Title レビュー・アーティクル 自由貿易思想の歴史 Author(s) - HERMES-IR

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レビュー・アーティクル 自由貿易思想の歴史
小島, 清
世界経済評論, 41(9): 64-69
1997-09
Journal Article
Text Version publisher
URL
http://hdl.handle.net/10086/16745
Right
Hitotsubashi University Repository
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見主義 に関す る
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なる時宜 を 得 た 有 用 検討し てみた い。
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学院ウイ ン (
シカゴ大学 ビジネ ス大
案 准教授) の本書 は、貿易政策立
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提供
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直結
歴史
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る十
コ四章 (
)書
から
請本
は成
二篇
プラ ス序 と結
る。
ンパクーな構成 であ
英国重商主義説
文献
第 五章
初期自由貿源
易流
第 二章
自由貿易思想 の誕生
自由貿易説 の
科米欧 では、広翰な国際経済学 の教
第三章
重農主義 と道徳哲学
アダ ム ・スミ スの自由貿
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第 一章
「
潮
流
がに世抗にし
問われ た。重商主義 の
一書
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易書 が流行 にな って いるが、国際貿
に の学説史'ま た貿易政策 に直接役
第四章
第序
一篇
誕 e)約 二百年前 に自由貿易主義 が
そ生し正論 とし て支配的 にな った。
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戦 の後' い- た の保護主義 による挑
でを圧し て、自由貿易主義 は今 日ま
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古典学 派 の自由貿易論
潮
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-1 レンスと交易条件
自由貿易説をめぐる論争
第 六章
第七章
第 二篇
ミルと幼稚産業論
学 名 誉 教 授)
金格差論
オー スー
支持論
ュー と賃
ラリア の保護
マノイ レスキ
第九章 グ レー ア ムと逓増収獲論
第 八章
第 一〇章
第二 章
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保生経済学
第二
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章 自
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ロ経済
護 の マク
へ
易論
第 1四章 戦略的学
貿易政策
結論
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成書 は このよう な自由貿易思想 の生
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易説
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本'最善 の政策 と信頼 され て いる。
世 ・発展 に ついて の学説史 であ る。
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世界経 済評論
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理由 から自由貿易を推奨し て いる の
- 精 微 化さ
れた比較優位 (或 いは比
較生産費) の理論 であ る (
第 六章)
。
仙企業者 と労働者 の自然的自由 に
国 が優位をも つ産品と交換すればよ
い (
七九 ペー ジ)
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my,)8)7)な ど に よ
細 に跡づけ て いる。頂点 に達 したと
言われるアダ ム ・スミ スが いかな る
か'また既往 の保護主 張 の誤-を い
