<介護サービスの質的向上のための検討会(松山市ケアプラン検討会)> 【要支援1・2編】 平成26年度実施分の検討要旨集 基本調査・アセスメントについて 生活状況について ① 過去の状況は詳しく記載されているが、現在の状況も記載すると良い。 ② 離別してからの生活など、今までの生活の情報を盛り込むと理解が深まり、一層良くなる。 ③ 長女や隣人の協力があるため、記載すると生活に膨らみが出る。 家族等の意向について ① (妻とは離別し、長男ともども交流はない。長女が月に1回くらい様子見に来訪あり。アパートの 隣人が公衆浴場に連れて行ってくれたり、困った時に手助けしてくれている。) 隣人の支援はインフォーマルサービスとしては重要な位置にあると思われる。離別した妻や長 男の対応はやむを得ないとして、長女や隣人の気持ちの記載があれば、これからの支援内容も 細やかに対応できる部分が見つかるのではないか。家族には言えても、隣人には言えない事も あると思われるため、隣人の気持ちやどこまで協力できるかなど、可能な範囲で確認しておくと 良い。 意向は具体的に聞き取り、前向きなものに ① 足が弱くなったらここで暮らせないことやしんどいので横になっていることなど、どちらかというと ネガティブな思いが占めている。「どうしたいと思っているのか」を記載すると良い。 ② 具体的に本人が今後どうなりたいか、どのように暮らしていきたいか、どのような事に困ってい るかなど、本人の言葉でその確認ができれば、今後の目標がもっと立てやすくなる。 住宅の見取り図について ① 段差があれば記載すると良い。 今後のケアプラン作成にあたっての視点や捉え方の参考にしてください。 ※それぞれ様々な背景や生活環境からの提案点であるため、他のケアプランに一様に適用できるものではない点をご留意ください。 1/3 <介護サービスの質的向上のための検討会(松山市ケアプラン検討会)> 【要支援1・2編】 平成26年度実施分の検討要旨集 介護予防サービス・支援計画書の提案・意向について 目標は具体的に ① (体調管理を本人がものすごく頑張っていて「安定した体調で毎日を過ごせる」を目標にしてい る。) 病気のことだけではなく、可能であれば生活が潤うような提案もされ、「こんな風に生活していき たい」など今後の生活が見えるような内容にすると、本人の望みも見つけられるのではないか。 連動性のあるものに ① 環境整備に努め、一緒に掃除ができるようにするという総合的課題に対して、目標が食事の支 度や猫や花の世話など日常的に行っている事を続けるとあり、具体策にはリハビリを続けること や、外出時に歩行器を使うことが含まれていて具体策にすべてを盛り込み過ぎではないか。目 標を分解し、それに対応する具体策に整理すると分かりやすくなる。課題と目標と具体策は連 動性があるものにすると良い。 また、課題は環境整備になっているが、膝の痛みで掃除機をかける事ができきないため、目標 には「できない家事を手伝ってもらい、独居生活ができる」などとしてはどうか。 予防を目的としたもの ① 課題と目標が現時点で実現している内容になっている。自立支援の観点からすると、現状の在 宅生活を維持するためにどのような支援や本人の能力が必要なのかを課題として挙げると良 い。 ② 先々のことを記しておくと本人にその気持ちを持ってもらえるのではないか。膝の痛みの悪化の ために立ち座りの移動動作が困難になってきていることと同時に、このままではますます動作が 困難になってくると思われることを課題として挙げてはどうか。 不安を和らげる ① 体調や病状に関して本人の意向はどうなのかを計画書に落とし込めると良くなるのではない か。 ② 隣人や家族の支援は、ヘルパーとはまた違った意味での心のつながりがあると思われる。でき れば隣人の言葉や、「隣人の方が見てくれるので安心」など長女の言葉が記載されると、本人 の意欲や気持ちも違ってくるのではないか。言葉の力で安心感が得られたり、他人(ケアマネ) から言われて気づくこともあると思われ、お互いの気持ちが感じられるような記載があると良 い。 具体策についての意向 ① 長女の定期的な来訪があり、関わりもあるため長女の意向もプランに落とし込めると良い。 ② できないことを支援してもらいたいだけではサービスに対する意向になっているように思える。 サービスを受けることでその後の気持ちの変化により本人がどうしたいのかなど、生活に彩りが 加わるような記載があれば良い。 今後のケアプラン作成にあたっての視点や捉え方の参考にしてください。 ※それぞれ様々な背景や生活環境からの提案点であるため、他のケアプランに一様に適用できるものではない点をご留意ください。 2/3 <介護サービスの質的向上のための検討会(松山市ケアプラン検討会)> 【要支援1・2編】 平成26年度実施分の検討要旨集 介護予防サービス・支援計画書の支援計画について 目標は達成度が分かりやすいものに ① 具体的な目標ににすると達成度が分かりやすくなる。 「転倒しないために」、「猫の世話を続けるために」、「できる事を続けるために」、日々何をすれ ばいいのかを目標にすると良い。自己評価表には「歩行器をレンタルした事で買い物に行ける ようになった」とあるため、そこにも目標があれば良い。 前向きになれるように ① 生活意欲が乏しく、本人の意向が確認しづらいかもしれないが、喜び事や楽しみ事は明日から の生活のことであり、アセスメントでもう少し本人や長女の意向を確認し、少しでも日々の暮らし が前向きに送れるような目標にすると良い。 ② 現状の記載が多くを占めているように思われる。これからの生活を支援していくポイントなど、希 望的な援助方針にすると良い。 不安解消や健康管理に対する内容に ① 領域における課題では全領域が「■有」となっているため、病状管理と日常生活の項目だけで なく、他のアセスメント領域に対する目標とそれに対する支援計画の記載があると良い。体調が 良い時に隣人が温泉に連れて行ってくれており、月に1回くらいは長女の来訪があるため、例え ば、1日と1年の目標に「隣人と温泉に行き、さっぱりする」「長女との外出を今後も続けられる」 など。 セルフケアやインフォーマルサービス ① 医療面の表出も大事であるがケアマネの支援や民生委員への相談なども盛り込んではどうか。 また、支援計画書は、提案書でもあると思われる。「訪問看護を検討中」など、本人の不安が解 消される内容をあえて記載していくことを検討してはどうか。 ② 近隣や知人、スーパーの配達、通院介助などがあり、支援内容に組み込んではどうか。 ③ アセスメント領域には「常に涙が出るので目頭をガーゼで押さえて歩くため、杖や歩行器を持つ 事ができない」とあり、外出時に杖や歩行器の使用につながる支援内容を入れてはどうか。 支援のポイントについて ① サービス側がどのような事にポイントを置いてサービス提供を行うのか、支援者側の留意点を 記載すると良い。「手伝ってもらう」は支援者に手伝ってもらうのか、本人に手伝ってもらうのか 分かりにくい。例えば、「本人と一緒に掃除し・・・」としてはどうか。「リハビリを提供し」は、「リハ ビリを提供する」と。「歩行器を利用する」は、「本人の歩行能力に適した歩行器を提供する」など とすると、明確になるのではないか。 今後のケアプラン作成にあたっての視点や捉え方の参考にしてください。 ※それぞれ様々な背景や生活環境からの提案点であるため、他のケアプランに一様に適用できるものではない点をご留意ください。 3/3
© Copyright 2025 ExpyDoc