メディア社会文化論 2015/12/02 1 7.新聞 7.1新聞の定義(新聞とは何か?) • 定義が難しい(雑誌との違いが・・・?) • 「新聞」「新聞紙の略。社会の出来事の報道・ 解説・論評を、すばやく、かつ広く伝えるため の定期刊行物。多くは日刊で、週刊・旬刊の ものもある」(広辞苑) • 「雑誌」「号を追って定期的に刊行する出版物。 週刊・月刊・季刊などがある。マガジン」(広辞 苑) 2 • 日刊でない新聞は雑誌と、区別不能 • 強いて違いをいえば、奥付の有無か? • 新聞は奥付がない・・・ • しかし私の研究する、中井正一のやっている 『土曜日』は隔週刊新聞を謳っているが、奥 付めいたものはあるし・・・ 3 7.2新聞に期待される機能 • 新聞の定義は困難 • 期待される機能はある(後藤将之) • 「事実の報道」と「言論・批判機能」 • 前者が強まり、後者が弱くなるのが現代の新 聞(ポスト・モダン、物語の終焉) 4 明治の新聞小史 明治時代 • 大新聞(自由民権派の政論新聞・知識人であ る士族が支持) 対 小新聞(娯楽新聞)の 対立→小新聞が優勢に(「朝日」も小新聞の 流れ)・・・正確な情報と不偏不党性 • 読み方に注意 だいしんぶん、しょうしんぶん × 5 日本の新聞社1/3 • 全国紙 3大紙 朝日、毎日、読売 他にサンケイ、日本経済新聞 • 地方紙 各県紙 • ブロック紙 西日本新聞、中日新聞、等々 6 日本の新聞社2/3 • スポーツ紙・・・日刊スポーツ(朝日系列)、ス ポーツニッポン(毎日系列)、報知新聞(読売 系列)、サンケイスポーツ(サンケイ系列)、東 京中日スポーツ(中日新聞系列) • 新聞社系以外のスポーツ紙・・・デイリース ポーツ(阪神専門?)、東京スポーツ(虚報と プロレス) 7 日本の新聞社3/3 • タブロイド紙・・・日刊ゲンダイ(講談社系列)、 夕刊フジ(サンケイ新聞系列) • 日本の新聞の特質・・・全国紙が強い。宅配 制度によって一般紙は駅やスタンド売りへの 依存度が低い。 • 日経、スポーツ紙、タブロイド紙は駅のキオス クでの依存が大きい(家で読めない記事 も?!!Cf.「グリーン報知」) 8 日本の新聞の不偏不党性(1/3) • 不偏不党性=公平中立性 • 日本の新聞社(一般紙)の特質 • ただし法的義務ではない(cf放送局は義務) • スポーツ紙は不偏不党ではない • 読売巨人軍の御用新聞「報知」 • なぜか虎が吠えたときのみ、虎が一面の「デ イリー」 9 日本の新聞の不偏不党性(2/3) • 不偏不党性とはいうものの • 新聞社の「色」はある(2ちゃんで叩かれる) • 「朝日」左・赤、「読売」右、「サンケイ」極右、 「毎日」中道左派 • この色は上層部から若手まで(というか今で は「朝日」など上層部の方が著しい・若手は 皆さん同様無色透明のノンポリ(非政治志 向)) 10 • 例えば中井正一の『美・批評』『世界文化』の スポンサーは上野精一(朝日新聞の当時の 社長・元社主上野理一の息子)であろうと推 察されている。上野はミルトン『言論の自由論 』の岩波文庫旧版の訳者でもある。(他方、上 野理一の兄は三井糸店の店主で、三井財閥 と朝日には強い接点もあった)。 11 日本の新聞の不偏不党性(3/3) • ただしこれは商品としての棲み分けの「色」 • 他と差別化するため • 資本の原理での「色」 • 系列会社の色は違う(少なくとも「違い得る」) 12 系列会社の色の違い • 「読売」が子会社化した中央公論社の雑誌 『中央公論』は、そもそもは吉野作造、丸山真 男といった「左」の東大法学部教授が書いた 雑誌(親-右が、子-左の出版社を買い取 る)(実際4年前、左翼とされた中井正一『美 学入門』を中公文庫で出され、左翼とされる 思想の科学研究会会長の後藤が解説を書く) • 左の「朝日」の子会社「テレ朝」は右(親-左 