かに批判し克服し て いる のかを検討
し て みよう。自 由 貿 易 説 の生 成 が
任 せればよ い。必ず や最も有利な
投資 ・雇用機会を選 ぶ。 「
見えざる
㈲保護 (
輸入関税、輸出補助金)
は特定 の部門 へ過大 に資源を集中 さ
保護 のため'輸入阻止、輸出拡大そ
して有利な貿易差額 が望まし いとす
る (
三三 ペー ジ)
。出 超 は貴金 属 の
流入をも たらす。 これが目 に見える
貿易利益 であ ると重商主義論者 は主
張す る。貴金 属 を 稼 ぐ こと よ -'
年 々の国民所得を増加させて い-坐
産力 こそ重要 であ ると自由貿易説 か
らは批判される。また貿易は双方的
いる (
本書 九 四 ペー ジ)
。食 糧 も 人
移転)
。 こう し て労働 と資本 の生 産
性を改善し、国 民 の厚生を高 める。
貿易 の動態的効果 に ついてはリカ
ァド オはより積極的な評価を与え て
いて の知識 の交換を促進す る (
技術
的利益 が生ず る。すなわちより精微
な生産方法 の分業を可能 にす る。新
生産方法や新し いビジネ ス経営 に つ
安-入手させると い-静態利益をも
たらす だけ でな い。 い- つか の動態
う。貿易は輸入品を国産す るよ-ち
アダ ム ・スミ スは重商主義 と違 っ
て (
本書 八〇 ペー ジ)次 のよう に言
両者をねらう 重商主義 は矛盾をはら
んで いる。
であ るから、輸 入削減を はかれば'
手」 によ って社会全体 の生産物 (
実
それだけ相手国 の自国 品購買力 が減
質所得)を増大 させる。自由貿易は
社会 の資源 の最善 の配分をも たらす。 り、自国 品 の輸出も縮小す ることに
なる。 それ故輸入阻止 と輸出拡大 の
か
「
穀物法」 の撤廃 (1八四六年) の
推進力 とな った。
スミ スの自由貿易論
ア ダ ム ・ス ミ ス の ﹃
国 富 論﹄
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私見を混じえ て要約す ると こう であ
る。
川 スミスは有名なピン製造 の例を
って-るが、分業は労働 の生産性
も
に
大規模生産 の分業 が可能 にな る (
本
書 八〇 ページ)
。
㈱自ら生産す るよりも外国 品 の方
十六世紀未 から十八世紀 にかけ て
蛾 烈 であ った英 国 重 商 主 義 (
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は (
第 三 章)
'国 内産業
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を大 いに高 める。
とができる。 ここにも スミ スの楽 観
倒 分業 は市場 の大きさに依存す る。 的予定調和論 が働 いて いる。
故 国内 での分業 だけ でな-外国 貿
易を行う 分業をも 進 めた方 がよ い。
重商主 義批 判
(
八二ペー ジ)
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S輸入増加 に伴 い排出 される雇 用
は必ずやよ-有利な部門 に転ず る こ
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に
)よ っ て 自 由 貿 易説
せる ので、社会全体 の能率を低 下さ
立 れ と いわれる (
第 五章)
。 せることになる。
それは 「
貿易政策 の経済学」 であ る。
㈲自由貿易 は他国 の政策とは独立
に 一方 的 に実 現 さ れ る べき であ る
.
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が いならば輸入した方 がよ い。自
間 (
労働力)再生産 のため の投入財
だと見 るならば、当時 の英国 の輸入
品は'食糧 や綿花、鉄鉱石と い った
中間財 が大部分 であ った。 この中間
財が自由貿易促進 によ って低廉豊富
に輸入 できれば'賃金を低位 にとど
めておく ことができ、利潤率 は逓減
傾向をまぬがれ、投資、生産、輸出
が拡大し'経済 は繁栄す ると いう の
であ る。
重商主義 のもう 一つの中心命題 は'
輸出'輸入 の商 品構成を重視す る点
にあ る。すなわち'加工製品 (
以下、
工業品とも言う) は高 い付加価値 と
多- の雇用を生 み出す。国内生産 と
輸出 はかかる加工完成 品を志向す べ
き であ る。 したが って賛沢な消費財
の輸入は好まし-な い。輸入は'リ
カ ァド オ命題を待 つま でもな-、原
るとし'農業 の保護'農産物輸入 の
阻止'農産物輸出 の振興を要望し て
出しな いよう にせよ。 これらが重商
主義 の主 張 であ る。
一 -● ▼
興味あ る ことに重農主義 は (
第四
章)
、農 業 こそ国 民経済 の基本 であ
め、加 工製 品 の輸入には高関税を課
す べし。原材料 は課税し て外国 へ流
..
