第5回史跡めぐりのあらまし

温故知新・・・・生涯学習 心やすらぐ風景のなか 笠間の史跡を巡る
実施日 2月13日(金)
行 程 出雲大社常陸教会 ⇒ 稲田禅房西念寺 ⇒ 笠間稲荷神社 ⇒ 春風萬里荘
1 出雲大社常陸教会
笠間観光協会のボランティアガイドさんに
ここから同行していただきました。
平成4年12月4日、島根県出雲大社
からご分霊をご鎮座。
注連縄(しめなわ)の大きさに圧倒さ
れる。
画面右上、注連縄の右側が細くなって
いますね。
注連縄にはたくさんのお金が挿し込まれ
ています。
ここ出雲大社では特に参拝者に禁止し
てはいないという。
ただ、直接挿し込もうにも、手が届かな
い高さなので、うまく稲わらの隙間に収ま
るまでには、何度も投げあげては失敗を
繰り返す。そんな庶民の運だめし、願掛
けの姿に、大黒様もおおらかに眺めてい
らっしゃることだろうと思われました。
あらかじめ笠間観光協会から出雲大社
に連絡していただいたおかげで、神主さ
んから大社にまつわるお話や、参拝の基
本的な所作などについて説明していただ
くことが出来ました。
出雲大社での参拝は“二拝四拍手一
拝”で行うこと、注連縄の向きがほかの
神社と異なること、その意味するところ、
いわれなど興味深いお話もありました。
2 稲田禅房西念寺
(浄土真宗)
親鸞聖人が流罪赦免の後、約20年間
にわたり東国布教の拠点とした「稲田の
草庵」があったところ。
ご本尊は阿弥陀如来立像です。
一帯は、南側に水田や畑が広がる静か
な田園地域。緑豊かな里山のなつかし
い風景が今も残っている。ゆったりとした
時間の流れが心地よい。
この辺りの山々は御影石の産地として
有名。近年は外国産の安価な石材に
押されて業績が厳しいとのことでした。
笠間観光協会の元気あふれるボランティアガイドさ
ん、楽しくも奥の深いお話をたくさんしていただきまし
た。
親鸞聖人お手植えと伝えられている銀杏。
樹齢300年以上とのことですから、聖人お手植えの
時代から何代目の銀杏になるのでしょうか・・・。幹
周り7.5m、樹高35m、11月の聖人報恩講の
頃、銀杏の黄葉が見ごろになるとのことでした。
手前水田をはさんで前方に見えるのが稲田
の草庵。
親鸞聖人がこの地を離れ、京都へ旅立つ
際、名残りを惜しんでしばしの間たたずまれた
“見返りの橋” は、この付近にあったと伝えら
れています。
すでに田起こしが始まっていました。 田植
えの直前、新緑に包まれた草庵が水田に映
る風景をゆっくりと眺めてみたいものですね。
見返りの橋のたもとにある歌碑
~ 「別れじを さのみな
げくな法の友 また会う国
の ありと思えば」
見返りの橋の周囲は田んぼでした。
日当たりの良いあぜ道にはオオイヌフグリ
がそこかしこに咲いていました。
昼食・休憩
昼食は笠間芸術の森公園近くのレスト
ランで・・・
油揚げの味噌汁、厚揚げなど笠間のお
稲荷さんにちなんだもの、いずれも地元
の食材を生かしたメニューが用意されて
いました。
午前中に訪れた場所を思い起こ
しながら、初めて参加された皆さ
んとも話がはずみます。
3 笠間稲荷神社
2011年3月11日の大地震で、御影石
の鳥居3基のうち1基の鳥居が壊れま
した。
残りの2基も安全を考慮し解体、現在
は鳥居の場所に注連縄が張られていま
す。修復のためには4億円近くかかる見
込みで、浄財を募ってその費用にあてる
とのことでした。
3基の鳥居が揃って並ぶ参道を歩ける
時が早く訪れますように。
三大稲荷のひとつと称されていますが、
ほかの稲荷はどこかご存知ですか?
ここ笠間稲荷の他に、
豊川稲荷(愛知県)、伏見稲荷(京
都府)、そして祐徳稲荷(佐賀県)
の名があげらることが多いようです。
地域によってはこれ以外の稲荷神社が
入ることがあるとのこと。
やはり実際にご自分でそれぞれの神社に
お参りして納得するのが一番でしょうか。
笠間稲荷の注連縄の向きが、左側が細くなっていま
すね。出雲大社とは左右が反対であることが分かり
ます。
本殿の裏側にたくさんのキツネが集合していました。
願掛けに置かれたものでしょうか・・・。
今風の?まあるいお顔とつぶらな瞳のかわいいキツネ
もいました。
お土産には地域の歴史や風土を背景に
したものがたくさんあります。
その昔、笠間稲荷の辺りにはくるみの木
がたくさんあったといわれています。このこ
とから、笠間稲荷は、胡桃下稲荷(くる
みがしたいなり)とも呼ばれているので
す。
このくるみにちなんだお菓子 “くるみゆべ
し” が地元の名物となっています。
4 春風萬里荘
笠間駅の南方、画家の住居・アトリエなどが点在す
る芸術の村、その村の中央に “北大路魯山人” の
没後、かつて住んでいた北鎌倉から移築した「春風
萬里荘」があります。
屋内には魯山人遺作の名品を展示、屋外には京
都龍安寺を模した石庭、もみじ園などがあります。
四季それぞれに訪れてみたいと思わせる野趣あふれ
る空間でした。
北大路魯山人・・明治16年~昭和34
年、76歳没、篆刻家・陶芸家・画家・
書道家・漆芸家・料理家・美食家など
様々な顔を持つ魯山人でした。
(余談ですが・・平成19年、ある飲料
メーカーの日本茶のCMに魯山人が出
演、写真とともに「日本人は知っている」
「うまいは甘い」と語っていました。その
メーカーは、現在、中野区内に本社があ
ります)
今回、訪れた “西念寺” は浄土真宗のお寺です。 中野区内にも浄土真宗のお寺があります。
有名なところでは、浮世絵にもなった江戸明和三美人のひとり、“ 笠森お仙 ” の墓所がある “正見寺”(上
高田)でしょうか。 ちなみに、お仙は谷中の 『笠森稲荷』 にあった水茶屋「鍵屋」の看板娘。
笠間稲荷と笠森稲荷・・・これも何かのご縁でしょうか。
また、宗派は浄土宗になりますが、貞源寺(沼袋)には中野区指定有形文化財の
< 阿弥陀如来立像 > があります。
残念ながら非公開ですので、中野区のホームページで公開されているお姿と解説文を
紹介しておきましょう。
『全体的に全身の厚みは薄く、衣のひだは背面と大腿部で省略され
ており、彫りは全体に浅い。穏やかな作風で平安時代後期の典型的な
阿弥陀如来立像です。』