2015年2月定例月議会 一般質問テーマを考える <確定版> 介護保険給付から切り離される「要支援」サービスはどうなる? 2015.2.20 介護保険制度改正で、要介護度が軽い「要支援1,2」の高齢者向けサービス の一部を本年4月以降、全国一律の介護保険給付から切り離して段階的に市区 町村の事業へ移すこととされている。 4月に移行を予定している自治体は全国で7.2%にあたる114自治体にと どまる見通しが2月3日、厚生労働省の調査で分かった。 厚生労働省は、早めの実施を促しているが 多くの自治体が準備不足から二の 足を踏んでいると言われています。 市区町村の態勢が整はないまま2017年を迎えると、サービスの低下、地域 間格差が生じる恐れもある。 四日市市は4月に移行するのか? (移行しないのならその理由は何か) →答弁 要支援1.2の対象者は、要介護認定者数約1万2500人のうち、 約4200人で構成比33.6%です。 つまり認定者の3人に一人が要支援と言う状況にあります。 今回の制度変更は認定者3人に一人にかかわる問題だといえます。 介護報酬の引き下げが過去最大規模で実施されようとしています。 「介護の危機」とも言われている。 介護サービスを担う事業者に衝撃を与え 事業撤退の動きさえ招いている。 移行先と言われる、NPO、ボランテイアなどの受け皿が整わなければ「要支 援」対象者の行き場が失われる。 四日市の第6次介護保険事業計画においては、移行期間である平成29年度の 介護予防訪問介護及び介護予防通所の事業予測量として 50%が予防給付か ら総合事業に移行すると見込んでいるが、その算出根拠は? →答弁 1 移行期間である平成27年度介護報酬改定単位の新旧を試算してみると 要支援「介護予防通所介護」の報酬引き下げは現行より20~22%もの削減 率となる。 また、短期入所「多床室」は8月以降、要支援1,2は12%の介護報酬削減 率となる。 こうした介護報酬削減では現行のサービス提供すら担保できないのではないか と危惧する。 仮に、平成29年度からの要支援サービスをNPO、ボランテイアなどに事業 主体を移行した場合、自治体が介護報酬とは別枠で上乗せをしないと、事業の 継続・持続性が危ぶまれるのではないか? →答弁 今回の制度変更の影響を受ける「要支援」の方は先に述べたように介護認定の 3人に一人です。 当事者や家族の方のどれだけ、今回の制度改正が周知されているのでしょう か? 保険料は年金天引きで徴収されながら、受けるサービスや方法、負担について 周知を図るのは保険者である市の責務だ。 制度変更とそれに伴う四日市市の対応はいつ、どのように周知されるのか? →答弁 介護報酬引き下げの一方で、介護職員の賃金を月額1万2000円加算すると 言っているが、介護報酬が削減されれば事業者の経営を打撃し、月額給料は上 げても、ボーナスをカットすることになりかねない。 サービス移行が整はなければ要支援1.2の人は介護保険からも切り離され 市区町村のサービスも受けられず、行き場をなくし、要介護度を進行させかね ない。本末転倒の制度改悪だと指摘する。 警察庁によれば、過去5年間で、介護看病疲れによる「殺人」「自殺」が 1741件、年平均で348件にのぼっています。 介護保険サービスを受けられない「介護難民」が増大する背景に、現場の深刻 な人手不足がある。 2 介護を必要とするすべての人が安心して介護を受け入れられるよう体制を整備 する、そのカギとなる介護職員の待遇を改善することです。 政府は、介護職員に対して、処遇改善加算をするといいますが、事業者への報 酬全体を大幅に引き下げて、どうして職員の処遇が改善できるのでしょうか。 「地方創生」という言葉が飛び交っているが 「このまち四日市で、一人の介護難民も出さない」との宣言ができますか? しますか? →答弁 地方自治の本旨は、言うまでもなく 「住民の福祉の増進を図ること」であり、かつ 老人福祉法は、 「老人は、多年にわたり社会の発展に寄与してきた者として、豊 富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる安ら かな生活を保障されるものとする」と明記されています。 住民の「人権保障の実現」に、政治や行政が、不断の努力とふだんの努力を求 められていると申し上げて質問を終わります。 3
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