資料1(PDF:662KB)

資料1
第5回行財政改革推進委員会
補助教材関係資料
平成26年12月24日
補助教材作成・選定・評価方法調査チーム
目 次
補助教材の概要とこれまでの経緯
調査チームにより把握した実態や整理した情報
1 補助教材とは
6 補助教材の関係図と主な課題
2 静岡教育出版社の教材の製作・販売方法
7 保護者が負担した教材費の金銭的な流れ
3 全国の教材会社や販売店
8 補助教材取扱いガイドラインの概要
4 事業レビューの議論、県民評価者等からの意見傾向
9 補助教材の選定等についての調査結果
5 補助教材に関する調査チームの設置
10 学校における補助教材の選定・評価の方法
11 学校における保護者説明の方法
12 校長・教頭・教員の教材編集業務への従事の実態
13 兼業ルールと運用の実態
14 全国的な教材会社における教員との関わり方
15 校長等の関係団体への事業協力や役員就任の実態
16 倫理や服務に関する規定
17 校長OBや教員OBの学校への関わり
18 改正地方公務員法の概要
19 国家公務員及び本県の状況
20 教員の知識・知見の活用や資質向上
この資料は、第5回静岡県行財政改革推進委員会(平成26年12月24日開催)に
おける議論に供するために作成したものです。
紙面の都合上、略したものや平易な表現を用いています。また、調査チームと
して途中経過を報告するものであり、今後、修正されることがありますので、
その点は御容赦願います。
補助教材とは
補助教材とは、教科の主たる教材としての教科書に対し、補助的に用いられる教材のこと
主たる教材
補助教材
教科書
授業で使用する補助教材の全てを教員自らの手で作成することは多大な負担
テスト、ドリル、
ワーク、資料集など
公立小中学校のほとんどの教員が民間業者の補助教材を使用
(補助教材購入に係る費用は保護者の負担)
○学校教育法
第34条 小学校においては、文部科学大臣の検定
を経た教科用図書又は文部科学省が著作の名義を
有する教科用図書を使用しなければならない。
【平成26年度1人当たり補助教材採択数】(県教育委員会調査)
(単位:点数)
区分
前項の教科用図書以外の図書その他の教材で、有
益適切なものは、これを使用することができる。
※中学校に対しても同様の規定あり
1学年 2学年 3学年 4学年 5学年 6学年 学年平均
小学校
9
7
10
中学校
21
17
16
10
10
10
9.3
18.0
補助教材の取り扱い
○費用負担者である保護者の協力・理解が得られて初めて活用できることから説明責任が伴います。
○厳正な選択・決定を図り、適切な補助教材の使用に努める義務があります。
静岡教育出版社が
高いシェアを占める
平成26年度出版社別占有率(補助教材使用届等による採択状況調査(県教育委員会調査))
全体
うちテスト
39%
23%
全体
10%
静岡教育出版社
その他
67%
文溪堂
静岡教育出版社
その他
6%
68%
3%
32%
中学校
小学校
61%
うちテスト
91%
静岡教育出版社
その他
新学社
静岡教育出版社
その他
1
静岡教育出版社の教材の製作・販売方法(関係する三団体から聴取した内容)
昭和33年創立
○テスト、ドリル、ワーク、資料集など
小学校用17種類、中学校用9種類
○その他雑誌2種類
編集物の発行を委ねる
製作発行
株式会社
静岡教育出版社
出版文化会の教材研究(教材づくり)の成果を組み
上げ、校正し、印刷所へ発注
環境や児童生徒の健康に配慮した紙やインキを他社
に先駆けて使用
地区学校生活協同組合と連携をとり、教材の販売促
進のために活動
販売は地区学校生活協同組合に委ねている
販売を委ねる
教材研究・教材づくり
連
一般社団法人
静岡県出版文化会
(出文)
携
販売
地区学校生活協同組合
(県内13地区)
市町立
小中学校
昭和22年任意団体創立
昭和26年以降、各地に設立
昭和23年社団法人認可、平成25年一般社団へ
戦後の物不足の時代、廉価で品質の良い教材や学用品を子
どもたちや教職員に届けることを目的に活動開始
