感染症予防講習会 ~感染性胃腸炎の予防策~ ~患者発生時

感染症予防講習会
~感染性胃腸炎の予防策~
~患者発生時の拡大防止策~
千葉市保健所
感染症対策課
感染性胃腸炎とは
主にウイルスなどの微生物を原因とする胃腸炎の総
称であり、冬場に流行する代表的な感染症である
【起因病原体】
ウイルス:ノロウイルス・ロタウイルス・サポウイルス
アデノウイルスなど
細
菌:腸管出血性大腸菌・腸炎ビブリオなど
寄 生 虫:クリプトスポリジウム・アメーバなど
【症状】
腹 痛・下 痢・おう吐・発 熱など
感染性胃腸炎の定点報告数
ノロウイルスの感染経路
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排便による汚染状況 その1
水様下痢便による汚染状況
長野県ホームページより
排便による汚染状況 その2
排便後拭き取り時の汚染状況
長野県ホームページより
排便後によく触れるところ
・ペーパーホルダー
・水洗レバー
・手すり
・便器の蓋
・トイレ個室のドアの鍵/ドアノブ/ドア
・手洗いの 石鹸/水栓/蛇口
・手拭き
・トイレ出入り口のドア
適
切
な
手
洗
い
感
染
予
防
の
基
本
ノロウイルスの予防の原則1
ウイルスを持ち込まない
職員の場合
・軽度の下痢や腹痛での勤務
・不適切な手洗い
利用者の場合
・下痢や腹痛がある
・家族に発症者がいる
ノロウイルスの予防の原則2
感染を広げない
①適切な手洗い
②適切な防護具
③適切な消毒
④発症者や接触者への適切な対応
適切な手洗い
流水で手全
体を洗う
石鹸をとり
泡立てる
手のひら、
指の腹面を
洗う
指の間や付
け根を洗う
親指とその
付け根を洗
う
指先と爪を
洗う
流水でよく
洗い流す
ペーパータオル
で水気をよ
くふきとる
手の甲、指
の背を洗う
手首を洗う
適切な防護具
防護具の着用
サージカルマスク
ビニールエプロン
袖付きガウン
手袋
適切な消毒 その1
消毒薬の調整
【 次亜塩素酸ナトリウム調整濃度】
塩素
濃度
使用用途
製品濃度5~6%
ハイター・ピューラックスなど
製品濃度1%
ミルトンなど
原液8mlに全量が 原液40mlに全量
日常の清掃時
0.02% (ドアノブ・ベッド柵・手す 2Lになるよう水 が2Lになるよう
を加える
水を加える
り・床・便座など)
0.1%
嘔吐物や排泄物などで
汚染された場所や物
原液40mlに全量
が2Lになるよう
水を加える
【注意事項】
・皮膚や粘膜についたらすぐ洗う
・漂白作用や金属腐食作用に注意する
原液200mlに全
量が2Lになるよ
う水を加える
・換気を良くする
・酸性のものと混ぜない
適切な消毒 その2
嘔吐物等の処理や消毒時の必要物品
□ 塩素系漂白剤
あらかじめ0.1%濃度に調整
□ 使い捨てタオル
ペーパータオル等
□ 新聞紙
□ バケツ
□ 使い捨てマスク
□ ビニール袋(密封できる袋)
□ 使い捨て手袋
□ 使い捨てビニールエプロン等
□ その他
適切な消毒 その3
汚染場所の消毒(1)
①手袋・マスク・エプロンなどを着用する。
②汚物が広がらないように吸湿性のあるペー
パーなどで覆い0.1%次亜塩素酸ナトリウム液を
かける。
③ペーパータオルなどで汚物中のウイルスが飛び散ら
ないように外側から内側に向かって拭き
取る(写真A)。
④③をビニール袋に入れ0.1%次亜塩素酸ナトリウム
液をしみこむ程度かけ、ビニール袋の口を
しっかり閉じる(写真B・C)。
A
B
C
適切な消毒 その4
汚染場所の消毒(2)
⑤汚物を拭き取った周囲を0.1%次亜塩素酸
ナトリウム液をしみこませたペーパータオルで覆い
しばらく置いた後拭き取り再度清拭する
(写真D)。
⑥⑤をビニール袋に入れビニール袋の口をしっかり
閉じ廃棄する。
⑦防護具を手袋⇒エプロンの順に外しビニール袋
に入れビニール袋の口をしっかり閉じ廃棄する。
⑧マスクを外し手洗いをする(写真E)。
D
E
適切な消毒 その5
手袋の正しい外し方
①
④
②
③
①片方の手袋の袖口をつかむ
②手袋を裏表逆になるように外す
③手袋を外した手を反対の手袋の袖口
に差し込む
④手袋を裏表逆になるように外す
発症者や接触者への適切な対応
感染拡大の防止
接触がある
グループ
発症者
隔離
グループ
分け
接触がない
グループ
・手洗い励行
・使うトイレの区別
・集団活動の制限
・食事の場所や時間
の区別
・十分な健康観察
連絡事項1
定期健康診断の報告
1根拠法令
2対象施設
3対象者
4提出時期
5提出期限
6提出方法
感染症法第53条の7
社会福祉施設・医療機関・学校
職員・65歳以上の入所者・新入生等
実施月の翌月10日まで
平成26年12月末
郵便・FAXまたは電子申請(市ホームページ参照)
連絡事項2
感染症発生に関する保健所等への報告
健発第0222002号 「社会福祉施設等における感染症等発生時に係る報告について」
感染症によるものと疑われる死亡者又は重篤患者が1週間内
に2名以上発生した場合
感染症の患者あるいは疑われる者が10名以上又は全利用者
の半数以上発生した場合
通常の発生同行を上回る感染症等の発生が疑われ、施設長が
報告を必要と認めた場合
※食中毒を疑う場合は、人数にかかわらず直ちに保健所食品安全課へ報告すること