「2014年 三重県の気象・地震10大ニュース」を掲載しました。

平成 26 年 12 月 24 日
津 地 方 気 象 台
地 方 気 象 台
2014 年
三重県の気象・地震 10 大ニュース
−大雨特別警報発表−
大雨特別警報を発表した 2014 年、津地方気象台が三重県の気象と地震に関する出来
事のトップテンを選びました。
1.大雨特別警報の発表(台風第 11 号)
台風第 11 号は、8 月 9 日から 10 日にかけて日本の南から四国の南へ進み、10 日 06
時過ぎに高知県安芸市付近に上陸しました。この台風の接近に伴い、北日本から西日本
に停滞していた前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだ影響により、8 月 9 日か
ら 10 日にかけて大雨となり、9 日 17 時 20 分に大雨特別警報が三重県で初めて発表にな
りました。8 月 9 日の日降水量は、白山で 435.5 ㎜、笠取山で 393.0 ㎜、亀山で 333.0
㎜を観測し、統計開始以来の極値を更新しました。降り始め(8 月 8 日 14 時)から 8 月
10 日 24 時までの総降水量は、宮川で 661.5 ㎜、白山で 518.0 ㎜となりました。
この大雨により、津市・松阪市を中心に床上浸水 48 棟、床下浸水 276 棟、道路損壊
108 か所、山がけ崩れ 43 か所などの被害か発生しました。
2.いなべ市と熊野市・御浜町の竜巻
7 月 10 日のいなべ市と 8 月 9 日の熊野市・御浜町で台風が関係する竜巻が発生しまし
た。三重県では 2011 年から 4 年連続して竜巻が発生しています。
台風第 8 号が宮崎市付近を東へ進んでいた 7 月 10 日 08 時 50 分頃、いなべ市員弁町
笠田新田で、被害範囲の長さ約 900m、幅約 100m、強さ F0 の竜巻が発生しました。こ
の竜巻により、住家一部損壊 6 棟、非住家一部損壊 5 棟の被害が発生しました。
台風第 11 号が種子島の南東海上を北へ進んでいた 8 月 9 日 06 時 00 分頃に熊野市・
御浜町で、被害範囲の長さ約 2.3 ㎞、幅約 200m、強さ F0 の竜巻が発生しました。この
竜巻により、住家半壊 1 棟、住家一部損壊 19 棟、非住家全壊 1 棟、非住家一部損壊 24
棟、ビニールハウス破損 4 棟などの被害が発生しました。
3.8 月の不順な天候
8 月は太平洋高気圧の本州付近への張り出しが弱く、日本付近は湿った気流の影響を
受けやすい状態が続きました。このため、日照時間はかなり少なく、桑名で 111.5 時間
(平年比 52%)、亀山で 96.5 時間(平年比 49%)、南伊勢で 102.0 時間(平年比 53%)
となり、統計開始以来の極値を更新しました。
また、台風第 12 号及び台風第 11 号が相次いで日本に接近、または上陸するとともに、
前線が日本付近に停滞し、日本付近への暖かく非常に湿った空気の流れ込みが継続しま
した。このため、月降水量はかなり多い地点が多く、白山では 868.5 ㎜(平年比 466%)
となり、統計開始以来の極値を更新しました。
4.10 月の相次ぐ台風の襲来(台風第 18 号・第 19 号)
10月6日に台風第18号、13日には台風第19号が本土に上陸しました。台風第18号は10
月6日06時には尾鷲市の東南東の海上を北東に進み、08時過ぎに静岡県浜松市付近に上
陸しました。台風第19号は10月13日22時には津市付近を東北東に進みました。
台風第18号により、負傷者1人、住家一部損壊7棟等の被害、台風第19号により、負傷
者2人、住家一部損壊2棟などの被害が発生しました。
10月は相次いで上陸した台風第18号と第19号の影響で、降水量のかなり多い地点が多
くなりました。県内のアメダス観測所の10月の降水量は尾鷲など5地点で平年値の2倍を
超え、10月の月降水量の多い方からの順位は、1位が紀伊長島(569.5㎜)、2位が白山
(359.0㎜)、鳥羽(477.0㎜)、熊野新鹿(529.5㎜)となりました。
5.2 月 14 日の大雪
2 月 14 日は日本の南岸を発達しながら通過した低気圧と寒気の影響で、県内は雪また
は雨となり、山沿いを中心に大雪となりました。津地方気象台では 10 時 14 分に中部の
津市と松阪市、および伊賀の名張市と伊賀市に大雪警報を発表し、12 時 28 分に中部の
多気町と明和町、伊勢志摩の全市町、および紀勢・東紀州の大台町、大紀町、紀北町に
大雪警報を発表しました。中部(現中部、伊賀)の大雪警報発表は 1995 年 12 月以来 19
年ぶり、南部(現紀勢・東紀州、伊勢志摩の一部)の大雪警報発表は記録の残っている
1962 年以降初めてでした。この大雪で津では最深積雪 13 ㎝(1889 年の統計開始以来年
間を通じて第 7 位の記録)を観測しました。
6.8 月 7 日の伊賀での短時間強雨
8 月 7 日は上空の寒気や南からの暖かく湿った空気の影響で、大気の状態が不安定と
なり、伊賀では雷を伴った大雨となり、上野で日最大 1 時間降水量 54.0 ㎜を観測しま
した。
この大雨のため、伊賀市で床上浸水 2 棟、床下浸水 68 棟、名張市で床下浸水 1 棟等
の被害が発生しました。
7.3 年連続の寒冬
2013/14 年の冬は、1 月下旬から 2 月はじめと終わりを除いては寒気に覆われること
が多く、津 6.1℃(平年差-0.1℃)、尾鷲 6.9℃(平年差-0.3℃)など冬の平均気温は低
くなり、3 年連続の寒冬となりました。
特に 12 月は西日本を中心に寒気が流れ込んだため、県内 12 地点の月平均気温は 5.0
∼8.1℃(平年差-1.1∼-0.3℃)を観測するなど低くなりました。
8.6 月 5∼6 日の紀勢・東紀州の大雨
6 月 5 日から 6 日は前線を伴った低気圧が本州南岸をゆっくりと東へ進んだため、紀
勢・東紀州を中心に大雨となり、尾鷲では 5 日に日最大 1 時間降水量 51.5mm、月最大
24 時間降水量 406.0mm を観測し、6 月の極値を更新しました。
この大雨のため、山がけ崩れによる道路損壊 1 か所、林道被害 1 か所などの被害が発
生しました。
9.4 月 29∼30 日の大雨
4 月 29 日から 30 日は、低気圧や前線が西日本から東日本にかけてゆっくり東進し、
南から湿った空気が流れこんだため南部を中心に大雨となり、28 日から 30 日の総降水
量は尾鷲で 319.0 ㎜、熊野新鹿で 299.5 ㎜を観測しました。月最大 24 時間降水量は、
四日市 152.5 ㎜、桑名 117.0 ㎜、藤坂峠 198.0 ㎜、熊野新鹿 270.5 ㎜を観測して、4 月
の極値を更新しました。
10.5 月の多照
5 月は月を通して本州付近が高気圧に覆われることが多かったため、記録的な多照と
なりました。月間日照時間は、234.3∼267.1 時間(平年比 131∼153%)となり、アメ
ダス観測所 12 地点中 7 地点で 5 月の日照時間の多い方からの1位を更新しました。
※地震に関する出来事はトップテンに入りませんでした。
注)被害は三重県の資料によります。