2015 年 2 月 12 日 株主の皆様へ 2014年度は株式会社ネクソンにとって、非常に良い1年となりました。2014年度の成果は、 「品質」というテーマで表現できます。品質に集中するという戦略を通じて、当社が描いた成長 を実現するには約2年の時間を要すると考えていましたが、2014年度から早くも、様々な面で 多くの進展がありました。 当期の売上収益は1,729億円となり、前年比で11%増加致しました。営業利益は前年比 10%減の455億円、営業利益率は26%となりました。営業利益には、日本のモバイルゲーム 事業に関連して計上した110億円の減損損失が含まれております。当期利益は、293億円で 前年比3%減となりました。 当社は、開発中の新規ゲーム及び全世界で配信中の既存ゲームのいずれについても、ゲ ームの品質の向上に徹底して集中してまいりました。当社の理念は明確且つ強力です。自分 たちがプレイすることを愛してやまないゲームを創り上げること、非常に面白くて、かつ独創的 なゲームを創り上げることです。当社の経験上、このような一見簡単に思える取組みこそが、 事業上の成功と株主価値の創出に繋がってきました。下記にご報告させていただく通り、いく つかの地域においては、品質への集中が早くも良い結果に結びつきはじめています。 中国: 『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)では複数の高品質なコンテンツアップデートを 導入しました。第4四半期には売上収益が会計基準ベースで対前年同期比36%成長い たしました。 韓国:売上収益は、堅調なPCオンラインゲーム事業、前年比で8倍超にまで成長したモ バイルゲーム事業の成長により、全体として前年比で52%の増加となりました。韓国で当 社グループが配信するPCオンラインゲームには、10年近く配信しているものも多くありま すが、それにも関わらず、いまだに成長を継続しています。韓国における成果は、品質 へ集中する戦略を適切に実行した場合、新規ゲームは最高の品質となることを示してい ます。また、既存ゲームにおいてユーザーが長期間楽しめるような運用に集中した場合、 長年配信しているゲームが復調し、成長を再加速させるということも示しています。 北米:北米においては、優れた新経営陣の指揮により、2014年度下期に売上収益はプラ スに転じました。既存ゲームにおける運用の改善及びマーケティング、プロモーション活 動の改善が功を奏して好調に推移し、北米法人の運用体制が従前よりも強化されました。 今後、予定される複数のPCオンラインゲーム及びモバイルゲームを配信開始し、成長を 一層加速してまいります。 Page 1 2015 年 2 月 12 日 日本:2014年度の日本事業は良い状況にあったとはいえません。モバイルのブラウザ及 びネイティブゲーム市場動向の急速な変化に対応しながら、当社の期待する高い品質 水準をクリアすることは容易ではありませんでした。戦略自体に問題があったというよりも、 実行面で改善の余地があったと考えております。2015年度は、品質への集中を徹底し、 戦略の着実な実行に注力してまいります。 当社のパイプラインは、当社史上かつてないほど高品質で充実したラインアップとなってい ます。『DomiNations』、『メイプルストーリー2』、『攻殻機動隊オンライン』や、その他複数のPC オンラインゲーム及びモバイルゲームは、いずれのタイトルについても先ほど申し上げた、非 常に面白くて、本当に独創的なゲームを創り上げるという、当社の信念が反映されています。 加えて、当社は厳選したパートナーとの協業も促進してまいります。第4四半期には、Warner Brothersグループとのライセンス契約を締結しました。これは、世界中でトップクラスに知名度 を誇る、有名なエンターテインメントブランドの「LEGO®」を題材としたモバイルゲームを、当社 グループが開発するというものです。 2015年度に向けて、当社は引き続きゲーム品質向上を徹底していく予定です。なぜなら、 当社は過去の経験上、ゲームの品質こそが長期間ユーザーを楽しませ続ける秘訣だと考える からです。長期間ユーザーを楽しませ続けることは、ひいては業績面での長期的な成長や株 主価値創出に繋がると当社では考えています。このような考え方は、当社の経営資源の配分 に見て取れます。本当に面白く、独創的で、長期間ユーザーを楽しませ続けられると当社が 信じて厳選した新規ゲームにのみ、当社は経営資源を投資しています。既存ゲームの運用に ついては、長期的な成長を達成すること及びユーザー継続率を最も重要視しています。 既存ゲームからの売上収益を基盤として、当社は今後3つの方法を通じて長期成長を目指 します。1つ目は、高品質な新規PCオンラインゲーム及びモバイルゲームによる成長です。2 つ目は、欧米市場における事業の成長です。2015年以降、当社グループは高品質なPCオン ラインゲーム及びモバイルゲームを欧米市場向けに複数配信開始致します。3つ目は、優れ たIP又は開発チームを保有する会社を適切な金額で買収することを通じた成長です。 当社の取締役会及び経営陣は、株主価値を長期的に成長させることに強くコミットしていま す。事業成長を通じた株主価値の創出に加えて、必要に応じて配当と自己株取得を組み合 わせ、株主還元の実施にも注力してまいります。 2015年も、当社にとって素晴らしい1年となるよう、新たな成長ステージに突入し、これまで 築いてきた強固な事業基盤を一層拡大すべく事業を推進してまいります。 Page 2 2015 年 2 月 12 日 世界中のユーザーの皆様、パートナーの皆様、そして従業員に心から感謝申し上げます。 株主の皆様には、一層のご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。 敬具 代表取締役社長 オーウェン・マホニー Page 3
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