平成26年度 校内研究発表

2015/3/3
平成26年度福島県立相馬養護学校第3回校内研修会
平成26年度 校内研究発表
平成27年2月16日
○前年度研究(2年次)
~キャリア教育の視点で授業を振り返り、
次の授業につなげる試み~
・実態や課題に合わせたグループによる研究。
・次につなげる(検証する)ための評価のあ
り方について検討。
小・中学部から高等部の各児童生徒の実
「一人一人のキャリア発達をめざした
児童生徒主体の授業づくり」
(3年間)
~キャリア教育の視点による
児童生徒主体の授業づくりを積み重ね、
日々の授業の充実につなげていく試み~
(3年次)
○主な課題
・単元内から単元間で児童生徒のキャリア発達
をとらえ、継続的、系統的に学習を積み上げて
いく。
・研究成果の共有、学習内容の整合→キャリア
発達にかかわる諸能力領域を観点として、学部
間のつながりと将来の姿を見据えながら、より
一貫性、系統性のある学習を積み上げていく。
・キャリア教育の視点を授業づくりに生かすた
めに作成した実態把握シート等を、授業の振り
返りにも活用できるように改善する。
児童生徒の現在の姿とめざす姿をグループ間で
態・課題に合わせたグループ研究推進を続け
共通の視点でとらえ、将来の姿へのビジョンも共
ることで、キャリア発達をめざす授業づくり
通理解して授業づくりに取り組むことで、各授業
を継続し、児童生徒主体の授業での主体的な
と単元間のつながりが効果的になり、テーマであ
姿と長期的なめざす姿との関連について明ら
る「一人一人のキャリア発達をめざした児童生徒
かになっていくのではないか。
主体の授業づくり」に、より迫ることができるの
ではないか。
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○前研究の成果と課題を基に、児童生徒が主体と
なる授業をめざして授業研究と事例研究を推進し、
一人一人のキャリア発達につながる取り組みを展
開していく。
○キャリア教育について、授業を具体的に振り返
る視点にしながら研修を深め、授業研究と事例研
究を積み上げて、教員としての専門性と資質の向
上をめざす。
校内研究(現職研修)
研修部
現職研修 授業力向上研修 経験者研修 初任者研修
(若年教員研修含)
小学部
研究推進グループ
中学部
研究推進グループ
高等部
研究推進グループ
小学部Aグループ
小学部Bグループ
小学部Cグループ
中学部Dグループ
高等部Eグループ
高等部Fグループ
高等部Gグループ
①学部ごとに実態や課題に合わせた学習集団を対
象とした複数の指導者で、研究推進グループを編
成し、グループごとに全体テーマとの関連を持た
せ、昨年度のグループ研修のまとめからテーマを
焦点化する。
②グループごとにテーマにせまる研究仮説と研究
方法、計画を設定し、授業研究・事例研究を積み
重ね、テーマに沿った成果と課題を焦点化する。
○前年度までの研究の成果と課題の解決のために、
授業研究と事例研究に取り組み、目標と評価を検
証することで、次の授業につなげる。
○学部ごとに児童生徒の実態に合わせた、実際の
学習活動をもとにしたグループに分かれ、課題解
決の方策を具体化し、グループ研究の成果を日々
の授業の充実につなげるようにする。
○「小・中学部から高等部、そして社会参加」と
いう各段階で、キャリア教育の視点で授業づくり
を研究することで、長期的な視野で児童生徒の
キャリア発達をめざした「授業生徒主体の授業づ
くり」の実現をめざす。
教育目標
「児童生徒一人一人の能力と特性に応じた
自立の力を身につけ、豊かな心でたくまし
く生きていく人間に育てる」
重点目標(平成26年度)
児童生徒一人一人のキャリア発達をめざ
す視点による授業の計画と振り返りを継続
し、児童生徒主体の授業づくりに努める。
Ⅰ授業研究:代表授業(各グループ1回)
Ⅱ事例研究:代表授業と類似した単元・題材で、
事前または事後の授業研究を通した
考察
③グループごとのまとめから、3年次の全体研究
の成果と課題を焦点化する。さらに次年度のテー
マ、研究方法を検討する。
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本テーマ3年次の研究として、以下の計画で推進してきた。
