平成27年度・年頭ご挨拶

年頭のご挨拶
一般社団法人日本電気工事士協会
会長 牧野 光洋
新年明けましておめでとうございます。
平成 27 年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
会員各位を始め関係各位におかれましては、
“ひつじ年”の中いつにも増して穏やか
な新年をお迎えになられたこととお慶び申し上げます。
当協会の事業運営に際しましては、皆様には日頃から惜しみないご支援・ご協力を
賜りまして厚く御礼を申し上げます。
昨年の国内の景気動向を振り返りますと、一昨年から続くアベノミクス効果も消費
税引き上げ以降は期待通りの結果に結び付かず、ご承知のように昨年 10 月発表のGD
Pが予想をかなり下回る数値となりました。勿論その要因は、駆け込み需要の反動に
もありますが、景気持ち直し感による確かな個人消費の伸びに繋げるためには、賃金
の上昇が中小零細企業の隅々までに行きわたる必要があり、現時点ではもう少し時間
がかかるものと思われます。
明るさと活力を取り戻しつつある中、日銀による金融緩和政策等によるテコ入れと
同時に、一刻も早く安定した成長が実感できる年となるよう、第3の矢である成長戦
略に期待するところであります。
一方、我が国では、昨年は相次ぐ大型台風の襲来と集中豪雨による土砂災害、今も
記憶に新しい木曽御嶽山の噴火に続いて 11 月には長野県小谷村を震源とする震度 6
弱の地震にも襲われました。東日本大震災以来、今後もますます想定外の大規模自然
災害の発生が予測されております。近年、世界各地でも集中豪雨による洪水・森林火
災・寒波大雪等の大災害が頻発しており、こうした異常気象の続発は、地球規模での
温暖化傾向が起因するといわれて久しいものがあります。自然災害は、人々の生活基
盤を破壊するだけでなく、持ち直し掛けている国内外の景気の落ち込みにも繋がりか
ねません。こうした意味でも、災害防止対策の見直し強化策が叫ばれる中、その要の
一つには、如何にして安定した電気エネルギーを供給するかという視点がやはり欠か
せないものとなってきます。そう考えると、我々業界人に課された使命にも、相当大
きなものがあることを感ぜずにはいられません。
1
年頭のご挨拶
さて、既にご承知のように、2016 年からは電力システムの自由化がいよいよ現実の
ものとなりつつあります。また、スマートシティー構想やスマートコミュニティーシ
ステム導入計画も徐々に動き出しております。こうした動きは、太陽光発電に代表さ
れる安全でクリーンな再生可能エネルギーの活用に向け今後ますます拍車がかかるも
のと思われます。最近は、風力発電システムにも更に技術開発が進み、再び注目を集
め始めているとも聞き及んでおります。
当然ながら、こうしたエネルギーを効率良く低コストにて提供するための器具とし
て、各メーカーサイドもLED照明に代表される様々な新しい器具や設備を開発し、
一般家庭を始め様々な産業市場にも積極的に送り出しております。
こうした新たなエネルギー施策の進展は、我々業界における電気工事士にとっても、
ますます高度化する技術進歩に対応した高度な知識と技能が求められているものであ
り、従来の技法に基づく熟練者であることは元より、日々変化に対応できる人材であ
ることが新時代の電工としての必須要件となりつつあります。
当協会といたしましては、こうした状況を踏まえ、 昨年は“かみす洋上風力発電所”
を見学いたしました。また、ここ2・3年増加傾向にあると言われる電気工事事故(施
工不良およびヒューマンエラーに起因する事故)に対応して、高圧ケーブル工事技能
およびUGS工事技能認定講習会、そして職長および安全衛生責任者特別教育にも力
を入れてまいりました。今年も、一人ひとりの技術の向上を図りつつ、併せて常に基
本を大切に安全・安心な電気工事施工を行う人材の輩出に努めてまいります。
当協会は、お陰様をもちまして今年6月をもって創立満 50 周年を迎えることになり
ます。これも、会員各位を始め関係官庁ならびに関係諸団体・各社のご支援・ご指導
があったればこそと心から厚く感謝御礼申し上る次第でございます。
最後になりますが、当協会では、更なる経費節減ならびに業務の効率化に向けて昨
年 12 月に本部事務所を港区新橋に移転いたしました。
今後とも、これまでにも増してご指導・ご鞭撻を賜りますよう伏してお願い申し上
げます。
今年一年、皆様のご多幸とますますのご発展・ご健勝を祈念いたしまして、新年の
ご挨拶とさせて頂きます。
以 上
2