稲作情報 No.1

2014(H26).4.4
秋田地域振興局 農林部 農業振興普及課
稲作情報
No.1
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苗半作、健苗育成は良食味米生産の第一歩
1.気象経過と予報
- 1~3月の状況 -
平成26年に入ってからの気温はほぼ平年並に推移しています。
○ 1月平均気温: 0.0 ℃(平年比 -0.1 ℃)
○ 2月平均気温:-0.1 ℃(平年比 -0.6 ℃)
○ 3月平均気温: 3.9 ℃(平年比
0.3 ℃)【アメダス秋田データ】
3月27日に仙台管区気象台が発表した、東北地方の1ヶ月予報(3月29日
~4月28日)によると、天気は数日の周期で変わりやすいものの、気温は平年
並から高く推移していくことが予想されています。
2.育苗管理
-温度管理と水管理-
中苗のベタ張り除去の目安は、
出 芽 長 5 mmで す 。 も み 枯 細 菌 病 対
策のため、出芽後の再被覆は行わ
ないよう注意が必要です。
播 種 後 10日 間 の 温 度 管 理 は 、 そ
の後の生育や苗質に大きく影響し
ます。高温で経過すると、軟弱徒
長苗となります。急激な温度変化
は、病害(特にムレ苗)や生育障
害の原因となるので、苗の葉数にあった適正な温度管理に努めましょう。
早朝は寒くても、晴れの日のハウス内はすぐに高温になりますので、苗の
すぐ上に温度計を設置して、急激な温度変化には十分注意しましょう。
通気管理は1葉期頃から実施し、ハウス内温度は20~25℃を目標とします。
移植の1週間前からは夜間もハウスを開放して外気にならします。ただし、
極端な低温が予想されるときは、ハウスの裾を閉めて苗を保護してください。
かん水は、「朝に1回たっぷりと行うこと」が基本です。1回のかん水量
が少ないと、育苗箱の端が乾き易くなり、縁苗の発生を助長します。そのた
め、苗がカマボコ状になり、かん水時、水が周辺にこぼれやすくなるといっ
た悪循環を招くことになりますので、適切なかん水作業に心がけましょう。
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3.いもち病をシャットアウト!
-苗いもち防除は必ず実施-
葉いもち多発の主な原因は、育苗期間中にいもち病に感染・発病した苗を
気づかずに移植しまう(持ち込み)ことです。
そのため、耕種的防除と、農薬(ベンレート水和剤、ビームゾル、嵐プリ
ンス箱粒剤6(10~15g/箱)、Dr.オリゼプリンスエース粒剤のいずれか)を
組み合わせた育苗期防除を必ず実施してください。
なお、いもち病対象の箱施用剤であっても、育苗期間の防除効果は期待で
きない農薬もありますので注意してください。
★ いもち病の感染を防ぐための耕種的防除
稲わらや籾殻にはいもち病菌が付着している場合がありますので、育苗
施設内や周辺には、それらをおかないようにしましょう。
また、育苗ハウス内で野菜の苗などを置いている場合も、稲わらでの保
温や床土への籾殻使用は避けてください。
4.苗立枯病防除は適切に
苗立枯病は発病してからでは手遅れとなるケースが多いので、床土や播種
時にタチガレエース剤を使用しなかった場合は、出芽後にかん注します。
特に、被害が多いリゾープス菌による苗立枯病は、発病後の薬剤はありま
せんので、ハウス内が高温にならないよう注意しましょう。
発芽後に使用する苗立枯病の防除薬剤
薬剤名
希釈倍数
タチガレエースM液剤
500倍
バリダシン液剤5
1000倍
散布量
対象となる苗立枯病
500ml/箱
備考
ピシウム菌、フザリウム菌
発病前に使用する
リゾクトニア菌、白絹病菌
発病初期に使用する
5.追肥で苗の活力維持と活着促進
育苗ロング肥料を使用しなかった場合は、追肥が必要となります。追肥時
期は、稚苗は1.5葉期、中苗では2葉期と3葉期です。葉の肥料ヤケを防ぐ
ため、追肥後はかん水して洗い流します。
次号は、4月25日頃に発行予定→ 「秋田
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