材料、食糧な ど中間財 に限るべき 雪 も1
あ る。中間財輸入 には低関税 にとど
-6
5-
自由貿易説 が生成し確立し たかを詳
自由貿易思想の歴史 世界経済評論 9月号 (
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重要 と いう非 経済的例外考慮 から、
心を示し て いな い。国防 は富裕よ-
輸出 入 の商 品構成 に ついて殆 んど関
後発国 では保護育成 に値す ると い-
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農業 に較 べ何らか利点をも ってお-、 ミ ル (
た のであ ろう。し かし、 工業 の方 が
二 七七六年)ま でに十分な競争力
アダ ム ・スミ スの自由貿易説 では、 をも つま でに工業 は既 に成長し て い
と ころが、自由貿易 の唱導者 たる
段差 に、幼稚産業保護論 は関連し て
いる。
いる のであ る。
国防関連産業 の保静を認 めて いるだ
け であ る。十六 ∼十八世紀 の重商主
問題が、次瀞 で検討す るよう に、自
由 貿 易説 への留 保 条 件 q
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とし て'永 - 存 続してい
う に思 われる。
第九章 は、Fr
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業 は逆 に収穫逓減 であ るとしよう。
こう いう コントラ ス-があ るなら ば、
拡 大 に つれ 収 穫 逓 増 (
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外国 が或 る製造 工業 で優位をも って
いる のは、外国 はそれを早期 に着手
外 は幼稚産業保護論 であ るとした。
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義 支配 の時代 にはイギリ スの工業 は
遅れ て いた のが、 スミ ス ﹃
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当時プ リ ンス- ン大学) は主 張
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保 護 を し てよ いt とグ レー ア
の中 軸 にす るよう 永 続 的 (
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し でや って いけ るよう にな る (
本書
定投資 の困難 が克服されれば保護な
収穫逓増 の工業を自国 の生産と輸出
育成す る ことは必要 であ る。 それは
れな い。規模経済を実現す る初期固
新し い技術 と熟練を獲得 させること
したからか'熟練 や経験を他国よ先 に獲得したから にすぎな いかもし
第 二篇 では、自由貿易説を完全 に
工業優 先 保 護 論
は支持 できな い留保条件、すなわち
i二八 ペー ジ)
. こ のよう にミ ルは
言う。
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続的 か の違 いはあ るも のの'幼稚産
であ る。保護 が 一時的かそれとも永
論」 の立場 から'規模経済 の得られ
る産業を優先 しよう とし て いるわけ
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グ レー ア ムに対し多く の批判 があ
業保護論 と同 一の長期的動態的思考
の線上 にあ る。
ば市場競争 と両立 せず'独占 に陥 る
の内部経済 に基 づ-も のであ るなら
げられた。中心 は、逓減費 用が企業
した。 一時的保護 に限ると いう条件
自 身 この保護論を撤回しよう とさえ
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す る のであ る。彼 が 「
供給説貿易理
付 がよ い (ハミ ル- ン、本書 1二二
になる。 そ のためには 「
補助金」給
例外的 に保護を認めても良 いかも知
れな いケー スが いく つか (
ここでは
輸入可能財 がより安ノ
息 膚骨 入手
できるよう にを-消費厚生 が高ま る
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を つけ て、原則的支持を取下げなか
う に、 後 発 工 業
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化国で幼稚産 業保護
を生産す る力、 つまり資本財 と熟練
重要な のは、富そ のも のよりも、富
知識 のスピ ルオー バー、市場 の規模
ばならな い。技術進歩、規模経済、 .
