原子炉耐震設計指針の 策定・見直し過程と課題 3021-6021 塚本 可奈子 目的 御前崎市にある浜岡原子力発電所は、工事の 完了から30年以上が経っている。1,2号炉の 老朽化が考えられ、2001年11月には1号炉で 原子炉の底から水漏れが見つかった。 こういった原子炉が、将来起こるといわれてい る東海地震に耐えられるのか、原子炉耐震設計 指針の策定などを行い、今後の課題について考 える。 内容 原子力安全委員会のサイトの内容を調べ、サ イト中の耐震設計指針に関する資料の整理・分 析をする。 安全委員会の趣旨 基本方針・施策の基軸 原子力防災対策について 原子力安全委員会の趣旨 原子力安全委員会は、株式会社ジェー・シー・ オーのウラン加工工場における臨界事故を受け、 平成12年1月「原子力安全委員会の当面の施策 の基本方針」を決定し、原子力の安全確保活動の 一層の向上に努めてきた。これら諸施策について は、所期の内容をほぼ実施してきた。 安全規制の更なる充実を図るため、新たな当面の 施策の基本方針を、平成16年9月に定めた。 基本方針・施策の基軸 1. 2. 3. 現行の安全確保活動:諸活動の質の向上・充 実強化 将来を見通した活動:安全規制システムの一 層の高度化 安全確保の基盤強化 今回は特に1.の中の『事故・故障対応、防災 対応等の充実』という項目を調べた。 原子炉施設の耐震性についての基本的考え方 原子炉施設の耐震安全性については、立地地域周 辺の過去の地震、活断層による地震、直下地震など を考慮して、想定されるいかなる地震力に対しても、 ①止めるー原子炉の急停止 ②冷やすー原子炉停止後の崩壊熱除去 ③閉じ込めるー放射線物質を格納容器に閉じ込める という重要な安全機能を保持し、これが大きな事故 の要因とならないように設計を行うこととしている。 設計上の具体的な要求事項 基本指方針 建物・構築物は原則として 剛構造にするとともに、重要 な建物・構築物は地震によ る揺れが小さい岩盤に支持 させなければならない。 重要度分類 施設が壊れた場合における 環境への放射能の影響の観 点から、各施設をAs, A, B, C の4クラスに分類。 安全審査 安全審査は、立地及び 自然現象、火災等に対 する設計上の考慮と いった施設全般の事か ら、炉心設計、燃料設 計等の設備の設計まで、 安全性確保の観点から、 その妥当性について審 査指針類を用いて審査 を行っている。 原子力施設の安全設計の基本的考え方 原子力施設は、多重防護という基本的考え方により、安全を 確保している。第1に事故故障につながる異常の発生を防止、 第2にそのような異常が発生したとしてもそれが大きな事故に 拡大することの防止、第3に大きな事故が仮に起きた場合で あってもそれが周囲の環境に著しい被害をもたらさないように その影響を緩和できる措置を予め講じておくこと。 原子力安全委員会の今後の取り組み 1. 2. 事故・故障情報の収集と分析・・・国内外の原子力施設で発生し た主要な事故・故障に関する情報を収集・整理し、原子力施設の 安全確保上重要と考えられる事象を抽出する。その結果をふま え、日本の安全確保対策に反映すべき事項を検討し、必要な提 言を行う。 原子力防災対策等の充実・・・原子力防災分野に係る安全研究 の成果を活用するとともに、IAEA等の国際機関や諸外国におけ る防災体系を検証する。具体的には、 IT技術を活用した緊急時における情報収集システムの充実強化 事故後の災害復旧に係る長期的対策 線量評価・障害低減化・治療技術に関する安全研究の成果 これらについて検討・検証。 今後の活動内容 引き続き、原子力安全委員会の資料の整理・分 析を行う。 原子炉耐震設計指針の策定・見直しを行い、そ の問題点や課題について検討する。
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