戦後の混乱期、県下の子どもたちの教材は自分たち
の手で作ろうと当時の教職員有志らにより誕生
本県の児童生徒の実態を良く知る、実際に授業を
行っている教員が教材を執筆
現職教員が参加する全国に類を見ない特徴ある取組
こうして編集された教材の製作発行を静岡教育出版
社へ委ねている
分割合併を経て平成22年に現在の13地区の体制へ
賀茂、田方、東豆、三島、駿沼、富士、清水、
静岡、志太、榛原、小笠、磐周、浜松
へき地校や小規模校であってもできるだけ早く確実に学用
品等を届ける努力をしている
保護者と教職員の組合員により構成される消費生活協同組
合の一形態(市町立小中学校の保護者のほぼ100%が加入)
2
全国の教材会社や販売店(全国図書教材協議会から聴取した内容)
協会加盟出版社(現16社)
販売店と教材出版社により構成される全国団体
出版社名
青葉出版(株)
販売
出版
小学校商品
○
(株)五ツ木書房
○
(株)学宝社
○
(株)教育同人社
○
廣済堂あかつき(株)
(株)光文書院
○
○
○
(株)秀学社
出展:全国図書教材協議会HP
中学校商品
○
(株)新学社
○
○
(株)正進社
○
○
(株)創育
○
東京法令出版(株)
○
(株)図書文化社
○
(株)日本標準
○
販売店が都道府県単位に組織している協会(全国に現50協会)
(株)浜島書店
本県には静岡県図書教材協会があり20の販売店が加盟
(地区学校生活協同組合は含まれていない)
(株)文溪堂
○
○
○
(株)文理
○
静岡教育出版社は含まれていない
全国図書教材協議会から聴取した内容
「全国的に当協議会会員の出版物は圧倒的にシェアが大きい」
3
事業レビュー(旧事業仕分け)の議論、県民評価者等からの意見傾向
補助教材が事業レビューの対象となった経緯
昨年度の全国学力学習状況調査の小学6年生国語Aにおいて、全国最下位という結果を受け、本県の義務教育に対する学習指導
方法に注目が集まる中、地元紙を中心に本県の単元テストやドリルなどの補助教材の取り扱いがクローズアップされた。
また、県議会においても補助教材の在り方や選定の方法について再三にわたる質疑が行われた。
こうした中、外部有識者による静岡県行財政改革推進委員会は、県民の疑問や不安の解消にも資するとして、平成26年9月に
実施する事業レビューにおいて議論することを決定した。
事業レビュー当日の議論(概要)
論点
確認事項、委員意見(抜粋)
出版文化会の
教材研究への
教員の関与や
負担
○教材研究に参加している教員数
○教員に対する対価の支払い
○営利企業の業務に従事する許可の有無
出版文化会の
補助教材
○出版文化会の補助教材の県内シェア
○教員の教材研究の成果は公の知識で
あり、広く一般に提供されてはどうか
出版文化会へ
の校長(校長
会)の関与
○補助教材を作成する出版文化会に校長
会が組織的に参画しており、同時に
選択者・発注者となることに構造的な
問題はないか
教育委員会の
役割
○校長の選択が疑われないよう教育委員
会が客観的な基準を学校に示すべき
○保護者の意見を吸い上げるためのシス
テムをつくるべき
その他
○公務員の退職後、元の職場への働き
かけ(営業行為)は、地方公務員法に
より禁止されるが、教員OBであっても
厳格に運用されるべき
県民評価者等からの意見(傾向)
区分
意見
○補助教材の適切な選定のために、客観的な選定や
評価の基準をつくるべき
選定基準の客観
○補助教材に対する評価や比較研究をすべき
性の確保
○正しい指導、助言のためには県教育委員会が主体
的に教材研究をすべき
○学校長が選定される側(出版文化会)に参画する
ことは疑念を抱かれる
校長・教員・OB
○校長会や教職員の関与は選定に全く影響を与え
の出版文化会へ
ないものとすべき
の関与
○現職教員の兼業や教員OBの働きかけは、ルール化
が必要
保護者の関与
○保護者が教材選定に参加できる環境がほしい
○保護者の意見を吸い上げ、反映させる仕組みを
構築すべき
教材研究への教
員参加の意義
○出版文化会の教材研究が研修を兼ねるというが、
研修は研修で行うべき
○教員多忙化のデメリットをどう解決するのか
