年頭のご挨拶 - 秋田県経営者協会

年頭のご挨拶
一般社団法人 秋田県経営者協会
会 長 藤 原 清 悦
月末の有効求人倍率は0.93と一昨年同時期の
0.76から大きく改善され22年ぶりの高水準にな
りました。また、今年3月新規高校卒業者の県
内就職内定率は昨年10月末で73.4%(前年同期
比+9.2%)となっております。ただ、総選挙
新年明けましておめでとうございます。
後に行われた政府と経済界、労働団体の代表ら
皆様には、お健やかに新春をお迎えのことと
を集めた「政労使会議」では今春闘に向けて賃
お慶び申し上げます。
上げの協力方針を打ち出しており、地方の中小
企業にとっては景気回復の波が十分届かない中
昨年末にはアベノミクスの是非を問う解散総
での賃上げは大変厳しいものと予想されます。
選挙がありましたが、信任を得たとはいえ自公
政権には課題が山積しております。三本の矢と
雇用労働関連では、安倍政権が成長戦略に掲
いわれる「大胆な金融政策」、「機動的な財政
げる規制緩和に向けて動きが加速すると見られ
政策」とともに期待される「成長戦略」です
ます。働いた時間ではなく成果で評価する「ホ
が、中央の景気が地方に及ばない現状では実効
ワイトカラー・エグゼンプション」の導入に関
ある施策は喫緊の課題であります。
しては年明け早々審議され、政府は今年の通常
国会で法改正をする方針と聞いております。ま
昨年の国内経済は大幅な金融緩和による円安
た、派遣労働者の受け入れ期間制限をなくす労
基調が続き、特に輸出大手企業を中心に業績は
働者派遣法改正案は衆院解散で廃案となりまし
好調に推移し株価も順調に回復しました。しか
たが再提出される見通しとなっております。
し、7-9月の実質国内総生産・GDPが上方
修正されると予想された速報値は、中小企業の
まさに、地方経済再生と雇用の創出・拡大に
数字が発表されるとマイナス幅が一層広がる結
は成長戦略の着実な実行が求められるところで
果となりました。大胆な金融緩和が生んだ円安
あり、1月の通常国会審議にかかる補正予算に
は調達コストの増加、諸物価の値上がりとな
続き、平成27年度当初予算で5兆円が見込まれ
り、加えて増税に伴う反動減は個人消費の低迷
る「地方創生」や「成長戦略」を後押しする経
に繋がっております。さらに年末にかけては株
済対策への期待には大きいものがあります。
価の跛行状態が続くなど、景気の先行きに対す
我々経営者にとりましては厳しく、難しいか
る不透明感から企業経営者の慎重姿勢には根強
じ取りが続きますが、景気回復が地方にも波及
いものがあります。こうした中で、本年は企業
するよう今後も不断の経営努力が求められると
が業績を伸ばし賃金を上げられる成長戦略と財
思われます。
政再建の両立がさらに問われることになりそう
です。
最後になりましたが、会員各位のますますの
ご発展を心からご祈念申し上げますとともに、
他方、県内企業におきましては、12月日銀短
当協会の事業運営により一層ご支援、ご協力を
観発表のとおり業績は企業間で濃淡はあるもの
賜りますようお願いを申し上げまして、新年の
の「緩やかな回復」を続けております。昨年10
ご挨拶といたします。