から'支持 できな い。外部経蘭 に基
づ-産業 の長期的費用逓減 でなけれ
のよう にこの間題 に関説しな か った。 業保護論を全部放榔す る ことはでき
論 が叫ばれ、逆 に工業 で比較優位 に
立 ったイギリ スではアダ ム ・スミ ス
ない (
本書 一三七 ペー ジ) と著者 ア
った (
本書 二二〇 ペー ジ)
。幼 稚産
であ る。 (
- ス-、本書 二 一
四 ペー
たしかに工業化 の歴史的発展段階 の
ジ)
。 工業製 品 の輸 入 は阻 止 し、 こ
げられ る。長期的発展過程 にお いて
「
工業化優先論」 であ る。
第 八章 の 「
幼稚産業論」 が先 づ挙
に つき、 工業製品を自国生産 ・輸出
の主 軸 におく のが有利 であ ると いう
る理論的論争 が検討され て いる。 そ
のう ち の四 つは'輸出入 の商 品構成
八 つ)あるが'そう いう主張を めぐ
ペー ジ)
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三
9月号 (
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9
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の幼稚 工業 が輸出 できるよう に保護
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世界経済評論
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が農業 に-ら べい-た の利点をも っ
な ど の外部経済 にお いて、 工業 の方
た 「
国内 の賃金格差」問題 であ る。
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門 に適した労働力を増加す るとか の
促進す るとか、教育 によ って工業部
よ っては是正しえな い。労働移動を
て いるかもしれな い。
よる交易条件改善策 の先 限諭 にな っ
ルシ ョック のよう な資源 カ ルテ ルに
以上'四種 の保護、
王張'す なわち
て いることは否定 できな いよう に思
そ の意味 にお いて貿易面 での保護主
国内政策措置を発動 せねばならな い。
①幼稚産業諭、②逓増収穫産 業、③
農業部門 に-ら べ工業部門 では賃金
工業 の高賃金、 およ び④農業特化 の
率 が二倍 であ ると いった賃金格差 が
不利性t は共通 の論旨 を含 ん で いる。
われる。 そ の意味 でグ レーア ムの主
て望まし いと い- こと にな る (
本書
い- つかの条件 にお いて製造 工業 は
農業 (1次産業) に比 べ利点 をも っ
gdenL . て いるので、それを国内生産 と輸出
必要論を取上げ て いる (
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n#・A n の中軸 に据えるよう 必要 なら保護し
第 二 章 はオー スーラ=ア の保護
一七 一ページ)
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張は成立せず、自由貿易 は依然 とし
団」 であるためかであ る。投 入労働
によ る市 場 の失 敗 か' 「
無 競争集
量 で示した実質比較生産費表 にお い 「
あ るとしよう。 これは労働 移動困難
て この国 は農業 で比較優位をも つと
第 一〇章 では、賃金率と貿易 の関
が、高賃金 の先進国 の工業品を売 り
重商主義 の下 では'後発国 の低賃金
す る。自国 では賃金格差 (
工業 が二
連をめぐ る論争 が検討され て いる。
まかす脅威 であ ると論じられ た。 こ
てるよう になる 一時的保護 に限る べ
れは今 日 でも' アジア の低賃金、劣
き である。また保護 は関税 よ-も補
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・ 育成す べき であ るt と主 張す る ので
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あ る。保護なし でも対外競争 力 がも
助金 の方 が有効 であ ると い った議論
とす る。賃金格差を入れた価格的比
輸出特化す る国 では'逓 減収穫法則
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オース- ラリ
アの如き、 一 産品と- に農慮物 へ
も展開されて いる。
倍) があ るのに外国 ではそれ が無 い
較生産費差 は い っそう顕著なも のに
に支配される ので、地主 だけ が利益
で不 公正 (
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)貿易 であ ると非
な る。そ こでこの国 は自由貿易を開
を得 るが'雇用増加 は少-、賃金 は
悪労働条件、 人権無硯と い った理由
始し、農業輸出 に特化す ると'高付
の低価格輸出 が エコ ・ダ ンピ ング だ
(
さら に劣悪な公害防止措置 の下 で
ろう利益 (
輸入工業品 の入手量 の増
-'自由貿易 によ って得られる であ
る ことにな る。 この所得損失 は大き
陥 る。 かかる労働 に不利な所得 分配
伸長しよう とす れば交易条件悪化 に
引下げられる。人 口を増加し輸出を
有利 であり、後発国 は保護 の下'工
の問題 に連なる。自由貿易 は強者 に
先進工業国対後発農業国 の利害相反
次
労働論
加価値 で高賃金 の工業部門を喪失す
と非 難 さ れ るよう にな った)。 こ の
加)をはるかに上回るかもしれな い。 を避け るためには、関税 によ って農
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b r)或 いは ソー
(
paupeユ
ピング論 とも いわれ る。
難される ことと連な って いる。貧窮
シァ ル ・ダ ン
よ-な理由 に基 づ-輸入阻止的保 護
す る。保護主張 は発展段階差 の産物
業化を推進し先進国 に追 いつこう と
立させ、相互 に補完的 に働 ら-よう
私はかかるブリグ デ ン報告 の論旨
工業対農業 (一次産業) の優劣 は'
措置は仝-間違 って いる。 禦 ℃ 先
値 二尚賃金 の工業部門を維持拡大す
の静態利益と長期的 経済発展 とを両
であるかもしれな いC だが自由貿易
業を保護す る必要 があ る。
進国 の高賃金 は高 い生産性 に基 づ富裕 と繁栄 の享受 にほかならな い。
告 は所得分配改善 の観点 から保護を
る保護措置 が必要とされると いう のり .
