経済産業行政について, そして,建材試験センターへの期待 経済産業省住宅産業窯業建材課長 寺家 克昌 安倍内閣が発足して 2 年が経ちました。アベノミクスの「 三本の矢 」の経済政 策により,有効求人倍率は 22 年ぶりの高水準となるほか,経常利益は過去最高 水準となるなど,雇用や企業収益を中心に,経済の好循環が生まれ始めていま す。一方で,将来的には,人口減少・少子高齢化の進展に伴う国内需要の影響等, 今後大きく社会構造が変化していくことが予想されます。 こうした中,例えば,住宅関連産業における今後の発展を考えれば,新築だけ ではなく既築住宅市場の活性化が必要不可欠になってくると考えられます。経済 産業省では, 「 先進的なリフォーム事業者表彰」を始めるなど,リフォーム事業の 活性化に向けた施策を講じ,住宅・建材産業全体の活性化を図りたいと考えて います。 また,対応を迫られている大きな課題として省エネルギーや地球温暖化対策が 挙げられます。中でも,住宅・建築物等の民生部門での対策のより一層の強化も 重要な位置付けとなっており,これに寄与する省エネ性能の高い建材を普及させ ていくことが必要となります。新築住宅においては 2020 年までの省エネ基準適 合義務化が控えておりますし,経済産業省におきましても,エネルギー使用の合 理化等に関する法律に基づく建材トップランナー制度を創設しました。その中で, 断熱材,サッシ,ガラスを新たな対象とするなどの施策を講じ,より高機能・高品 質な建材の開発・普及を促進し,省エネルギー化を図るとともに市場の成長につ なげたいと考えております。 こうした高機能建材ニーズの高まりの中においては,第三者試験機関による試 験・評価や各種標準化などの要請がますます大きくなっていくことは疑いありま せん。貴センターにおかれましては,このような社会の変化や技術動向の進展に 柔軟に対応しつつ,確固とした技術力を有する信頼される試験センターとして,今 後の建材業界の発展に貢献し続けていかれることを強く期待している次第です。 今後ますますの御発展を遂げられるよう心から祈念しております。 建材試験センター 建材試験情報 3 ’ 15 1
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