教材選定の競争 ○より多くの出版社が参加して競争原理を働かせる
性の確保
必要がある
4
補助教材に関する調査チームの設置
事業レビューで示された論点は、仕組みや制度が専門的かつ複雑であり、今後の見直しに
あたっては、実態をより明らかにした上で議論していくことが必要
髙副知事をトップとした「補助教材作成・選定・評価方法調査チーム」を設置
行財政改革推進委員会
今後のあるべき方向性の議論
事業レビュー(9月)
論点出し・県民からの意見提案
10月31日
12月24日
(全体)
1月14日
2月12日
(まとめ)
事業レビューで示された論点
行財政改革推進委員会の
検証のための情報提供
○補助教材の選定
・選定基準等の公平性・客観性の
確保
・教材選定の競争性の確保
補助教材 作成選定評価方法調査チーム
氏
・教材研究への教員参加の意義等
の検証
○教育委員会の役割
ほか
分
学識者
小野 晃司
企業経営者
佐藤 克昭(委員長)
学識者
髙木 敦子
NPO
寺田 正捷
元首長
長澤 弘子
NPO
根本 敏行
学識者
古谷 博義
企業経営者
山本 倫弘
公認会計士
(10月~)
補助教材作成・選定・評価の方法に係る実態把握、情報収集・課題整理
アドバイザー
・岩瀬元副知事
・佐藤行革委員長
・熊谷構想日本コーディ
ネーター
◎高副知事
○教員の関わり方
・出版文化会の教材研究への教員
の関与や負担
区
大坪 檀(顧問)
・校長(校長会)、教員、OBの
出版文化会等への関与の見直し
・保護者の関与(教材選択の説明、
意見聴取等)の充実
名
+
経営管理部
教育委員会事務局
○職員局長
○教育次長
○行政改革課長
○義務教育課長
論点に対する切り口
県民の疑惑や不信を
払拭するシステムの
構築に向けて
○選定の公平・公正・透明性・競争性
・客観的な選定・評価基準のルール化等
・結果の説明責任を履行
・保護者意見の反映の仕組みの構築
・選定ガイドラインの有効性
○作成過程への現職教員の関与等
・地公法等との整合性
(教育公務員の身分とルール)
5
補助教材の関係図と主な課題
(主な課題)
校長や教員と関係団体との関係は適切か
1社単独
元校長
製作発行
教材づくり
研究成果提供
株式会社
指導・助言
一般社団法人
県 教育委員会
元校長・教員
出版文化会
静岡教育出版社
対価支払
図書教材
研究委員会
供給
1社単独
教員参加
注文・
支払
販売
学校生活協同組合
役員
注文・
支払
現職校長
就任
選択・
使用
届出
市町 教育委員会
供給
元校長・教員
民間教材
出版社・販売店
補助教材取扱い
ガイドライン
指導・監督
市町立小中学校
(学生協:13地区)
役員
指導主事等
による
学校指導
学校指導
現職校長等
就任
注文・
支払
供給
PTA
教材費
費用負担
学校における教材選定は
適切か
保護者への説明責任は
適切に果たされているか
保護者
組合加入
(主な課題)
6
保護者が負担した教材費の金銭的な流れ
出版文化会編集教材の占有率
約9割(売上ベース)
教職員組合
校長OBほか
株式配当
2/3程度
株式配当
1/3程度
助成金
株式会社
一般社団法人
静岡教育出版社
出版文化会
研究成果への対価
校長会
図書教材
研究委員会
仕入れ代金
原稿料
+
旅費
出版文化会編集教材の占有率
13地区単純平均 約9割
(売上ベース)
学校生活協同組合
教育出版社の株式保有
約3割(持ち株比率)
共同研究費
(学生協:13地区)
教員
保護者
市町立小中学校
購入代金
教材費
他の
販売店
PTA
組合員への割戻金
7
補助教材取扱いガイドラインの概要(平成26年1月
県教育委員会作成)
ガイドラインの概要
○補助教材の選択・決定に当たっては厳正かつ公正な手続きと保護者等の理解が求められる中、県教育委員会が作成
○補助教材の選択から決定までの流れの解説や保護者等への説明についての具体的な事例を紹介
○市町教育委員会(政令市除く)、学校へ配布するとともに、教育長会や地区校長会等で説明
ガイドラインの内容
補助教材の選択から決定までの流れの解説
