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第4章
広報手段
1.広報の目的・手法
農山漁村の多面的機能、及びその価値・役割を広く国民に周知し、興味・関心を持ってもらうため、
以下の2つの方法により広報を行う。
(1)広報の対象
農山漁村が有する多面的機能は、農山漁村や近隣都市のみならず、国際的なレベルなどグローバル
なレベルにおいてもその効果が及んでいる(国土保全、人材育成、エネルギー等)。そこで、農山漁
村の多面的機能、及びその価値・役割について、我が国国民全体が関心を持つように、広く周知を図
ることが必要である。
一方、観光、学習、健康等のより国民に身近な機能については、その価値・役割を個々の国民が理
解し、農山漁村が有する多面的機能を将来にわたって維持向上させていくことが、都市と農山漁村が
良好な関係を築いていくために重要である。したがって、身近な機能については、世代を見据えて特
に小学生高学年を対象に広報を行うのが適切である。
(2)媒体
広報の媒体は、その目的と対象に合わせ効果的な広報となるよう以下の媒体を用いることとする。
○ 日本国民全体:広域性、可用性、即時性等に優れた WEB サイトによる広報が有効と考える。
○ 小学校高学年:リーフレット等の学習教材を作成し、各学校や家庭での学習に利用できるよう
な資料とする。
広報の対象と媒体
1)日本国民全体を対象とした WEB サイト
2)小学校高学年を対象とした学習教材(リーフレット)の作成
2.広報の内容
(1)WEB サイト
日本国民全体を対象とした WEB サイトの案を次頁以降に添付する。
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(2)広報リーフレット作成イメージ
①リーフレットの対象と目的
農山漁村の多面的機能やその価値・役割を正しく理解してもらうとともに、農山漁村へ興味・関
心を持ってもらうため、特に都市部の小学校高学年の児童を対象とした広報資料を作成する。関心
を高めるために、読み物とするのではなく、遊びながら学べるものとする。
②内容
『農山漁村のいろんな魅力再発見!
パズルでつくる日本列島』
地方ブロック(北海道、東北地方など日本を 16 ブロックに分割)に見立てたピースを作成し、
正しく並べると日本列島になるようにする。それぞれのピースには、農山漁村の役割、地方ブロッ
クの農林漁業や食に関する豆知識に関するクイズを記載し、裏面にその答えを掲載する。
16 問のクイズに答え、その正答数でランキングをつけられるようにする。
(例、正答数:13 問以上「農山漁村の神様」、10 問以上「農山漁村博士」など)
パズルのピース(1つの地方ブロックで1枚)
農山漁村に関するクイズ、豆知識付き、答えは裏面に記載
海の色をベースに、都道府県の枠線
日本地図完成
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③パズルのピースについて
地方ブロックは、東北海道、西北海道、北東北、南東北、北関東、首都圏、甲信越、東海、北陸、
近畿、中国、四国、北九州、南九州・沖縄、海×2 の 16 ブロックとする。
1ピース 8cm×7cm 程度を標準サイズとする。
7cm
8cm
Q1
私たちがお米を食べなくなると
日本から田んぼがなくなってしま
います。
田んぼがなくなるといなくなっ
てしまう生物は次のうちどれ?
