はじめに 酸性紙対車班 新聞等でしばしば取り上げられているのですでに周知と思われるが、酸性紙 に起因する省物の劣化が、資料を保存する図書臨に深刻かつ困簸な課題を提示 している。 国立国会図書館では、昨年 ( 1 9 8 3年) 7月 館内に酸性紙対躍班を盟けて、 この問題に対し必要とされる今桂の措置争検討することになり、関連する文 献 ・情報の収集や厳重S の劣化状況調査を実施してきた。 こうした検討の一環として、 当館では同年 I I月 9回、館内において 「紙の劣 化と図書館資料の保存」 と題するシンポジウムを開催した。同シンポジウムは 0数名という小規模なものであったが、図省館関儒者をはじめ、文書館 ・ 参加者 7 博物館等の文化財保存関係者 .出版界ー製紙農界ー型紙科学者等, 物の劣化に関連するさまざま会領域の方々に参加していただき d 受性紙と書 貴重なご報告, ご意見を向うことができた。 同ンンポゾウムの視要についてはすでに 『 国立国会図書館月報 J1 9 8 4年 l月 号に報告されているが.ここにその全記録を収載する。 シンポジウムは午前の部と午佳の部に分けて行われた。午前の部では 「 図書 館と紙の劣化」 と題する藤原鎮男氏{千葉大学理学部教担,元東京大学図嘗館 長)の摺演 「 紙の劣化←ーその原因と紙の野命 jと題する臼田輔人氏(東京大 学農学部助教授) の購演があり.次いで寺村由比子(当館酸性紙対策班長)に よる I 園立図書図省館における資料の劣化状況Jの報告が行われた。午桂の部 1 ;,講演者ならびに参加者による全体討議にあてられ 藤原教綬の司会のもと に進行した。 シンポゾウムでは 。 まず最初に長野俗当館総務部民(当時)が次頁に記す挨 酵を述べ,引き親き開演 ・線告が行われた。なお当日,会境付近に紙の酸性に より i 易み のはげしい図書ならびにこ の問題に関連する資料を展示した.これら の資料はシ〆ポジウム後.臨円 2階の展示 コーナーに場所をかえ 。 I I月 1 0日よ り1 2月2 4日 ま で 般 来 館 者のために展示された。 -l 2 9 r 長野総務部品開会の挨醇{要旨) よれから抵の劣{むという問題につきまし て、当館では初めてのシンポジウムを開催いたします。紙の劣化問題につきま しては新聞などで騒がれていますとおり 句図苗館にとっては重要な問題です. 国立国会図省館としては最初の γ ンポゾウムを聞きまして ζ れを土台にして 吋買を考えてゆくつもりでございます. 0年前からこの問題は一部で取り上げられて 外国におきましては .すでに散 1 泊りまして 9 8 0年あたりから国立図書館長会議'"どでそうい また国際的に D1 うことがいわれ出しました.わが国にお主ましては ,特に日本の相紙はこの劣 化という点では西洋の紙より世れておりますので.深刻な受けとめ方がないの だろうと思われるのですけれども , まあ遅ればせながら昨年 一昨年あたりか らこの問題がやかましくいわれ出して B ります. 晶、ただきまして 、午 今日は藤原先生と臼田先生.ご専門の知酷をこ二でお Z 佳は質疑 ・討論ということに伝って勾ります.この機会を充分生か して .実の ある γ ンポジウムにしてゆきたいと思います。ご静聴,ご協力をお願いいた し ます。 J ← 1 3 0
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