が、子-右のテレビ局を買い取る) 13 テレ朝問題(1/5) • 「石原軍団」に恩義のある「テレ朝」・・・石原 慎太郎(元自民党青嵐会・元都知事)と石原 裕次郎の持ちつ持たれつの関係 • 慎太郎の芥川賞受賞作『太陽の季節』(塾高 出身の裕次郎がモデル) • 慎太郎原作の「狂った果実」の映画で裕次郎 主役デビュー(弟の主演を条件に映画化許 可)(端役デビューは「太陽の季節」) • 都知事選で「裕次郎の兄、慎太郎です」という 14 テレ朝問題(2/5) • 石原軍団のイケメン俳優らが必ず選挙では 大勢応援に駆けつけていた • 裕次郎主演の「西部警察」がテレ朝のかつて のドル箱番組 • (もっとも慎太郎も一橋では、民主科学協会 や思想の科学研究会メンバーの南博ゼミ) • TVタックルの人気タレントで元代議士浜田幸 一も、元青嵐会(慎太郎の部下) 15 テレ朝問題(3/5) • 赤尾好夫(旺文社創業社長。赤尾の『豆単』) が、日経、東映と共に日本教育テレビ(NET) を設立・・・テレ朝の前進 • 赤尾は文化放送、ニッポン放送も設立(旺文 社ラジオ講座)・・・フジ・サンケイグループ • 朝日新聞と産経新聞は、始終喧嘩しているが、 赤尾を通じて見てみると、実は一心同体 16 テレ朝問題(4/5) • なのに『正論』では朝日新聞批判がしばしば 載せられる。 • 2ちゃんねらーやネットウヨは、テレ朝を親会 社朝日新聞と同一視して、十把一絡げ、「サ ヨ」と称する • しかし上記の経緯からして、全然色合いは違 うし、テレ朝とサンケイは親戚 17 テレ朝問題(5/5) • マルクスのいう「資本の無方向性」 • あるいはジンメルのいう貨幣の哲学 • もっとも最近テレ朝は朝日新聞社化が進んで いるといわれる(左翼になってる・・・?)。 18 →要は布陣と「差別化」がキーワード 新聞の世界で左寄りのポジションで他社と差別 化をし、テレビの世界では右寄りのポジションで 他社と差別化をし、それぞれ儲けが得られさえ すれば、資本の増大に貢献し、オーケーという 考え方・・・情報が先述の「商品」になっている証 拠。 19 不偏不党性の問題 • 批判するより透明に事実を伝える媒介者を目 指す • 客観報道→データベース産業としての新聞社 の生き残り・・・日経テレコン、聞蔵(テレビ局 だとデジタルアーカイブとビデオオンデマンド 事業が生き残り戦略) • 調査報道から発表ジャーナリズムへ 20 発表ジャーナリズム(1/4) ・・・温床「記者クラブ」 • 発表ジャーナリズム・・・企業の広報室等によ るプレスリリースや官庁の「記者クラブ」での 大臣や広報官の発表原稿やリリース資料を そのまま記事にするもの • 右のものを左に移すだけ • その意味で出版社が商社的機能を増やして いるのと同様の面も • 記事をほとんど書かずに済む記者 21 発表ジャーナリズム(2/4) 発表ジャーナリズムのメリット 1)報道する側の資源の節約 2)歪みのない正確な報道 3)重要な情報源と良好な関係を保つことで今 後良い情報を得るルートを確保する • 要するにリリースする会社や官庁にとって、 自分たちの意図を正確に報道して貰える (cf安倍首相の大叔父佐藤栄作元首相の退任 記者会見) 22 発表ジャーナリズム(3/4) デメリット 1)画一的な報道 2)批判精神のなさ・・・メリット2)が「正確な報 道」になるのは、元の情報が正確な場合のみ。 情報源の不正確さの二つの水準 ①意図せずに不正確に ②広い意味で世論操作をしようと不正確に 23 発表ジャーナリズム(4/4) • メリット「2)歪みのない正確な報道」がたとえ 可能であっても、「発表ジャーナリズム」に 頼っていては、多様な報道は確保されない ←物事は捉える角度によって違って見える。