, 偶数と奇数
による場合分けが多い。
13. 「漸化式が与えられる」かつ「論証」の問題は, 数学的帰納法を用いる可能性が
高い。問題文を見たときに「漸化式」
「証明」があればほとんどが数学的帰納法
の問題である。(もちろんそうでないこともある)
14. 問題が (1), (2), (3) のように小問に分かれている場合,
・(1) がわからない場合は, 基本的には「実験」
「極端な場合」
「具体例」などで
確認し糸口をつかむこと。
・(3) がわからない場合は, (1), (2) の存在理由を考えること。ただし, (1), (2)
の結果がそのまま使えるとは限らない。