新年の挨拶 新年明けましておめでとうございます。 一年を振り返ると毎年のように国内各地で自然災害のことが思い出されます。 被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。 昨年は日本とミャンマーが外交関係を樹立してから、60周年の年でした。 両国首脳は、ミャンマー国民生活向上の為と経済発展の為、日本としての支援 協力に同意し更に、この60周年に当たり、両国間の人的交流・文化交流を強 化していくことで意見の一致を見ました。 私もこの記念すべき年に思いをはせ両国の絆を振り返り、更に決意を新たにし た年でもありました。 昨年も私は訪問のたびに、大統領、連邦議会の議長、国軍最高司令官、主要大 臣はじめ日本とミャンマーに欠かせない友人や企業の皆様とお会いして意見交 換し、日本ミャンマー協会会長としてできることは全力で取り組んで参りまし た。 会員企業の皆様のお蔭を持ちまして協会の活動については昨年も会員皆様のご 期待に応じて順調に活動ができました。 ティラワ経済発展特区においては、推進事業体である 「Myanmar-Japan Thilawa Development Ltd」による販売活動も順調で、拡張計 画も同意され、そのためのODAも順調に進んでおり、今年の開業に向け前進し ておりますことは誠に慶しいことであります。 また、協会が企画・推進してきた人材育成分野では、JICAを中心として日本の 国立6大学(長崎、熊本、岡山、新潟、金沢、千葉)による具体的な協力(工学 部支援)が順調に実行されております。今年はその6大学の医学部のご協力とご 努力により、ミャンマー医療全般に亘る人材育成支援の具体策が当協会のアド バイスのもとに進んでおり、日本政府の推進する医療分野のワンパッケージの 海外援助の企画モデルの一翼を担ってゆく事に期待されております。 また、ミャンマー政府各省の若手育成教育に関しては、JICA、日本財団からご 支援を得て国際大学への留学が実施され大きな成果が見られております。 こうしたプログラムが少しづつ実現することで、各分野での官民一体の信頼醸 成を進めております。 更に中小企業の進出においてはミッションの派遣、日本とミャンマー企業同士 のマッチング事業も具体的に成果が出ておりますことは皆様のご協力、ご努力 の賜物で心より御礼申し上げます(中小企業基盤整備機構、JETROと共催でマ ッチング事業を10月にヤンゴンで行いました)。 こうした中、昨年9月にはミャンマー国軍最高司令官とそのご一行の初来日が実 現し、その他主要な大臣等、重要人物が相次いで訪日され、関係のある協会の 皆様との懇親を深める機会への期待にもお応えしてきました。 全ての活動を申し上げるのはここでは割愛させていただきますが、昨年の ASEAN首脳会議という大規模な国際会議をASEAN議長国として立派に任を果 たし、ASEANあるいは国際社会の重要な一員と各国から認められたという意味 で大統領の指導力は勿論のこと民主主義国ミャンマーのスタートとして大きな 意義があったと確信いたしております。 テインセイン大統領をはじめミャンマー政府の労をねぎらいたいと思います。 こればかりでなく、日本の各省庁からの個別の支援や日本とミャンマーの民間 企業同士あるいは企業単独でのミャンマーへの支援・投資も盛んになりました。 日系企業の現地登録数は約200社になっております。 こうした中、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行に銀行免許が交付さ れました(全部で9行の外国銀行に交付。日本としては最多。)。 私も3行すべての認可が日本企業の進出には欠かせない条件だとテインセイン 大統領に直接その意義を訴え、同時にミャンマー政府・連邦議会議長・議会幹 部に働きかけ官民一体のセールスが功を制した結果だと喜んでおります。 また、私の同志である日本財団笹川会長(「ミャンマー国民和解に関し関係国 政府等と交渉するための日本政府代表」)は日本政府の代表としてミャンマー 政府と少数民族との和解を目指して活動されており引き続き大きな成果を上げ ておられます。今年からは更にこの活動が具体的かつ活発になるように期待さ れているところで世界からも大いに注目されておるところであります。 また、日本の支援が形となって表れて来る年だと確信しています。そして日本 政府も更に新しい協力支援策を出さなくてはなりません。このように、大幅に 両国関係も深く活発になる中で、当協会の事業もそれに合わせて活動を集中し て進めて行きたいと思います。 2015年はミヤンマーに取って、テインセイン政権後初の国会議員選挙が行われ る、節目の年であります。テインセイン大統領のもと進められてきた、民主化・ 改革等の施策は、国際社会からも一定の評価を受け、外資による直接投資の増 加等にも支えられた好調な経済成長等から、文字通り、「アジアの最後のフロ ンテアー」とし更に注目されて居ます。 この様な環境を踏まえ、協会として果たすべき役割は、ミヤンマーの更なる民 主化の実現と経済発展・内政の安定 に向けた支援を継続して行く事だと考え ています。 この様な基本認識に基づき、協会としては、以下を重点的に取り組んで行きま す。 ★協会発足当初は、日本とミヤンマーとの人的交流は極めて限定的でした。然 し、昨今は状況が大きく変わり、色々なチャネルでの交流が行われて来ており ます。従って、協会としては、交流事業については、官民での交流で埋没して いる、或いは、目の届かない分野などを中心とするような交流事業を実施して 行く所存です。 ★協会発足当初から、ティラワ開発に関する取り組みに大きな労度を掛けてき ましたが、順調に開発が進んで来ていた事から、26年度は、ミヤンマーの社会 開発支援-とくにハードからソフトー(人材の育成事業を含む)への支援に重 点を置いた取り組みを行って来ましたが、27年度も、この路線を継続して、ミ ヤンマーの将来を担う様な、産業人材含め、幅広い人材の育成事業に注力して 行きたいと考えています。 ★25、26年度に実施した、中小企業支援事業は、大きな成果を得て、JETRO, 中小企業庁等との共同事業の方向性、取り組み方、に一つの形が出来て来まし た。この成果を受けて、27年度は、この中小企業支援を大きな柱の一つとし て取り組んで行きたいと考えます。情報の少ない中小企業、人的ネットワーク の無い中小企業が大部分ですが、大企業のミャンマー投資が進みつつある中、 これを支える中小企業のプレゼンス無くしては、ミヤンマーの経済発展は限定 的な物に成らざるを得ないと言う、問題認識を協会は持って居り、そう言った 意味で、重点的に取り組んで行きたいと考えています。 ★お陰様で当日本ミャンマー協会は150を超える企業が会員に成って頂いて おります。協会は社団法人ですから、会員企業のご支援で成り立っております。 この、会員企業の皆様に如何にお役にたつか、或いは立てるかを考えるとき、 協会としては、会員サービスの重要な機能は、ミヤンマーについての情報を如 何に早く、また、正確にお伝えする事が重要だとの認識の基、情報の発信には、 従前にまして、情報の発信に注力する事を重点方針としたいと考えます。この、 情報の発信は、ただ単に、会員企業のお役にたつだけでは無く、協会のウエブ サイトを通じた情報発信が、日本・ミヤンマーの相互理解に寄与し、また、そ の結果として新しい会員企業の参加にも通じるものだと思っております。 以上、皆様にとって使い勝手の良いそして喜ばれる協会になるように一層努力 することをお誓い申し上げます。 皆様の今年一年のご健勝とご発展をお祈り申し上げながら合わせて当協会への 変わらぬご理解ご厚情に感謝申し上げ新年のご挨拶を申し上げます。 日本ミャンマー協会 会長 渡邉秀央
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