(単位:千円) 課 題 名 及 び 概 要 省庁・研究機関名 通商産業省工業技術院 研究期間 11年度予算 13,638 【沿岸海洋生態系における外部負荷及び内部生産有機物の循環過 10∼12 資源環境技術総合研究所 程に関する研究】 当該研究では,沿岸海洋生態系における富栄養化・有機汚濁対 策技術及び将来的な海洋開発技術の構築に貢献することを目的と し,特に外部負荷有機物(自然・人為起源)及び内部生産有機物 (海洋生物起源)の量的・質的な把握を中心に,陸域から外洋域 までを含めた広域間における有機物循環過程の解明を目指してい る。この目的の達成のためには,海域に存在する有機物の時空分 布の把撞はもとより,その起源や化学(生物学)的特性の解明が 必須である。そのためにまず1)海水や堆積物など海洋試料中の 微量有機物の分離・濃縮する手法の開発,2)濃縮された有機物 の成分分析,3)主要有機物成分の現場海域における時空空間分 布・変動の解析やモデル化による検証が必要であり,3年間の研 究機関を通して順次実行してゆく計画である。 通商産業省工業技術院 北海道工業技術研究所 【低温微生物の低温適応機構と応用に関する研究】 10∼12 13,925 10∼12 13,225 本研究は,低温環境下に生息する微生物の低温適応機構として 極めて重要な,微生物の生体膜脂質の高度不飽和化機構,その道 伝子の構造及び同遺伝子の発現機構の解明を目的とする。本研究 は,近年,健康に良いということで話題を集めているエイコサペ ンタエン酸(EPA),ドコサヘキサエン酸(DHA)等の高度不飽 和脂肪酸(PUFA)の微生物による生産への応用という面からも 期待されている。この目的のため,本研究では,PUFA産生細 菌の脂肪酸生合成関連遺伝子である脂肪酸合成酵素(FAS)遺伝 子及びPUFA合成に関与する遺伝子(PUFA合成系遺伝子)の 単離と解析を行う。具体的にはPUFAの中でも特に不飽和度の 高いDHAの合成系遺伝子を対象とし,以下の研究を行う。 (1)DHA産生低温微生物の脂肪酸合成に関与する遺伝子のクロー ニングと構造の解析 Vよわrわmαrよ几∽等の低温微生物からDHA合成に関与する 酵素遺伝子(DHA合成系遺伝子)をクローニングし,その塩 基配列及び遺伝子群の構造を明らかにする。 (2)DHA合成系遺伝子の発現機構の解析 低温下で特異的に発現するDHA合成系遺伝子の発現誘導の メカニズムを検討する。このためにDHA合成系遺伝子の上流 塩基配列などを解析し,発現機構を明らかにする。 郵 政 省 通信総合研究所 仏工衛星群のカオス軌道制御の研究】 静止衛星の増加で軌道が混雑する問題を技術的に解消すること を目的とする。多数の衛星をまとめて捉え,一括して制御する新 しい方法を開発し,多数の衛星を安全かつ容易に静止軌道に収容 することを可能にさせる。安定カオスという,自発的な秩序形成 を起こすカオス状態を制御に応用しよう,というのが本研究のポ イントである。平成10年度でカオスが発生する衛星群の軌道モ デルを構築し,11年度では衛星間に相互作用を加え安定カオス となる条件を探索し,12年度でそれら探索条件の中から人工衛 星の制御に最適な方法を確立する。 −616−
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