【 補助教材見本の収集 】
○一業者に偏ることなく、複数の業者の見本を収集して比較・検討する
【 補助教材の選択 】
○補助教材の選択は、複数の教職員の目で行うことが大切
○前年度使用補助教材の効果を検証し、課題を明確にした上で、教職員が「選択規準」をあらかじめ共通理解しておく
○選択規準として次のようなものが考えられる
・児童生徒の実態、発達段階、学び方等に適しているか
・学習指導要領に準拠した教科書の内容と関連して学びやすいか、問題の量は適切か
・保護者の経済的負担を考慮しているか など
【 補助教材の決定 】
○決定までのスケジュールとして例えば次のようなパターンが考えられる
<パターンA>前年度に、児童生徒をよく知る担当が候補を選んでおき、新年度の担当が選択して、校長が決定する
<パターンB>新年度に学年部、教科部、補助教材選択委員会等を経て、校長が決定する
保護者等への説明事例の紹介
【 選択前の説明 】
○展示の場を設ける(年度末の学級懇談会で見本教材を展示するなどして、広い視点から意見を聞く場を設ける)
○意見を聞く場を設ける(PTA役員会、学校評議員会、学校運営協議会等で意見を聞く)
【 選択後の説明 】
○口頭で説明する(PTA総会や学年保護者会等で使用する補助教材について説明する)
○便り等で説明する(学年会計予算書を配布する際に選択理由を文書で配布する)
8
補助教材の選定等についての調査結果
県教育委員会が市町教育委員会を通じて公立小中学校の補助教材の選定等の状況を調査
【実施日:平成26年5月~6月、政令市除く】
設問
問1
職員会議等で、補助教材の取扱い等について共通理解
する場を設けた。
問2
前年度使用した補助教材の効果を検証した。
問3
複数の教材見本を収集した。
問4
複数の教材見本を比較・検討して選択した。
問5
複数の教職員の目で選択作業をした。
問6
選択規準を設けて、それに基づいて選択した。
問7
教材を使用する年度の校長が最終決定をした。
問8
市町教育委員会に補助教材の使用届等を提出した。
問9
補助教材の必要性や取扱い等について、保護者会や通
知等で説明した。あるいは、保護者等の意見を聞く場
を設定した。
(単位:上段は学校数)
小学校
中学校
はい
いいえ
今後予定
はい
いいえ
今後予定
320
0
1
166
0
4
99.7%
-
0.3%
97.6%
-
2.4%
307
8
6
159
3
8
95.6%
2.5%
1.9%
93.5%
1.8%
4.7%
321
0
0
170
0
0
100%
-
-
100%
-
-
321
0
0
170
0
0
100%
-
-
100%
-
-
319
2
0
167
3
0
99.4%
0.6%
-
98.2%
1.8%
-
289
16
16
147
9
14
90.0%
5.0%
5.0%
86.5%
5.3%
8.2%
321
0
0
170
0
0
100%
-
-
100%
-
-
321
0
0
170
0
0
100%
-
-
100%
-
-
224
23
74
112
12
46
69.7%
7.2%
23.1%
65.8%
7.1%
27.1%
9
学校における補助教材の選定・評価の方法(2市教育委員会サンプル調査結果より)
選定・評価の流れ
効果検証
A市教育委員会聴取
2月20日頃
年度末に当年度使用した教材の効果を検証
(教科担当⇒教科主任⇒教頭へ提出)
3月初旬
教材見本の収集
(教科担当⇒教科主任保管)
比較検討
3月10日頃
効果検証結果をもとに教材見本を選択基準に
基づいて比較検討
次年度候補欄まで記載
(教科担当⇒教科主任⇒教頭へ提出)
4月初旬
前年度比較検討資料を参考に新学年教員により
比較検討
選択欄を記載
(教科担当⇒教科主任⇒教務主任へ提出)
作成書類の例
【反省評価】B市教育委員会聴取
区分 教材名 単価
反省評価(内容・金額・活用度等)
算数
決定
基礎基本の事項が多くテストとして使用しやす
かった。量的にも適切で裏面も工夫されていた。
ドリル
960
(B社)
授業だけでなく、家庭学習や自主学習としても