①カマキリ
正解:②赤トンボ
赤トンボは、田んぼに卵を産み、
田んぼで成虫になります。日本の赤
トンボの 99%は田んぼで生まれて
いるのです。
だから、田んぼがなくなると赤ト
ンボもいなくなってしまいます。
②赤トンボ
参考:「農と自然の研究所」
③ミツバチ
表面
裏面
④パズルの完成イメージ
A1 サイズの用紙の半分をパズルのベースとなる面、半分を切り取ってパズルにする面として使う。
ベースとなる海色の面
切り取ってパズルにする面
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広報リーフレット(表面、遊び方)
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広報リーフレット(表面、パズル)
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広報リーフレット(裏面、パズル答え)
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広報リーフレット(裏面、パズル台紙)
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第5章
まとめ
1.まとめ
本調査で抽出した農山漁村の有する多面的機能は、「守る」「生み出す」「育てる」の3つの機能に大
別できる。
「守る」
:自然災害を防いだり国土を守る機能。さらに、生活環境を良好な状態に保ったり、雇
用を創出し就業希望者の受け入れ先となったりするなど、人々の暮らしを守る機能。
「生み出す」:食料や物質を生み出す農山漁村の本来的機能の他、ビジネス、エネルギーなどの新し
い資源や価値を生み出す機能。
「育てる」 :身体的・精神的な成長の促進や、健康を維持する機能、郷土愛を育む機能。
農山漁村が有する多面的機能の分類
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育てる
1.間伐林や田んぼが、自然災害から私たちのくらしを守ります
2.間伐を行なうことにより、森林のもつ公益的機能が向上します
3.水田は自然のクーラーとして機能し、気候を緩和します
4.農民が築いた水路ネットワークが国民の食生活を支えています
5.訪れる人を癒し、成長する場を提供します
6.生物の多様な成長を育む環境を形成しています
7.子どもたちの健全な育成を促します
8.豊かな自然環境がおいしい水や空気を作ります
9.漁村・漁業者が、海の安全を守り、海域の監視等を行っています
10.日本の領土の多くを、離島の住民が守っています
11.農山漁村が自然志向の若者の職場として機能しています
12.農山漁村は子どもを生みやすい、育てやすい環境にあります
13.いつまでも健康に暮らし続けられる環境です
14.新しいビジネスの機会を創出します
15.国内外から多くの人を惹きつける資源を有しています
16.持続可能な暮らしを実現します
17.美容・健康など生活を豊かにする製品を生み出します
18.日本の魅力を形成し、日本人の郷土愛を育みます
生み出す
守る
農山漁村の多面的機能
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農山漁村の有する多面的機能は、都市化の進展に伴う
バッファ機能
環境の悪化、少子・高齢化の進展、地域間格差の拡大な
どの影響の緩和、また、そうした社会で生きる人々を癒
し、健康にする機能を有しており、言わば都市部(都市
「守る」
部で生活する人々)に対するバッファ機能である。この
「育てる」
「生み出す」
バッファ機能があったからこそ、今日の日本の経済成長
があると言い換えることもできるであろう。
こうした多面的機能は、農山漁村に住む人々が自然と関わり合いながら生業を営むことによってこ
そ発揮されるものであり、多面的機能を十分に発揮するための検討は、農山漁村の価値を正しく認識
し、そこでの生業・生活を維持することの重要性を改めて問いかけることに繋がるであろう。
前述のように、都市と農山漁村は、単なる消費地と生産地の関係ではなく、極めて密接な関連を持
っており、今後の国土利用、都市政策、農山漁村振興政策などの検討において、
「都市と農山漁村の連
携」は、欠くことのできない重要な視点の1つである。近年の都市農山漁村交流への関心の高まり、
農山漁村における多くのビジネスの創出は、農山漁村の新たな価値や、両者の連携の必要性が認識さ
れつつあることの表れでもある。持続的な農林漁業の確立には、こうした傾向を推進しつつ、農山漁
村の有する価値や重要性について広く周知を行なうこと、特に次代を担う若い人々に農山漁村の有す
る多面的機能の役割や重要性について啓蒙していくことが必要である。
本調査では、農山漁村の有する多面的機能について、日本学術会議の答申の内容を除く新たな機能
を抽出し、定量的に分析すると共に、国民への周知しやすさに配慮した表現や例示をしながら整理し、
リーフレットの作成及び WEB サイトの構築を行なった。こうした媒体が多くの国民の目に触れるこ
とで、日本の農林漁業に対する正しい理解と関心がさらに高まることを期待する。
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