特別区専門択一 講評

平成 28 年度 特別区Ⅰ類本試験(専門試験) 講評
№
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45
※
科目
出題内容
正解
正答率※
講評
5
A 【憲法】
各分野の出題数は,3年連続人権2問,統治3問だった。№1(職業選択の自由)
,№2(表現の自由)は,いずれも
表現の自由
1
A 基本判例からの出題であり,正答は比較的容易である。№3(内閣・内閣総理大臣),№5(国会)は,いずれも基本
内閣・内閣総理大臣
4
A 的な条文・判例を問う問題であり,細かい肢もあるがそれほど難しくないので確実に正解したい。№4(憲法改正)は,
若干の学説と,憲法改正原案の発議をするに際し要求される憲法改正国民投票法 68 条の2の知識を問う記述があり,
憲法改正
4
A やや細かい感がある。しかし,96 条の知識があれば消去法で正答に至る。全体として,解きやすい問題であったと思わ
国会
3
C れる。
【行政法】
行政法
行政計画
4
A №6は行政計画というマイナーな分野からの出題であるが,土地区画整理事業計画の決定が行政庁の処分にあたるとし
行政行為の附款
5
A た有名判例が正解肢なので正解率は高い。№7は行政行為の附款に関する定型的な知識があれば容易に正答できる問題
である。№8は行政手続法の不利益処分に関する条文の単純知識を問うている。この問題は行政法5問のうちもっとも
不利益処分(行政手続法)
2
A 容易であり確実に正答したい。№9は行政事件訴訟法上の「行政事件訴訟」そのものをテーマにする問題であるが,判
行政事件訴訟
2
A 例の知識を問うわけではなく,たんに条文知識だけで正答できる。№10 は国家賠償法の主要判例の理解が問われており,
一見すると難解な問題といえなくもないが,4条の「民法」にいわゆる失火責任法が含まれること,求償関係における
国家賠償法
4
B 最終負担者は誰か,3条2項の「責任ある者」の意義に関する判例を知っていれば,消去法で正答できる。全体として
民法①
無効・取消し
5
A 容易な感があり,受験生としては十分な手応えを感じたのではないかと思う。
【民法①】
[総則・物権]
代理
2
A 各分野の出題数は,例年同様,総則2問,物権3問だった。各問題を概観すると,№12(代理),№13(不動産物権変
不動産物権変動
1
A 動),№15(抵当権)は,基本的な条文・判例の知識を問う問題であり,それほど難しくないので確実に正解したい。
№11(無効・取消し)は,細かい知識も問われているが,正解肢は過去問でも頻出の知識を問うものなので,これも正
地上権
5
A 解しておきたい。№14(地上権)は,マイナーな分野からの出題であるが,民法は毎年1~2問マイナーな分野(相隣
抵当権
5
A 関係,地役権,先取特権,根抵当権,特別養子縁組など)から出題されるのが恒例となっている。もっとも,このよう
な問題の対策にあまり時間をかける必要はなく,頻出分野の問題を確実に解けるようにしておけば十分である。
民法②
弁済
4
C 【民法②】
[債権・親族・相続]
連帯債務
5
B 各分野の出題数は,例年同様,債権総論2問,債権各論2問,家族法1問だった。各問題を概観すると,№17(連帯債
務)は,基本的な条文・判例の知識を問う問題であり,それほど難しくないので確実に正解したい。№18(契約の解除)
,
契約の解除
3
B №19(賃貸借)は,細かい知識も問われているが,正解肢は過去問でも頻出の知識を問うものなので,これも正解して
賃貸借
5
B おきたい。これに対して,№16(弁済),№20(婚姻)は,他の試験種では出題されたことのない知識(475 条〔他人の
物の引渡し〕
・482 条〔代物弁済〕
・487 条〔債権証書の返還請求〕に関する学説,外国にいる日本人間の婚姻〔741 条〕
,
婚姻
4
C
詐欺・強迫による婚姻の取消権の消滅〔747 条2項〕など)も問われているので,かなり難しい。全体的にみれば,民
ミクロ
ゲーム論
4
A 法①よりも難易度が高いといえる。
経済学
【ミクロ経済学】
費用関数
3
A
№21 はゲーム論で直近では平成 21 年度以来の出題となったが,ナッシュ均衡や支配戦略均衡の導出など内容は標準的
ラーナーの独占度
2
A である。№22 は費用関数に関するグラフの読み取りの問題で,損益分岐点や操業停止点をはじめ基本的な内容である。
№23 はラーナーの独占度に関する問題であり,
限界費用曲線の導出が出来れば公式に照らして検討する基本的な内容で
従価税
3
A
ある。№24 は従価税に関する標準的な問題で,従価税賦課後の状況を,従量税を賦課する場合との違いにも留意して検
国際貿易理論
3
C 討することが求められる。№25 は国際貿易理論に関する学説を問う問題で,しっかり学習していれば得点可能な問題で
ある。
マクロ
デフレ・ギャップ
1
B
【マクロ経済学】
経済学
貨幣・債券
3
C №26 は 45 度線分析のもとでデフレ・ギャップの解消に必要な政府支出の増加分を求める基本的な問題である。№27 は
貨幣や債券について問う内容で,一部の問題肢がやや難しいが地道に学習をしていれば得点は可能である。№28 は消費
消費関数
2
A
関数に関する代表的な学説を問う問題で,いずれも典型的な内容である。№29 はIAD-IAS分析に関する計算問題
IAD-IAS 分析
1
B で,難易度は高めである。長期均衡での条件をふまえつつ(t+1)期におけるインフレ需要曲線及びインフレ供給曲
線の関係式を適切に立てられれば解答可能である。№30 は産業連関表に関する問題で,直近では平成 23 年度以来の出
産業連関表
4
A
題となった。難易度は平成 23 年度よりもやや難で,投入係数を用いて最終需要の増加が農業や工業の総産出額に与え
