薬局だより 2月号 ができあがりました。

白庭病院
2015 年 2 月
2015 年春の花粉飛散予測が発表されました。近畿ではスギ・ヒノキ花粉の飛散開始時期は
2 月中旬といわれています。飛散数は、近畿は前年並み、前年の飛散数が多かった九州・
四国では前年より少なくなる見込みですが、飛散数の少なかった北陸・関東甲信・東北で
は前年の 2~3 倍になると言われています。
花粉症の症状
鼻・目・のどなど「首から上」の症状が主で、熱感・倦怠感などの全身症状をともなうこ
とがあります。風邪に似た症状のため区別がつきにくいですが、風邪は通常 1 週間で治り
ますが、花粉症は原因となる花粉が飛んでいる間、ずっと続きます。そのほかにも、目の
かゆみや実際に熱があるかどうかでも見分けることができます。
花粉症増加の原因
近年花粉症の患者さんの数が多くなってきています。この原因として、以下のことがあげ
られています。
♦スギ花粉の増加…昭和 30 年代に盛んに植林されたスギが成熟し、花粉を多くつけること
になったことや、建築資材としての価値が下がり、手入れもされず放
置されている。
♦気密性の高い住居…ダニやハウスダストが増加している。
♦食生活の変化…高たんぱくの食事は正常な免疫反応には大切だが、逆にアレルギー反応を
高めることになっている。
♦大気汚染…車の排気ガスの微粒子が原因となりアレルギーをおこさせやすくする。
♦ストレス社会…自律神経の乱れで症状が出やすくなる。
花粉症予防
●マスク…吸い込む花粉を 3 分の 1 から 6 分の 1 に減らし、鼻の症状を軽くする効果があ
ります。また花粉が飛び始める前から使用することで、発症を抑えることもで
きます。
●メガネ…通常のメガネでも、
花粉の曝露を 3 分の 1 に抑えられるという報告があります。
コンタクトレンズをされている場合は特に、アレルギー性結膜炎の原因にもな
りますので、メガネに変えていただくことをお勧めします。
●うがい…喉に流れた花粉を除去します。
● 服装 …ウール製の衣類などは花粉が付着しやすく、屋内に持ち込みやすくなります。
綿や化学繊維(ポリエステルなど)のものには付着しにくく、付着した花粉を吸
い込む量を減らすことができます。
●室内換気と掃除…換気のときは窓を 10cm 程度だけ開け、レースのカーテンを閉めると、
浸入花粉量を約 4 分の 1 に減らすことができます。また浸入した花粉
は床やカーテンに付着しているので、掃除をまめに行ってください。
主な花粉症治療薬
花粉症の治療は花粉飛散時期の 2 週間前から「初期療法」を行うことで、発症を遅らせた
り、症状を軽くすることができます。
《薬の種類》
・ 抗ヒスタミン薬
⇒経口薬・点鼻薬・点眼薬
効果発現は遅いが持続が長く、鼻閉にもやや効果が見られ全般改善度がややよいという特徴が
ある。副作用として眠気が出るため、車の運転などする場合は注意。
・ ケミカルメディエーター遊離抑制薬⇒経口薬・点鼻薬・点眼薬
効果はマイルドだが連用により改善率が上昇する。鼻閉にもやや効果がある。眠気の副作用がなく、
全体に副作用が軽微。
・ 抗ロイコトリエン薬
⇒経口薬
鼻粘膜の腫脹を抑制し、鼻閉を改善する。その効果は抗ヒスタミン薬より優れており、内服 1 週間
後くらいから認められる。
・ 血管収縮薬
・ ステロイド薬
⇒点鼻薬
⇒経口薬・点鼻薬・点眼薬
抗炎症薬として効果が見られる。局所用のステロイド薬はいずれも微量で局所効果が強く、吸収さ
れにくく、吸収されてもすぐに分解されるため全身的副作用が少ないという特徴がある。効果発現
が早く確実である。局所ステロイド薬で制御できない重症例に対してステロイド薬の内服を行うこ
ともある。内服はその副作用を考えると、短期の使用にとどめるほうがよい。
早めの治療を心がけて、快適に花粉の季節を乗り切りましょう!!