た とえどれほど正確さを競っても、このことだけ は否めない 3)調査報道に反する 24 記者クラブ 桂敬一「第6章 メディア産業と組織」竹内郁郎・児島和人・橋元良明編『新版メディア・コミュニ ケーション論Ⅰ』(北樹出版,2005) • 中央官庁や地方の県・市庁、警察などの主要 官庁、大企業や業界団体は、メディアにとっ て重要な取材源だが、それらのどこにも、戦 時中にできた記者クラブがあり、メンバーの 記者が常駐、ニュース・ソースの発表を得て 報道に当たっている。だが、そうしたクラブの 横並び体制が画一的な発表報道や取材源と 情報源の癒着を生み出す傾向のほか、クラ ブの成員でないものに取材を許さない閉鎖性 を伴う・・・(点に問題がある)。 25 発表ジャーナリズムと効果論(1/2) • 「発表ジャーナリズム」・・・不偏不党性、ただ し色合い(朝日サヨ、サンケイ反動)は違うこ とは前提の上。 • 議題設定機能・・・議題を提示することにメ ディアは大きな力、議題の賛否ではなく。 • 新聞の二つの機能に照らすと・・・ 事実報道機能・・・議題設定・・・大きな影響力 論評機能・・・賛否・・・弱い影響力 26 発表ジャーナリズムと効果論(2/2) • いわば「色合いの違い」は、議題の賛否のレ ベル、そもそも効果論的には、マスメディアの 効果の及びにくい範囲 • →効果論の知見から、発表ジャーナリズムは やはり言論の力を殺ぐことに • 官庁や企業は(マスメディアの効果の及びや すい領域=議題設定では)人々を操作できる。 27 通信社依存(1/2) • 記者クラブとほぼ同じ側面は、通信社依存に も見られる。 • 通信社・・・いわば「新聞紙を印刷しない新聞 社」・・・自前の取材網を使ってニュースの収 集活動を行うが、そこで作られた記事を、自 前の新聞紙に印刷し発行することはなく、か わりに、その記事を、各新聞社に配信するこ とで商売しているニュース企業(後藤将之『メディア 論』1999) 28 通信社依存(2/2) • 通信社に頼る記事・・・全国紙の場合、海外 のニュースの大半。地方のニュースの一部。 • 地方紙の場合、地元の記事以外のかなりの 部分。 日本の代表的通信社。共同通信、時事通信。 世界の代表的通信社。 • ロイター(英)→トムソン・ロイター(加) • AP通信(米)、AFP(フランス通信社) 29 (参考)電通、共同通信、時事通信の関係 • 電報通信社(1901) • 色々合併し、同盟通信社設立→広告部門を 切り離す(日本電報通信社・・・「電通」の前身 (1936) • 同盟通信社を時事通信社(商業情報部門)と 共同通信社(報道情報部門)に分割(1945) • 現在は商業情報、報道情報の棲み分けは崩 れている 30 • 新聞社の通信社依存とはいうものの、通信社 の方は金融機関向けの情報が営業利益の大 半 • なお、日本の新聞社は通信社から受け取っ た記事であっても、クレジットを記載せずに自 社の独自取材の結果であるかのように記載 する場合が多い。 31 調査報道(1/2) (←発表ジャーナリズムの対概念) • 調査報道・・・ジャーナリストが自分の脚で稼 いで情報を得ていく報道の仕方 • 「コツコツと真相を調べてゆく調査報道は、結 果的によほどの衝撃的なスクープにでもなら ない限り、高い視聴率は望めない。それがス ポンサーに厭われる。ましてや、地道な調査 報道でこそ、その資質が生かせるビデオ・ ジャーナリズム・スタイルの番組作りがスポン サーに支持されるはずもない」(武田徹)。 32 調査報道(2/2) • 「しかし・・・、こうした状況が健全とは決して言 えないだろう。たしかに視聴者はストレート ニュースをより強く求めている。メディアは透 明な存在になって欲しいと思っている。出来 事と直接向かいあう「幻想」を抱きたがってい る。・・・」 →透明性の対として調査報道 33 7.3 日本の新聞社の丸抱え主義と、 二つの機能の関わり • 先にも述べたように、出版社は仕事を分業・ 外注 • 印刷屋・編集(出版屋)・販売(本屋)が比較 的分業されていなかった時代(17-18世紀 頃まで?)