物申す! From 記者クラブ

物申す!
物申す!
From 記者クラブ
From 記者クラブ
このコーナーでは、消費者庁記者クラブに所属する記者から寄せられた、消費者行政や
相談員さんに対する忌憚の無いご意見を紹介します。
「より立場の弱い人への対応強化を」
「消費者庁のカバー範囲は広い」。昨年9月から担当になり約半年が経ちましたが、当初より感じていた
印象は確信にかわりつつあります。
ベネッセ事件は、個人情報保護法の改正にどう影響するのか。不当表示を防ぐための課徴金制度は、与党
の了解を得られるのか、さらに臨時国会を通るのか。省エネ型給湯器と健康被害の関連はあるのか、などな
ど、消費者庁に絡むテーマは多岐にわたりました。「さすが、国内総生産(GDP)の約6割を個人消費が
占めるだけはある」。おかしなことですが、頭の切り替えが追い付かず右往左往するたび、自分自身にこん
なわけもわからぬ「言い訳」をつぶやき、なぐさめていました。
そんな消費者庁に、期待と感謝があります。
期待は、消費者のなかでも、より立場の弱い人への対応の強化です。言うまでもなく日本は超高齢社会。
2025年には700万人が認知症になると推計されています。障害のある方もおられます。消費者行政の
あり方として、こうした方々に焦点を絞った政策が望まれると考えます。社会保障分野では、いわば規制的
な手法で格差是正を図ることがありますが、同じようなことが可能かもしれません。
すでに消費者委員会では、判断力の弱った人への対応なども含め、消費者契約法の見直し議論が進められ
ております。この議論を消費者庁がどう受けるのか、注目しています。
もうひとつ、消費者庁の発信方法に学んだ点があります。それは予防的な観点も重視していることです。
「乳児の事故が止まらない首浮輪」「子どもの事故が相次ぐキックスケーター」「『好転反応』をうたう健康
食品」「高齢者の転落が目立つ脚立」など、さらなる事故を防ぐべく情報発信している点です。
日々のニュースを載せる新聞は、起こったこと
記者の横顔
に目を向けがちですが、より予防的な観点を取り
入れていく必要性を感じています。これは担当と
氏名:高橋健次郎(たかはし けんじろう)
して、実感を伴って吸収したことです。感謝をし
所属:朝日新聞 文化くらし報道部
2005年入社。神戸総局、厚生労働省担当などを
ています。
経て、現職。
高橋健次郎
朝日新聞 文化くらし報道部
消費者庁 Now!
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