第2回 兵庫県老人福祉計画(介護保険事業支援計画)改定懇話会 記録 A構成員:中重度者の自宅での一人暮らしを支えるサービスとして、24 時間型 の定期巡回・随時対応型訪問介護看護をあげているが、サービスの確認方法 やこのサービスだけで自宅での暮らしを支えられるのか疑問がある。 B構成員:定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、在宅サービスの目玉となる サービスだが、実施件数が伸び悩んでいる。新しいサービスは、基準などが 理解されず混乱を招くこともあり、県として踏み込んだ支援方法が必要では ないか。 C構成員:24 時間対応となると、人の確保に加えて看護ステーションの規模や 偏在の問題もあると思う。地域バランス、圏域毎にどうするかの戦略的な目 標を持たないといけないのではと懸念している。 D構成員:定期巡回・随時対応型訪問介護看護のニーズをどう捉えるか。各市 に1か所、都市部では複数などと計画にあがっているが、ニーズに合わせた 事業展開の姿が見えてこない。 E構成員:定期巡回・随時対応型訪問介護看護については、国の動きを受けた 記載であり、介護給付費部会の議論をみても、報酬単価や施設基準を見直す など、事業が展開しやすい方向に進んでいる。 認知症について、国は、「オレンジプラン」だけでなく省庁を超えて対応す るとのことなので、県も全県民を巻き込む形の記載にしてほしい。認知症は特 別な問題でなく地域・暮らしの中で考えないといけないという機運もあり、認 知症サポーターやキャラバン・メイトの目標値でも意気込みが見えるようにし て貰いたい。 F構成員:認知症対策は住宅から医療・介護、障害福祉など全てにわたるため、 省庁横断が必要だと、安倍総理も言っていた。県も認知症局を作るくらいの 覚悟を計画に書いて欲しい。 A構成員: 「在宅医療は訪問診療が中心」とあるが、もともと往診があり、後か ら訪問診療が出たので、「往診及び訪問診療が中心」の方がよい。 1 県が市町に在宅医療介護連携を促す記載は評価しており、是非、市町に実践 するよう働きかけをお願いしたい。 G構成員:新しい総合事業の担い手の育成や医療介護連携の推進にあたり、継 続的な支援・助成が必要である。また、市町指定の事業所も増えるので、県 と市町で協働して監査を行うなど関係を続けてほしい。質問として、①「お 泊まりデイ」への県の認識、②6期計画は 2025 年に向けた中長期計画となる がどう記載しているか、③参考資料のイメージ図は特定の市町か標準的な事 例かの3点を確認したい。 事 務 局: 「お泊まりデイ」については、国で検討中の基準を踏まえ指導してい きたい。2025 年の目標・姿については、イメージ図に加え「施策の方向」な どに将来的なことを書いている。イメージ図は、高齢者人口の推移など、代 表的な市町をベースに作成した。 B構成員:本来は市町の役割だが、複雑化する住民サービスを県としても積極 的に広報することを記載できないか。かなり手厚い施策を展開していても、 県民の安心感に繋がるほど施策内容は知られておらず、随所に「伝える」と いうポリシーを入れてほしい。 事 務 局:広報については、計画に合わせて制度全般のパンフレットを作成す るなど、サービス内容の普及・啓発に努めていく。 E構成員:高齢化が進み、お年寄りが生活困難にぶつかった時に行政や介護保 険サービスが届かないことが問題で、地域包括支援センターを徹底的に強化 することが大事である。センターの数を増やし、センターを核に、職員がサ ービス利用、情報の介在者となるように広報(PR)についてもがんばれと いう形の記載にするとよいと思う。 H構成員:広報に関連して、地域包括支援センターの認知度は5割を超えてい ないことを深刻に受け止め、住宅も含めた総合相談として積極的に発信する 広報戦略が必要になってくると思う。 権利擁護について、市民後見ができることには限られており、法人後見でも 弁護士会・司法書士会と連携してやらないと限界がある。社会福祉協議会等で 2 法人後見をやる場合は、司法関係者を雇用し、相談対応していくとしなければ、 持続・継続性が求められる一人ひとりの権利は守れない。 I構成員:サービス付高齢者住宅(サ高住)の整備促進、特定施設を増やすとあ るが、介護保険収入をあてにした介護施設といってもよいような 18 ㎡トイ レ・洗面付の部屋を作っても元気な高齢者は入りたくないと思うが、もっと きちんと生活のできる住宅を作るべきであり、介護サービスを割安で受けら れる集合住宅のようなサ高住を整備するといった考えを取り入れてはどうか。 J構成員:各市町で問題となっているのが、届け出をしない高齢者向け住宅、 シニア住宅、介護付き住宅等で、市町も立ち入りができず、ケアマネジャー のケアプランチェックでしか介入できない状態となっている。県としての対 策・支援の方法について、記載してほしい。 K構成員:介護自体は注目されるが、介護現場に人が集まらない現状がある。 介護現場の守備範囲は、元気な人から看取りまでと幅広い。特別養護老人ホ ーム(特養)等にあっても、地域の一員として人生を締めくくることになるこ とが地域包括ケアシステムのめざす部分であり、看取りをしっかり書いて欲 しい。そこから、介護職員は何をすべきか、求められる資質とは何かが明ら かになり、職業としてのプライド、尊敬される業務になる方向が見えてくる と思う。 L構成員:若年性認知症について、相談の記載はあるが、就労問題にも踏み込 んで貰えると家族も安心する。第4章の各節は、 「高齢者…」に統一された方 が、流れがよい。 M構成員:人材の「キャリア支援専門員」のイメージがわかないが、どのよう な資格が必要か確認したい。また、今般の介護保険制度改正について、高齢 者の多くが理解できず、まずケアマネジャーに説明していただくとともに、 高齢者への説明用の補助資料も提供してほしい。 事 務 局: 「キャリア支援専門員」とは、県社会福祉協議会の人材センターに配 置される嘱託職員で、PR事業の展開、マッチングなどの支援事業を行って もらう予定で、経験を積まれた方であればよく、具体的な資格というもので 3 はない。 N構成員:喀痰吸引等特定行為に関して、24 時間見守りのための特養施設の職 員配置が進まず、研修もうまくいかないため、入所待ちが生じている。可能 かどうか分からないが、計画に3年間の目標を設定してほしい サ高住は監査等が入りにくく、特定施設も進まないと思う。介護給付費を特 養と比べても、サ高住の方が高額となる事例もあり、特養を増やす方が安くす むという意見もある。在宅重視の流れもあるが、特養の整備を検討するのも一 つの考え方と思う。 O構成員:在宅生活の中では食生活も大事である。今般の制度改正では特養の 社会貢献を求める方向があり、配食サービスも更に充実されると考えており、 多職種連携の中に「栄養士」も記載してはどうか。 P構成員:老人福祉計画の「老人」の表現や、計画の対象は 65 才以上か、もっ と広い年齢かなど整理が必要と思う。 今般の法改正で要支援1・2の人は、訪問や通所の予防サービスの利用方法 が変わるが、もっとPRしないと混乱する。また、予防給付の間は地域包括支 援センターが担当で、要介護状態になるとケアマネジャーが担当となるため、 ケアマネジャーに途切れないで見て貰えるようなワンストップのシステムを 考えてほしい。 Q構成員:保険料に加え公費も多額に投入されており、ケアプランの点検がポ イントだと思う。また、認知症で後見を付けるようになる前に、本人の意思 表示をして貰っておく点検項目のような一覧表があればと思う。 4
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