4月:校内研修全体協議会〔4/25〕
5月:相馬地方特別支援教育研究会 第一次研究協議会
(グループ別研究)〔5/29〕
6月:校内研究計画報告会(学部別)
7月:第1回校内研修会〔7/1〕
※授業研究・事後研究会(D・Eグループ)
8月:中間報告会
10月:第2回校内研修会〔10/2〕
※授業研究・事後研究会(Bグループ)、講演会
1月:グループ研究・全体研究のまとめ
2月:第3回校内研修会〔2/16〕
3月:平成27年度の研修計画等について(予定)
授業研究の実際
授業研究の計画
小学部
中学部
高等部
A
B
C
D
E
F
G
グループ グループ グループ グループ グループ グループ グループ
11月
10/2
11月
7/1
7/1
12月
10月
グループ
代表授業
第2回
校内研修会
グループ
代表授業
第1回
校内研修会
第1回
校内研修会
グループ
代表授業
グループ
代表授業
《講師》
国立大学法人宮城教育大学 特別支援教育講座 しょうがい学生支援室
教授
藤島省太氏
児童生徒の実態や課題に合わせた研究グループに
よる授業づくり
校内研究代表授業:7グループ×各1回
:3名 × 1回
経験者研修Ⅱ
:2名 × 3回
若年教員研修
:4名 × 1回
初任者研修
:4名 × 4回
児童生徒の実態や課題に合わせた研究グループに
よる授業づくり
◆他のグループの推進状況がわかりにくい。
→8月:校内研修中間報告会を実施
全体への
・各グループの研究計画、
周知
・その時点までの取り組み、
・今後の方針等
※研究推進の目安となる機会の設定について検討
実際の学習活動
児童生徒一人一人の今の姿と
授業の中でめざす主体的な姿や課題
〈日々の授業でかかわる複数の教員〉
・多角的なとらえ
・指導計画や手立てについての共通理解
◇長期的なキャリア発達をめざした姿と
関連づけて振り返る(評価する)
授業実践
経験者研修Ⅰ
児童生徒の実態や課題に合わせた研究グループに
よる授業づくり
今年度の取り組み
6月:校内研究計画報告会(学部別)
8月:校内研修中間報告会
12月:養教センター研究発表会における特別支援学校
パネル発表(グループ研究概略図の提出)
2月:第3回校内研修会におけるグループ研究発表
※終了後に、グループ研究概略図(改訂版)を
web上に公開(予定)
3月:研究集録作成(予定)
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各授業と単元間のつながりをめざした
ツールの活用
各授業と単元間のつながりをめざした
ツールの活用
各グループで作成(修正)し、活用してきたツール
・児童の視点シート
・小学部段階における能力領域各観点の系統表
・単元における観点位置づけシート
・チェックシート
・つなげるシート
・個別の観点シート
等
◇授業の中の児童生徒の姿
×その場だけの評価(できた・できなかった)
→その後の授業や単元においても、引き続き
めざす姿として目標に掲げる。
グループ間で共通理解を図る
○授業間、単元間、ひいては学部間で
つながりを持たせること
各授業と単元間のつながりをめざした
ツールの活用
各授業と単元間のつながりをめざした
ツールの活用
◇グループ内でのツールの活用
児童生徒の現在の姿→めざす姿→将来の姿
◆グループのよるツール活用の偏り
→研究推進方法としてツールの活用例を示す
(要検討)
共通理解を図った授業実践の取り組み
一人一人の児童生徒の実態や課題、さらには
目標をキャリア発達の一段階としてとらえる。
「児童生徒主体の授業づくり」で
大切にしてきたこと・今後も必要である内容等
☆ツールの活用
・キャリア発達段階の見方・とらえ方
・具体的な見方→課題の焦点化
・事前、事後における協議の柱の焦点化
→PDCAサイクルによる授業づくり
☆各代表授業で挙げられたキャリア教育の視点(例)
「人間関係形成能力」:意思表現、人とのかかわり等
「意思決定能力」
:自己選択
「将来設計能力」
:やりがい
◆次の段階(ステージ)の重視
…現状の目標設定や評価が難しくなる傾向
今の生活や「日々の授業」の充実
→キャリア発達を促す授業実践に結びつく
