山下慶親牧師 - クアラルンプール日本語キリスト者集会

「恐れるな - 朱基徹牧師から学ぶ」 山下慶親牧師 出エジプト記20章1~3節 マタイによる福音書10章26~31節 日本は2月11日を「建国記念の日」という名称の祝日にしている。しかし、日本基督教団は、こ
の日を「信教の自由を守る日」と制定している。私たちキリスト者は、かつて天皇が現神として神格
化され、神社参拝が強制され、
「信教の自由」がない時代があったことを忘れてはならない。十戒の第
一戒には、「あなたには、わたしをおいてほかに神があってはならない」と書かれている。 本日は朱基徹(チュ・キチョル)牧師の生涯から学びたい。彼は日本の朝鮮半島支配が敗戦によっ
て終焉する前年の1944年4月21日、殉教者として地上の生涯を終えた。1910年の日韓併合
以後、日本の総督府が朝鮮半島の人々をどれほど苦しめたかは想像を絶する。併合によって国を奪い、
日本語を強制して言語を奪い、神社参拝を強制して個人の魂を奪い、殉教者たちの命を奪っていった
からである。しかも、日本の教会はこの流れに抗することなく、むしろ同調していった。これは、私
たちにとって恥ずべき過去であり、繰り返してはならない過去である。 朱牧師は、度重なる逮捕、投獄、獄中で繰り返される拷問にもかかわらず、十戒の第一戒を守り通
した。
「体は殺しても、魂を殺すこと」のできない横暴な権力に屈することはなかった。彼と彼の家族
を支え続けた平壌の山亭峴(サンジョンヒョン)教会の役員や信徒たちも立派であった。 日本のキリスト者は隣国の殉教者たちの生涯を深く心に刻み、彼らの信仰から学ぶことが必要であ
る。
「信教の自由」を守り、神以外の何ものも恐れない信仰者となることは、今日でも、極めて重要な
課題である。