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を十分に理解す るも のではな い。報
一次産業特化 の不利性 から脱す るた
支持して いる。そう ではな-し て'
それ故自由貿易 ではなく 高付加価
後発国 の低賃金 こそ同情 に値す るも
も理解し易 いも のではな い。問題 は
もう 一つの論争 は' ルー マニア の
製造 工業 にも多 種 があ る。労働集
であ る。
ので、そ の経済発展 が支援 され て然
るべき であ る。
9 - マノイ レスキ ュー の論旨 は必ず し
であろう。或 いは この報告 が' オイ
めに工業化を勧 める のが 一つの正道
にす ると いった相促的動態理論 が展
開 できな いも のであ ろう か。
通 産 大 臣 を 経 験 し た Mi
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賃金格差を是正す る ことが優先課題
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o・ であ る。それは 対外貿易政策措置 に
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張 はなお生き残 って いる。
自由貿易思想の歴史 世界経済評論 9月号 (
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よ-知識 ・技術集約財 へと い った多
約財からより資本集約財 へ、或 いは
下 でも お互 の貿易を拡大す る方途 が
しょう とし'相互 の産業 ・貿易構造
が類似し て- る。 こう い った情況 の
もう 一つ' 二国 が同 1工業 に特化
ロビイ活動を通じ て輸入阻止措置 が
生産者 (
企業者 と労働組合) から'
輸 入増加 によ って被害を こう むる
に分散 される ので、力強 い保護反対
論 とはならな い。
ず る。 だが消費者 の声 は不特定多数
経済循環 のファンダ メ ンタ ルズ の是
是正す る ことができな い。それは余
-役 に立たず無効 であ るとされ て い
た。 ケイ ンズが創唱者 であ る マク ロ
き ミク ロ的貿易政策捨置 によ っては
高度な土 業 が比較優位産業 になるな
らば'自由貿易 と両立し つつ順調 か
様化 ・高度化 が志向 される。開放 経
済 の経済発展 に つれ、次 つぎ により
あ る で あ ろ う か。 産 業 内 貿 易
正を通じ てのみ解決しう る。低金利
による投資刺激、財政金 融政策 によ
ケイ ンズも結局'関税 は' マク ロ
る内需拡大、割高為替 レ1- の是 正
な ど の マク ロ調整が不可欠 であ る。
題を解決す るために保護貿易措置 が
第 一三章 は、構造的永続的失業問
ばならな い。同時 に大量失業や永続
いる (
本書 二〇 五 ペー ジ)
。 ど の程
度関税 が有効であ るかは つき つめね
経済 の不均衡を是 正す るには劣 った
短命 の方策 にすぎな いことを認め て
三〇 一条 のごとき)を要求す る。 そ
こう いう保護主義 が米国 で 一九八〇
して入超是正が優先課題 だと いう。
出拡大 のため の支援 (
米国通産法 の
議会 と政府 に要請される。他方、輸
開 が待望され てならな い。
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或 いは私 の
う「
合意的国際 分業」 の理論的展
つ急速な成長 が続けられう る。そう
いった、経済発展 と貿易構造高度化
と の動態理論 が待望される。
四 新重商主義
必要 かと いう新重商主義 のもう 1つ
年以降台頭し てきた。新重商主義と
す から、そ の消費者余剰 は減少す る。 名 づけ ておきた い所以 であ る。
④輸出増加 に つれ輸出部門 の生産者
第 二篇 の残- の四章 はそれぞれ独
自 の保護 リーズ ンを討論し て いる の
余剰 と雇用 とが増加す る。
そ こで利益を得 るグ ループ から損
であるが' 「
新重商主義」 と総括し
ておこう。
す る大幅 入超 のごとき構造的不均衡
を的確 に是正できる 「
開放経済 マク
実際上'所得補償 がなされることは
大量失業 の発生を前 にし て、関税 に
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eneyal ロ経済学」 の展開が待望される。