→分業・外注化の流れ • 新聞社はこの出版社の流れの逆(最近まで は少なくとも)・・・発表ジャーナリズムは別 34 自前の記事が多い (あるいは多いふりをする) • 通信社から買う記事や発表ジャーナリズムの 記事もあるが・・・それでも、 • 全国紙の国内記事の紙面のほとんどは自前 • ただし記者が書いた原稿がそのまま載るわ けではない→内部の精査のプロセス • 記者の原稿→各部のデスク(副部長級)、部 長の判断で、修正・差し戻し→ • 整理部(編集作業を行う部局)での合議(見 出しやリード付け、記事の割り振り(価値づ け・序列づけ)、構成の変化) 35 紙面に載る全てを審査 • 投書でさえ、採用後に改稿されるし、広告内 容に至るまで、掲載可否の判断の対象にな る(後藤将之『メディア論』P.109) • 以上、記事等、紙面に載るものは自分らで チェック →自己完結的なシステムの一環(こうであるが 故にかえって通信社からの記事もクレジットが 載らない) 36 自己完結的なシステムを作りたがる 新聞社1/5 • 印刷も自前の印刷所をもつ(出版社が外の印 刷屋に委託するのと対照的) • 「大手の新聞社にとりわけ顕著な特性として、 自前の「取材網」および「印刷工場」所有とい うことがある。これらによって、大手の新聞の 高い独立性が保証されている」(後藤(将) 1999 114) • 販売網も宅配制とそれを支える系列新聞店 のシステム(あとで詳述) 37 自己完結的なシステムを作りたがる 新聞社2/5 • 新聞社の独立性の保持の必要性・・・日本の場 合は戦時中の反省・・・用紙統制 • 「戦前戦中の新聞統制は、「用紙の統制」という 手段をとおしても行われた。いかに取材ができ、 記事を書くことができても、用紙が入手できなけ れば、そもそも印刷ができない。これはペンを持 つ者にとっては無念の事態であろう。このような 間接的な言論統制によって苦渋をなめた記憶か ら、一見して過剰ともみえるほどの「自社内での 自給自足」体制志向が生まれた」(後藤将之『メ ディア論』)。 38 自己完結的なシステムを作りたがる 新聞社3/5 • 《事件の発生以外全て、自己完結の環の中》 と後藤将之『メディア論』ではいう。 • しかしそうか? • 事件の発生が自作自演・・・「やらせ」・・・批判 の対象 39 自己完結的なシステムを作りたがる 新聞社4/5 • とはいえ新聞社はイベントという意味での事 件を自らつくって来た • 新聞社の事業部 • 昔は博覧会の主催 • 今は美術展、スポーツイベント(選抜高校野 球、高校野球夏の大会-上野精一が朝日の 主催の事業とした-、箱根駅伝)の主催 40 自己完結的なシステムを作りたがる 新聞社5/5 • 野球チームの所有(「読売」巨人軍、「中日」ド ラゴンズ)(昔「大毎」オリオンズ) • なぜ新聞社はイベントをしたがるか?・・・ ニュース枯れ対策。ニュースのない時期は新 聞の売れ行きが落ちるとの心配があり、それ が消える・・・いわば高度な「やらせ」。お盆休 み・会社も役所も休み・ニュース不足。高校野 球が熱いぜ。・・・ニュースの自家発電 41 新聞の宅配制度1/4 • 定期購読契約による宅配制度 • 3大全国紙の売り上げの9割が宅配 • 価格の35%が販売店の収入に。ただし販売店 は厳しいノルマを課せられる→過大な販売促 進(怖いお兄さま。「拡張団」)、行き過ぎた景 品戦略、押し紙(新聞社がノルマとして販売 店に新聞を押しつける) 42 新聞の宅配制度2/4 • 販売店の収益源は折り込みチラシがほとん ど • 新聞が再販制を認められた商品であるから 可能な制度。 • 再販制が崩れたら、当然、崩れる。 