財政学
我が国の予算制度
4
C る影響について関係式を適切に立てられるかどうかが鍵となる。
我が国の税財政改革
2
B 【財政学】
№31 は我が国の予算制度に関する問題で,いずれの選択肢ともやや細かな内容を問う難易度は高めの問題である。№32
我が国の租税制度
5
C は我が国の税財政改革に関する問題で,いわゆる三位一体改革の内容を問うものであり標準的な内容である。№33 は我
政府支出乗数
4
C が国の租税制度に関する問題で,国税や地方税の中でも主要な税の仕組みを詳細に問う難易度が高い問題である。№34
は政府支出乗数の値を求める計算問題であるが,政府支出乗数を定式化した上で,均衡財政の条件を的確に用いて政府
ドイツ正統派財政学
3
C 支出乗数の値を導出することが求められる標準的な内容である。№35 は財政学の中でも古典的な学説の1つであるドイ
経営学
科学的管理法
5
B ツ正統派財政学の内容を問う問題であるが,経費論の代表的なものの1つであるワグナーの経費膨張の法則は見当がつ
くが,それ以外に問われている内容はあまりなじみのないものも多く,難易度が高めであった。
企業の組織形態
2
A 【経営学】
ドラッカー
3
A 全体としては標準レベルの内容であった。№38 の『現代の経営』がドラッカーの著書であるという点は少々難しかった
かもしれないが、それ以外の問題は、テキストに記載されているものがほとんどであり、十分に正解できるものである。
人的資源管理
1
A 各選択肢の記述は若干長くなっているように思われるが、少なくとも正解肢を選ぶこと自体は決して難しくはない。そ
会社法と株式会社
5
B の意味では、かなり高い正答率を期待したい。
【政治学】
政治学
政治権力
3
C №41「政治権力」は「人物と主なキーワード」を問う特別区らしい問題である。消去法を用いれば,肢3にたどり着く
各国の政治制度
2
A ことができただろう。№42「各国の政治制度」はサービス問題といっていい。これを間違えると致命的である。№43「マ
ス・コミュニケーションの効果」は今年の出題が大いに予想できたテーマである。肢1の内容がノエル=ノイマンの「沈
アイエンガー
1
A 黙の螺旋」理論そのものなので,間違えることはないと思うが,肢2のマコームズとショーの正誤の判断に迷った受験
マキャヴェリとボダン
2
A 生もいたのではないだろうか。№44「マキャヴェリ又はボダン」および№45「リンスの権威主義体制論」は出題予想が
難しいテーマであるので,何とか1問を正解したいところである。結果的に5問中4問が「人物に関する問題」となり,
リンスの権威主義体制論
2
A 特別区攻略のためにはこの分野を重点的に点検しなければならないことが再確認された。
正答率(A:60%以上,B:40%以上60%未満,C:40%未満)は,LEC公務員試験 受験生応援企画『本試験無料成績診断』のデータ( 6/9 11:30 時点)に基づいて算出して
憲法
職業選択の自由
います。本成績診断のご利用方法等の詳細は,LEC公務員Web サイトの専用ページ(http://www.lec-jp.com/koumuin/juken/seiseki/)にてご案内しています。
公務員試験対策
複写・頒布を禁じます
№
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※
科目
出題内容
正解
正答率※
講評
1
C 【行政学】
№46「稟議制」は特別区での出題は珍しいが,持ち回り決裁型の事例が法令案の決定等重要事項であることを押さえて
我が国又はアメリカの公務員制度
1
A いれば組合せで対応できた。№47「公務員制度」は傾向通り。№48「アリソン」は初めての出題だが,Bまでで1か3
アリソンの3つのモデル
1
A に絞れる。Cは文章に「組織」というヒントがあり,サービス問題と言えよう。№49「福祉国家」は教養の社会科学レ
ベルでサービス問題。№50「我が国の地方自治」は昨年に続いて出題されたため,新傾向といえるかもしれない。肢1
福祉国家
4
A か2で迷ったのではないか。広域連合が組合の一種であることを知っていれば対応できただろう。№50 以外は正解した
我が国の地方自治
2
A いところである。
【社会学】
社会学
家族
1
A 特別区は毎回,オーソドックスな諸学説を取り上げ,かつ的確なところを問うてくる。今回もそのようなものであった
スペンサーの社会変動論
4
A といえるだろう。№54「文化」は,肢の中にクローバーとクラックホーンの文化の定義が問われるなど,やや難しかった
が,正解は他の肢なので,彼らの理論を知らなくても解けたはずである。逆に№55「社会関係資本」では,社会関係資
アノミー
3
B 本(ソーシャル・キャピタル)がアメリカの政治学者R.パットナムの重要な概念だが,彼が(主著の一つの『哲学す
文化
2
A る民主主義』で)この概念を論じたのがイタリアの地方政府の分析を通じてであったことを知っていた人は少なかった
かもしれない。なお『孤独なボウリング』はアメリカのコミュニティを論じたものである。全体の難易度としては,き
社会関係資本
4
B ちんと勉強していれば4問は確実に取れるので,A[易問]であったといえる。
正答率(A:60%以上,B:40%以上60%未満,C:40%未満)は,LEC公務員試験 受験生応援企画『本試験無料成績診断』のデータ( 6/9 11:30 時点)に基づいて算出して
行政学
我が国の意思決定方式
います。本成績診断のご利用方法等の詳細は,LEC公務員Web サイトの専用ページ(http://www.lec-jp.com/koumuin/juken/seiseki/)にてご案内しています。
公務員試験対策
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