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の「
関税は交易 条件を有 利化さ
の 主 張 を 検 討 し て い る。John
稀 であ る。 ただ無差別曲線群とオ フ
よ って国内生産と雇用を拡大しえな
失 を 被 る グ ル ー プ へ所 得 補 償
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がなされ ねばなら
臥民経済全体 とし ては貿易利益をも
たらす のであ るが、 ベター ・オ フに
なるグ ループ ととも にウ ァー ス ・オ
ァー曲線を用 いる新古典 派 の 1般均
先ず第 二 一
章は 「
自由貿易 の厚生
フになる (
損失を被 る)グ ループ が
衡分析 から、合計 とし て の消費者厚
やや軽 い程度 で米国 にお いても、重
大問題 であ る。
賃 金、利 潤 率 を 高 め る。労 働 の傘
(
ゴー ルド) で測 った購買力が高 ま
賛成 ができな い理由 がここにあ る。
生 (
効用)向上 の故 に支持される。
る。 これが要素交易条件 の有利化 と
未 から 一九三〇年代初期 にかけ ての
逆 に保護貿易 への反対論 は、消費者
かかる構造的失業 は'関税 のごと
経済学」 と題 せられる。自由貿易 は
発生す る。すなわち① 輸入品が国内
いも のかと提案す るに至 った。現在
(
輸入)関税を課すと貿易出超 が稼
でも大量失業 は ヨー ロッパにお いて、 げ る。貴金属 が流入し'国内物価、
ない。無条件 に全面的 に自由貿易 に
生産よりも安-沢山入手 できるよう
が証 明され る。自由貿易 は消費者厚
生 は貿易 によ って必ず向上す ること
易支持者
になるから、輸入可能財 に ついて消
のみか失業 が生ず る。③輸出可能 晶
競争産業 では生産者余剰 が減少す る
厚生を低 下させると いう 理由 から生
せる」 と いう議論をめぐ っての論争
を と- 上 げ る。I I レ ン ス日く。
費者余剰 が生まれるO② しかし輸入
の消費量 は減りか つ価格騰貴を来 た
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9月号 (
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)
世界経済評論
三 ペー ジ)
。ま た、関 税 引 下げ は他
国 の引 下げ と レシプ ロカ ル (
互恵
的) になるよう漸次的 に行う べき で
あ り、 一方的 に
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行う べ
五ページ)と'
き でな い (
本書 一〇
私見とは反対 の勧告をし て いる。
私は この 「
交易条件有利化論」 が
後の 「
最適関税論」 に連なるも のが
入した事例 が、 ゲー ム論とし てク ル
産化 に成功し'大型航空機市場 に参
・
うす ると最適関税論 の場合 と同様 に
復行動 に出 ることは当然 であ-、そ
二 一六 ペー ジ)
。ま た相手企業 が報
の背景 にな って いる考え方 であ る。
な った貿易摩擦 に関す る米国側主 張
しろ日米間など二国間交渉 の対象 と
そ の多 -は保護主張とし て十分な 正
当性をも って いるとは言 い難 い。 私
自企業 の反応曲線 は拡大しtより多
か- の如-本書 はま ことに興味深
張 が、 とく に米国 で'圧倒的 に支配
し て いる。 これはどうした こと であ
駆け引き の問題となる。それはそれ
ぞれ の利潤極大化をねら った駆け引
は保護主張 のリ ス-から取除 いてほ
し いと希望す るも のであ る。昔 の重
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jとなり' 「
供給説貿易理論」 の立
場 であ る。
服した事例 になら って新重商主義 を
商主義主張を古典 派自由貿易説 が克
- の販売 と利潤を獲得 できるよう に
い。約 二〇〇年前、 アダ ム ・スミ ス
ろう か。歴史的情況 の産物 だと放 置
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以上、新重商主義 と 一括し た四種
