憲法予習編 第 9 回目 レジュメ ・内心の自由(精神的自由権に分類される) ①思想・良心の自由 ②信教の自由 ③学問の自由 思想・良心の自由 憲法 19 条「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。 」 思想・良心」の内容(思想と良心を区別せず、セットで考えてよい) 広く解釈する見解:内心で考えていること全部(内心の自由一般説) 狭く解釈する見解:人格形成活動に関連性のあるもの(人格形成活動関連説) さらに狭く解釈する見解:宗教上の信仰と同じく考える見解 (憲法 20 条 1 項 1 文「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。 」) ・ 「侵してはならない」の内容 絶対的自由⇒ 内心にとどまっている限り、どんな思想・良心でも保護される 沈黙の自由⇒ 思想の告白強制は認められない ・謝罪広告判決 (名誉棄損的内容を公表した) Y X (謝罪広告せよ) (良心の自由に対する侵害である) Yの「謝罪広告を出したくない」との内心 「思想・良心」の内容について ・広く解釈する(内心の自由一般説) ⇒思想・良心の自由によって保護される ⇒謝罪広告の強制は違憲となる ・狭く解釈する(人格形成活動関連説) ⇒思想・良心の自由によって保護されない ⇒謝罪広告の強制は違憲とならない ・謝罪広告判決(判旨抜粋) 「単に事態の真相を告白し陳謝の意を表明するに止まる程度のものにあつては、こ れが強制執行も代替作為として民訴七三三条の手続によることを得るものといわな ければならない。 」 「されば少くともこの種の謝罪広告を新聞紙に掲載すべきことを命ずる原判決は、 上告人に屈辱的若くは苦役的労苦を科し、又は上告人の有する倫理的な意思、良心 の自由を侵害することを要求するものとは解せられない」 ・信教の自由(憲法 20 条 1 項 1 文「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。」) ①信仰の自由 ②宗教的行為の自由 ③宗教的結社の自由 ・政教分離原則( 「政治」と「宗教」を分離させる) 憲法 20 条 1 項「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国 から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」 憲法 20 条 3 項「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。」 ⇒国家の宗教的中立を制度として保障することで、 間接的に、信教の自由を保障(制度的保障) ・津市地鎮祭事件判決(判旨抜粋) 「政教分離原則は、国家が宗教的に中立であることを要求するものではあるが、国 家が宗教とのかかわり合いをもつことを全く許さないとするものではなく、宗教と のかかわり合いをもたらす行為の目的及び効果にかんがみ、そのかかわり合いが右 の諸条件に照らし相当とされる限度を超えるものと認められる場合にこれを許さな いとするものである」 ⇒かかわり合いが相当な限度を超える場合は、許されない 「宗教的活動とは、…、およそ国及びその機関の活動で宗教とのかかわり合いをも つすべての行為を指すものではなく、そのかかわり合いが右にいう相当とされる限 度を超えるものに限られるというべきであつて、当該行為の目的が宗教的意義をも ち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるような行為 をいう」 ⇒目的効果基準が採用されている 「本件起工式は、…、その目的は…専ら世俗的なものと認められ、その効果は神道 を援助、助長、促進し又は他の宗教に圧迫、干渉を加えるものとは認められないの であるから、憲法二〇条三項により禁止される宗教的活動にはあたらない」 ・学問の自由(憲法 23 条「学問の自由は、これを保障する。」) ①学問研究の自由 ②研究発表の自由 ③教授の自由(教育の自由) ・教科書検定判決(判旨抜粋) 「教育ないし教授の自由は主として大学における教授(教師)について認められる というべきであろうが、下級教育機関における教師についても、基本的には、教育 の自由の保障は否定されていない」 ・大学の自治 ①人の管理(人事の自治、学生管理の自治) ②物の管理(施設管理の自治) ③お金の管理(予算の管理の自治) (レジュメここまで)
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