第 4 章 食育基本計画の目標と取組み 1 基本方針 (1) 基本理念 すべての市民が、生涯を通じて心身ともに健康であるためには、正しい食の知識や健 康的な食事をとることが重要であり、食に関する適正な知識を習得し、望ましい食生活 の習慣を推進していくことが大切です。 本計画では、市民ひとりひとりが、心身の健康に関する正しい知識を身につけ、感 謝の気持ちや食をとりまく環境に理解を深めることや、健全な食生活を実践し、食を 選択する力を身につけるための取り組みを毎日、進めていくことを理念に掲げます。 『 毎日、進めよう食育にっしん 』 ~関心から実践へ~ (2) 基本目標 本市の目指す食育を推進するために、次の3つの基本目標を掲げます。 ◎ 食を通じて健康な「体」をつくります ◎ 食を通じて豊かな「心」を育みます ◎ 食を通じて「環境」に優しい暮らしを築きます 22 2 施策体系 理 念 基 1 本 目 標 食を通じて 基 本 方 1 毎 日 、 進 め よ う 食 育 に っ し ん ~ 関 心 か ら 実 践 へ ~ 2 食を通じて 2 規則正しい食生活習慣を身につけま す。 3 食の安全性の確保に努めます。 1 共食を通じてコミュニケーションの 機会を持ちます。 豊かな「心」 を育みます バランスのとれた食生活を実践しま す。 健康な「体」 をつくります 針 2 体験や生産者を通じて、食の理解を 促進します。 3 伝統食などの食文化を知る機会を増 やします。 3 食を通じて 1 「もったいない」意識の浸透と実践を 図ります。 「環境」に 優しい暮らし を築きます 2 地産地消の推進に努めます。 3 環境に配慮した食生活を心がけます。 23 3 重点目標 1 食を通じて健康な「体」をつくります 食は健康の基本です。健康の保持・増進を図るためには、適切な栄養摂取や望ましい食生活を送 ることが大切になります。 規則正しい食生活の面では若い世代の朝食欠食が依然としてみられます。時間がないことなどを 理由に朝食を欠食する傾向がありますが、朝食は一日のはじめの活動エネルギーをとるためにも必 要なものです。こうした朝食の大切さを伝え、朝食を含めた3食を規則正しく、バランスよく適量 を食べることが必要です。 基本方針 1 バランスのとれた食生活を実践します。 2 規則正しい食生活習慣を身につけます。 3 食の安全性の確保に努めます。 市民の役割 ・ 朝、昼、晩と1日3食きちんと食べます。 ・ 「早寝早起き朝ごはん」を実践します。 ・ バランスのとれた朝食を食べます。 ・ 食事バランスガイドなどの指針を活用して、望ましい食事のとり方をします。 ・ 子どもの頃から望ましい生活習慣を身につけ、食を選択する力を育てます。 ・ 自分自身の適正体重を把握し、食べすぎや太りすぎに気をつけます。 ・ 年齢や身体に応じた食事と運動を実践します。 地域・団体の役割 ・ 食事バランスガイド等の普及・啓発をします。 ・ 食や健康に関する情報提供をします。 ・ 減農薬農産物の生産に努めます。 行政の役割 ・ 学校では、食に関する活動や授業を通じて、食や健康に関する知識を学ぶ機会を提供します。 ・ 保育園、学校では給食だより等を通じて、健康や栄養に関する情報提供を行います。 ・ 食に関連する講座などを通じて、食生活に関する知識や調理を学ぶ機会を提供します。 24 2 食を通じて豊かな「心」を育みます 子どもにとって、日常生活の基盤である家庭での食事は、生涯にわたる健全な心身や豊かな人間 性を育む重要な意味を持ち、家族が食卓を囲んで共に食事をとりながらコミュニケーションを図る ことは食育の原点です。家族が一緒に食事を共有することを「共食」として、国の第2次食育推進 基本計画では重点課題に位置づけられています。 また、食育は考え方を学ぶだけでなく、日々の調理や食事と深く結びついており、体験すること が重要になります。農業体験や調理体験を通じて、私たちの食生活が自然の恩恵の上に成り立ち、 食事をいただくまでに生産者をはじめ多くの人々の苦労や努力に支えられていることを理解するこ とは、食への感謝の気持ちを育むことにつながります。 基本方針 1 共食を通じてコミュニケーションの機会を持ちます。 2 体験や生産者を通じて、食の理解を促進します。 3 伝統食などの食文化を知る機会を増やします。 市民の役割 ・ 普段から共食に心がけ、家族団らんの日には家族や友人と楽しく食事します。 ・ 食に関する地域の行事やイベントに積極的に参加します。 ・ 料理体験や農業体験などのイベントに参加します。 ・ 箸の正しい持ち方など、食事のマナーを身につけます。 地域・団体の役割 ・ 家族団らんの機会の充実を図ります。 ・ 食を通じた交流機会の充実を図ります。 行政の役割 ・ 愛知県が推進する「おうちでごはんの日」(毎月19日)の普及を図ります。 ・ 共同で料理をつくる喜びや共食による食の楽しさを実感するため、親子による食を通じたコミュニ ケーションの機会を提供します。 ・ 生産者と消費者の交流の機会を設け、農業への理解と支援、食への関心を高めるよう啓発を行いま す。 25 3 食を通じて「環境」に優しい暮らしを築きます 身近な食生活における環境への負荷の軽減を図るため、買いすぎ、作りすぎに注意し、食べ残しの ない適量を心がけることや、食品の廃棄を減らす環境に配慮した調理の推進や食品リサイクルの推 進に取り組みます。 基本方針 1 「もったいない」意識の浸透と実践を図ります。 2 地産地消の推進に努めます。 3 環境に配慮した食生活に心がけます。 市民の役割 ・ 食品の消費期限などの情報を活用するなど、計画的に食品を購入することで、食品を無駄にしない ようにします。 ・ 適正な食事量を知り、食事を作りすぎないようにします。 ・ 「もったいない」の精神を忘れずに、生ごみの削減に取り組みます。 ・ 地元の野菜を使います。 地域・団体の役割 ・ 生産者や食品関連事業者は、生産・製造過程の情報を正確に、消費者にもわかりやすく示すよう心 がけます。 ・ 関係団体は、フードマイレージ(食べ物の輸送距離)について学ぶ機会を提供します。 行政の役割 ・ 環境教育を推進する中で、環境と食の関わりについて学習する機会を提供します。 ・ 食べ物を無駄にしない食事の指導・教育を促進します。 26
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