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の保護主張 は'経済発展促進 と言う
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らによって検討されて いる0
日企業 は相手企業 の供給行動を前提
にし て'利潤極大をはかる反応関数
理由 で支持しう る保護 ではな-、 む
のオ ッファー曲線 の弾力性 に左右 さ
れるが、自国 は輸入関税を課す る こ
な る。 この利潤増大 は コス-たる補
す るわけ には いかな い。余- にも多
府 の介 入 (
補助金供与) があれば'
とによ- (
商 品)交易条件を自国 に
助金を上回る。 こうし て寡占競争 を
が重商主義の潮流 に抗し て自由貿易
退散 させてほし い。
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on)をきめる。相
手企業も同様 にす る。 この時自国政
有利 に改善しう る。 そうす ると相手
説を確 立し たこと、さら に今 日ま で
い保護貿易主 張を撤回させる理論 を
も っと展開しなければなるま い。
あ るよ- に思える。 つま-、相手国
国 は報復す るO それを見 て自国 はさ
有利 にす るため の保護 が正当化され
る。
遭遇しながら、経済政策 への最も健
多数 の有力な保護主張 による挑戦 に
全な指針 とし て自由貿易説 が生き永
自由貿易対保護主義 と いう 長 い論
び
ら に関税を引上げ る。 こう いう 「
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て交渉 が行われるわけ であ る。 「
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国民的厚生 (
効用) の極大化を求 め
要説貿易理論」 に立脚す るバー ゲ ニ
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ング論 であ る。
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第 一四章 は過去二十年位 で有名 に
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y ジ)を'主要な論争 の検討を通じ て' アーウイ ンの本書 ﹃自由貿易思想 の
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lE I 鮮 明ならしめて いる。
な ってきた戦略的貿易政策 (
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歴史﹄ の 〓訳を、お勧 めした い。私
1986)
が新 し い 保護主義 を基礎づけ
るかと注目され大 いに討論され た。
な がら、実際 には、新重商主義 の立
とし ては 「
自由貿易原則」 が詣われ
国間貿易交渉 にお いても、大義名 分
し かしな がら、 WTO/GATT
の仝規定 にお いても'日米間など二
され て いる。そ の成功を待望し た い。
から 一年以内 に公刊す ることを計画
教授 が、すぼらし い邦訳書を文英 堂
の畏友'麻 臼四郎小樽商科大学名誉
今 のと ころ'多 - の前提条件を満 た
場 から輸入阻止、輸出拡大 の保護主
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さねばならな いので' 一般的妥当性
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大型航空機 の生産 がボーイ ング社 に
よ って独占 され て いた時、欧州諸政
をも っとは認められて いな い (
本書
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y)を吟味す るO小数
大企業 の
寡占的競争 の問題 であ る。
により' エアバ スの開発 ・産業的生
府 が エア バス社 に補助金を出す こと
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い-望まし い効果 である (
本書 一
自由貿易思想の歴史 世界経済評論 9月号 (
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