本検討会は、国内外の旅行者がともに減少する冬期の観光振興のため、スノーリゾート地 域における様々な課題に対応すべく、国内外のスノーリゾート地域やスノースポーツ人口、 スノースポーツ競技の現状及び課題について幅広く調査・分析し、今後の方向性等を検討す るため、原田宗彦 早稲田大学スポーツ科学学術院教授を座長として平成 27 年1月に観光 庁が設置したものであり、本年1月 30 日に第1回検討会を開催したところ、概要は以下の 通り。 出席者:屋井委員、山田委員を除く全委員が出席。(阿部委員は代理出席) 議事概要: 西村国土交通副大臣の開会挨拶の後、事務局より資料1~資料4について説明 し、その後、意見交換を行った。委員からの主な意見は次の通り。 ○ 各地域のスキー場事業者は中小規模が多く、事業継続において色々な問題が出てきてお り、連携や支援が重要。 ○ 多くのスノーリゾート地域は、地域の産業、雇用の場として重要。 ○ スキー場は巨額の設備投資が必要な装置産業、かつ労働集約型であり、生産性を高める のが難しい業種である。 ○ 顧客に楽しんでもらう原点として、安全性の確保が重要である。事故が起こればスキー 全体のイメージが悪くなるため、索道の管理、安全マネジメントが重要。 ○ 今後、訪日外国人数 2000 万人を達成するためには、日本全国各県で戦略が必要。その ため、目的別、属性別にデータを出してもらって議論をしたい。 ○ スノーリゾート地域の活性化のためには、リピーターの実施回数の増加、スキー人口の 底辺拡大の他、新市場開拓(インバウンドのような新しい層を取り込む)、新商品開発(ス キープラスワンの活用方法)も重要。 ○ スキー教育旅行経験者のリピーター化が重要だが、教育旅行の時期の分散化が必要。 ○ 冬以外のグリーンシーズンに、どのようにスノースポーツ以外の魅力あるプログラムを 組むかが重要。 ○ 海外のスノーリゾート地域では、地域の食文化等、地域の魅力を併せて訴求している。 ○ スノースポーツには健康という観点からも魅力がある。 ○ 消費者ニーズが変化している中で、スノーリゾートのサービスや事業の在り方は、全体 として見直さないといけない。 ○ 日本のスノーリゾートは雪質、コースコンディション、コースアクセス、おもてなしの 精神を備え、大きな国際競争力があり、観光資源として非常に有効。一方で言語表示、WIFI 等ユニバーサルリゾート対応の問題があるが、スピード感を持って取り組んでいくべき。 ○ 外国人スキー客はコース外滑走のニーズが大きいが、現状はほとんどのスキー場におい て対応できていない。 ○ リゾートの開発の仕組みが機能しなくなっており、しっかりとしたフレームがない状態 の中で外国人投資に押され、環境破壊を引き起こす恐れもある。
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