「児童生徒主体の授業づくり」で
大切にしてきたこと・今後も必要である内容等
☆経験を広げる、生かす、繰り返す
☆将来像、将来の姿、将来のQOLを見据える
目標、手立ての般化(拡がり)
☆今の姿から実践につなげる
連携 引継ぎ 個別の教育支援計画 移行支援
☆個別の適切な支援→集団への適切な支援
☆コミュニケーションスキル
個人として→集団として、状況に応じた行動選択
☆人とのかかわり、学び合い
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「児童生徒主体の授業づくり」で
大切にしてきたこと・今後も必要である内容等
☆人のかかわり合いの般化
相手の拡がり(特定の人→その他の人)
場面・状況の拡がり
個に応じたより良い人間関係の形成
★対象児童生徒の見え方、とらえ方、語彙など認知特性、
人とのかかわり方の確認
(児童生徒がわかる言葉、イメージのすり合わせ)
★場面や相手、扱いやすい教材など環境設定の工夫
「キャリア発達」のとらえ
日々の授業の見直し、改善
学部ごとに研究グループを編成
○ツールを改善したり新たに作成したりして活用
→ 一貫した視点(組織的)で、小・中・高・
社会参加の成長過程に沿った(体系的な)
授業実践に取り組むことができた。
○少人数グループでの授業実践
→ 日々の授業をその都度振り返り、評価する
こと、また、次の授業、次の単元へとつなげ
ることができた。
日々の授業の改善・日々の授業の充実
授業実践での成果
〈キャリア発達とは〉
社会の中で自分の役割を果たしながら、
自分らしい生き方を実現していく過程
日々の授業
〈キャリア発達を実現できる授業とは〉
「意欲・満足感・達成感・成就感・自主性・
自ら考え判断してやり遂げる姿」
児童生徒が主体となって、
これらの姿がより多く発現できる授業
授業づくり
…児童生徒の成長の過程ととらえ、累積を試みた。
次の授業、次の単元、ひいては次のライフステージ
(学年→学部→社会参加)へとつなげるための「共通
の視点」をもつことで、目標や課題が焦点化され、効
果的な連携に結びつくことができた。
(※年度始めの全体協議会で確認)
日々の授業の充実のために
〈キャリア教育の視点〉
「社会参加や自立に向けて」といった視点
→「子どもたち一人一人がどう生きるか」という視点
〈授業実践〉
・今の生活をどう充実させるか
明日の授業をどう展開するか
・子どもにどのように育って欲しいか
日々の授業の充実のために
〈授業実践での課題の焦点化〉
「人とのかかわり合いの般化」
「コミュニケーションの力の向上」
相手や場面、
状況の拡がり
教材・教具の
工夫
つ な
い
で い
次の授業
次の単元
く
(※全体協議会、授業研究等での指導助言より)
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日々の授業の充実のために
確認
授業後
語彙
ものの見え方
ものの
とらえ方
人との
かかわり方
→児童生徒がわかる言葉の精選
その言葉について、
その子どもがもっているイメージのすり合わせ
「集団を生かす個、個を生かす集団」を
大切にした授業づくり
集団での活動
日々の授業の充実のために
人とのかかわり
単元・題材終了後
児 童 生
前期・後期終了後
徒 の
共通の柱・方法での
協議
目
標
適切な評価
→日々の授業づくりと将来の姿を見据えた
指導の充実を図る
「集団を生かす個、個を生かす集団」を
大切にした授業づくり
集団活動の展開
学習集団の拡がり
(発達段階に応じて)
学校
学部
小集団
「人間関係形成能力」
校内研究
(キャリア発達にかかわる能力領域)
授業研究
「キャリア教育の視点」 「人間関係の形成」(自立活動)
学級
対教師
経験を積み重ね、生かし、拡げる
「集団を生かす個、個を生かす集団」を
大切にした授業づくり
一人一人の主体性の発揮をたすけることで、
集団としての主体性へとつながり、集団の主体
性をたすけるためにも、一人一人(個)の主体
性の発揮へと還る授業づくりが展開できると考
えられる。
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