(利根川分割2号) 特記仕様書(pdfファイル:296KB)

(第2号-2)
平成27年度 社会資本総合整備(防災・安全)
洪水浸水想定区域図作成業務(利根川(分割2号))
特記仕様書
第1条 適用範囲
本特記仕様書は「洪水浸水想定区域図作成業務(利根川(分割2号))」(以下「本業務」と
いう。)に適用し、本特記仕様書に明記無き一般事項は「群馬県設計業務委託仕様書」(平
成 19 年群馬県県土整備部)によるものとする。
第2条 業務目的
本業務は、洪水時の円滑かつ迅速な避難の確保及び浸水を防止することにより、水災によ
る被害の軽減を図るため、「洪水浸水想定区域図作成マニュアル(第 4 版)」(以下、「マニュ
アル」という。)に基づき、洪水浸水想定区域図を作成するとともに、関連市町村が実践的な
洪水ハザードマップを作成するために必要となる基礎情報を作成・整理するものである。
第3条 業務範囲
業務の対象となる県管理の水位情報の通知及び周知を行う河川(以下「水位周知河川」と
いう。)及び箇所は、以下のとおりとする。
・対象河川 : 一級河川利根川
・対象箇所 : 以下に示す水位周知河川における実施区域
利根川[延長約 29.1km]:参考(既往の浸水想定区域の面積約 5,752ha)
左岸 渋川市北橘町下箱田地先 から 伊勢崎市柴町地先(直轄上流端)
右岸 渋川市下郷地先 から 佐波郡玉村町小泉地先(直轄上流端)
第4条 業務内容
1.計画準備
本業務に関する契約図書、指示事項及び貸与資料を把握し、業務実施に当たっての技術
的指針及び作業スケジュールを検討したうえで、業務計画を立案・作成し、業務遂行に当た
って必要な準備等を行う。
2.浸水範囲の特徴分析
(1)浸水範囲における地盤高等の調査等
既往の洪水浸水想定区域図等の検討結果を参考として、浸水解析に必要とされる地形条
件等の精度を確保するため、浸水範囲における地盤高・土地利用条件等を調査し、メッシュ
データとして整理する。
また、浸水継続時間の算出に要する排水施設の稼働条件を調査する。
(第2号-2)
なお、浸水による被害情報を取りまとめるうえで必要となる浸水範囲における災害拠点病
院、要配慮者利用施設、大規模工場、学校、役場等の重要施設への浸水被害情報を提供
するための基礎資料を整理する。
(2)氾濫条件等の分析
河道流下能力を基に、断面ごとに氾濫開始水位を設定し、その水位に対応する流量を算
出する。また、洪水浸水想定区域図は、浸水域の最大浸水深を捉えたものであることから、
対象洪水流量が氾濫開始流量に達したすべての地点で氾濫させた場合と同等の浸水域と
なる氾濫想定地点を設定する。その際には、氾濫ボリュームが大きくなる箇所を考慮する。
3.浸水解析
(1)浸水解析の条件設定及び実施
浸水解析にあたっては、下記の解析条件を検討し、適切な精度が確保できる数値解析手
法等により行う。
・
計算領域、地盤高、基礎方程式、計算メッシュスケール
・
粗度係数・空隙率・透過率・抗力係数等
・
河川からの氾濫流量計算
・
溢水越水及び堤防破堤条件
・
連続盛土
・
浸水域内の排水条件
・
計算時間間隔、計算時間
4.既往浸水想定区域との比較検討
前項で得た浸水解析結果と既往の浸水想定解析成果と比較を行い、氾濫流量や浸水域、
浸水深等について考察を行うとともに、外力による違いのほかの要因分析を行う。
5.洪水時家屋倒壊ゾーンの設定
洪水時に家屋が流出・倒壊するおそれがある区域を「洪水時家屋倒壊危険ゾーン」として、
地図上に明示する。当該ゾーンの設定においては、原則として氾濫による流体力の作用及
び河岸侵食による基礎の流出による家屋倒壊危険性について評価し、それぞれについて
設定・表示する。
6.浸水継続時間等の設定
浸水継続時間は、洪水時に避難が困難となる一定の浸水深を上回る時間の目安を示すも
ので、氾濫想定地点ごとの浸水計算結果による浸水継続時間のうち、最も長い値を最大包
絡として設定する。
また、氾濫想定地点ごとの浸水計算結果による氾濫水の到達時間、最大浸水深発生時間、
排水完了時間も設定する。
7.浸水想定区域図の作成
前項までの検討を踏まえ、浸水解析結果等を基に、最大の浸水区域及び浸水深を設定し、
洪水浸水想定区域図の原案を作成する。
(第2号-2)
洪水浸水想定区域図は、洪水浸水想定区域及び浸水した場合に想定される水深、洪水
時家屋倒壊危険ゾーン及び浸水継続時間等を表示した図面に洪水浸水想定区域の指定
の前提となる降雨等を明示するものとし、マニュアルにおいて作成・情報提供が必要とされ
る情報についても情報作成、記入を行うものとする。
8. 浸水想定区域図データの作成
浸水解析及び浸水想定区域図の作成等に使用・作成したデータ及び洪水ハザードマップ
作成に必要なデータ等を、「浸水想定区域図データ電子化ガイドライン(第2版)」等に準拠
し、市町村への提供または地理情報システム等で利用可能な形式で作成する。
9.報告書作成
本業務内容をとりまとめて、報告書を作成する。
10.打ち合わせ
本業務における打合せは 3 回(着手時、中間時 1 回、成果品納入時)とし、その他必要に
応じて適宜打合せを行う。なお、着手時、完了時には管理技術者が立ち会うものとする。
第5条 成果品
納入する成果品は、電子媒体に記録したデータ2部及び印刷した報告書2部とする。
成果品一般については、「群馬県 CALS/EC 土木事業の電子納品ガイドライン【業務委託
編】(平成26年3月)」に基づくものとし、浸水解析及び浸水想定区域図データ等は、「浸水
想定区域図データ電子化ガイドライン(第2版)」等に準拠して、保管・提供できるように整理
する。
第6条 参考図書等
検討にあたっては、以下の資料等を参考にすること。
① 既往の浸水想定区域図の作成に係る報告書等
・
群馬県沼田土木事務所「総合流域防災事業(浸水)」(一)利根川 H19.10 月
・
群馬県前橋土木事務所「総合流域防災事業(浸水)」(一)利根川 H19.12 月
② 参考図書
・
河川砂防技術基準同解説調査編
・
洪水浸水想定区域図作成マニュアル(第 4 版)
・
浸水想定(洪水、内水)の作成等のための想定最大外力の設定手法
・
浸水想定区域図データ電子化ガイドライン(第 2 版)
・
浸水想定区域図データ電子化用ツール
・
地点別浸水シミュレーション検索システム(浸水ナビ)
・
洪水ハザードマップ作成のための「浸水想定区域図データ」利用ガイド
・
洪水ハザードマップ作成の手引き(改訂版)
(第2号-2)
・
地下街等浸水時避難計画策定の手引き(案)
・
地下空間における浸水対策ガイドライン
・
避難確保・浸水防止計画作成の手引き
等
ただし、上記以外の図書、基準の適用を妨げるものではない。
第7条 貸与資料
本業務の実施に当たり、発注者は必要な資料を貸与する。ただし、貸与した資料は細心の
注意を払い使用するものとし、破損・紛失等があった場合、受託者がこれを補修、弁償する
ものとする。
第8条 その他
受託者は、本業務の実施に当たり、本特記仕様書及び設計図書に疑義が生じた場合は監
督員と協議するものとする。