43 新聞の宅配制度3/4 -メリット、デメリット • 買う側のメリット・・・スタンド売りよりも遙かに 割安 • 作る側のメリット・・・売れ残りが少なく、安定し た経営基盤が築ける • 社会の側のメリット・・・新聞がセンセーショナ ルなニュースを無闇に追わなくても済む 44 新聞の宅配制度4/4 • 社会の側のデメリット・・・新聞社が内容面で 競争をせずに、景品で競争をし、結果的に横 並びの似たような報道内容になる • ←発表ジャーナリズムに依存し、調査報道を しない原因にもなる 45 情報財と宅配、あるいは再販制度1/2 • 問題点は中味で勝負しない点 • しかし、情報財はそもそも中味で勝負しづら い財。買ってみて読んでみてはじめて善し悪 しが分かる財。 • もっともそんなもの車だって見かけではなく機 能ならそうだし、食べ物だって同様。 • しかし車や食べ物は毎日中味が変わるわけ ではないので、他者の評判で中味が推測可 能。 46 情報財と宅配、あるいは再販制度2/2 • 情報財は、日々中味が変わる。 • そうすると会社の長期的な評価に頼るか、中 味を小出しした窓(要は1面トップの大見出し )に頼らざるを得ない • 定期購読か刺激的な見出しか • 景品での勝負は邪道、しかし定期購読的な 宅配は必ずしも否定的に捉え得ない 47 再販制度(濱田純一東大前総長の「知恵蔵 」での記事から要約)1/3 • 独占禁止法上は原則として禁止されている再 販売価格の指定を例外的に認める制度。 • 独占禁止法・・・商品の製造業者による小売 価格の指定を禁止 • この禁止の例外が再販商品・・・書籍、雑誌、 新聞及びレコード盤、音楽用テープ、音楽用 CD(当初は化粧品なども例外に) 48 再販制度(濱田純一東大前総長の「知 恵蔵」での記事から要約)2/3 • 出版物についても廃止を検討しようとする考 え方が70年代末に公正取引委員会から提起 • これに新聞協会と日本書籍出版協会、等が 反対。 • 日本新聞協会・・・新聞の戸別配達の維持や 質の低下の回避などを主張 • 日本書籍出版協会、日本雑誌協会・・・全国 同一価格の維持や活字文化の振興などを主 張して、強く反対 49 再販制度(濱田純一東大前総長の「 知恵蔵」での記事から要約)3/3 • 2001年3月、公正取引委員会、報告書「著作 物再販制度の取扱いについて」 • 廃止への国民的合意がない • 当面の暫定措置・・・長期購読者への価格割 引など同制度の弾力的運用により消費者利 益の向上を目指すべき 50 日本書籍出版協会の公式ウェブによる再販制 度がなくなった場合のデメリットについて 読者の皆さんが不利益を受けることになります ①本の種類が少なくなり、 ②本の内容が偏り、 ③価格が高くなり、 ④遠隔地は都市部より本の価格が上昇し、 ⑤町の本屋さんが減る、という事態になります。 →(G)もちろん、③などは?マーク。異論は色々 ある。 51 再販制一般の問題 • 需要と供給で決まる本来の価格よりも、高い 価格を製造業者が決定する→消費者にとっ ての損に • 販売部数が減る→市場の縮小→社会にとっ ての損に 52 自己完結的システムへの評価1/2 • メリット・・・新聞社の自律性の確保、記事の 品質保証(誤報が減るチェック体制) • デメリット・・・横並びの報道 • 新聞の「論評・報道機能」を高めるための自 律性の確保。 • ところが「論評機能」を弱める方向に宅配制 度などは作用 53 自己完結的システムへの評価2/2 • しかしいまは、新聞社が記事制作よりも、商 社的機能を強く果たすようになりつつある・・・ 自己完結的システムを不要にしていく可能性 • 自前の記事を作らず、他社と記事を融通し合 うように(新聞離れ、ネット依存→特に毎日新 聞) • 自己完結性の崩壊に繋がるか??? 54
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