取り組め、習熟度を図るために有効であった。
【選定基準】B市教育委員会聴取
使いやすさ
図表等の掲載の仕方、文字の大きさ、色使い、配列、
内容構成、分量、難易度など
内
容
学習指導要領との適合性、基礎基本の定着や身につけた
い力、児童の実態との適合性、教科書への準拠など
金
額
価格と出版社の信頼性
【選択資料】A市教育委員会聴取
使用
教科
教材名
単価
算数テスト(A社)
860
選択基準
使い易さ 内容 金額
○
○
○
次年度
選択
候補
○
×
算数テスト(B社)
860
○
○
○
○
×
算数 算数テスト(C社)
810
○
○
○
○
○
算数テスト(D社)
860
△
△
△
×
×
算数テスト(E社)
840
△
△
△
×
×
理科テスト(A社)
860
○
○
○
○
×
理科テスト(B社)
860
○
○
○
○
×
理科テスト(C社)
810
△
○
○
△
×
理科テスト(D社)
860
○
○
○
○
○
理科
4月初旬
校長がヒアリングを行い、妥当な場合、決定
テスト
780
(A社)
【選定結果及び選定理由】A市教育委員会聴取
選定教材名
算数テスト(C社)
理科テスト(D社)
選定理由
実験や観察の写真、絵が見
値段が安い。
式だけでなく、考え方も書 やすいため、定着に有効と
なる。
く欄が用意されている。
10
学校における保護者説明の方法(2市教育委員会サンプル調査結果より)
保護者への説明方法
配布書類の例
【補助教材説明資料】B市教育委員会聴取
PTA総会
補助教材説明資料を配布
教材見本を見せる
教材費の徴収に保護者の理解を求める
教材名
国語テスト(○○社)
使用方法
単元終了時に言語にかかわる力・読む力・書く力等の到達度を診断する
復習教材として用いる。裏面は基礎・応用・発展問題として活用する。
特色・利点 学習の定着度を自己診断し、授業や家庭学習での復習に活かせる。領域
別の診断ができるため自分の弱点補強にもつなげられる。
教材名
国語文法ワーク(△△社)
使用方法
教科書での文法学習の演習教材として用いる。文法学習の目標と評価の
自己評価欄を活用し、基礎・基本を身に付けられるようにする。
特色・利点 文法学習の用語・きまりが上段に、理解を確かめる問題が下段に対応
していて、繰り返し学習できる。丁寧な解説で注意点が分かりやすい。
~
保護者
向け
補助教材購入資料を配布
【補助教材購入資料】B市教育委員会聴取
保護者の皆様へ
本年度、以下の補助教材を購入し、活用させていただいております。
教材名
定価
使用理由
授業の定着を図るため
△△ワーク
△△社
△△社
380
文法の復習のため
□□資料集
□□社
□□社
690
学習の補充のため
~
380
~
○○社
~
○○社
~
学級懇談会における説明や学年だより
によるお知らせ
発行所
○○テスト
~
学級懇談会
等
著者
保護者意見の反映方法
PTA総会において保護者意見を聴いているが、補助教材の内容までの意見は出ていない
11
校長・教頭・教員の教材編集業務への従事の実態
報酬を得ながら、教材選定に関わる校長のほか教頭が監修者として、また教員が執筆者として従事
製作発行
株式会社
静岡教育出版社
教材づくり 一般社団法人
出版文化会
研究
成果
提供
図書教材
研究委員会
教材編集業務への従事実態
いわゆる兼業
出版文化会の「図書教材研究委員会」で行われる
教材編集(教材づくり)業務に従事
【 従事者数 】
○校長、教頭、教員合わせて約300~380人(平成25・26年度実績)
○人数は教材内容の改訂度合いにより変動
供給
従事
【 従事内容 】
○学校の仕事に支障のない土曜日又は日曜日に従事
○研究のための会議を年間3~8日程度開催(5~11月・静岡市内)
○会議は教科別・学年別に1グループ4~6人で構成
○会議の中で監修者を中心に日ごろの授業や作問方法について議論
○教員による作問作業(原稿づくり)は自宅
【 報酬 】
○原稿料として1人あたり年1万円~5万円(旅費は別途)
販売
学校生活協同組合
(学生協:13地区)
選択・
使用
供給
従事許可申請
校長・教頭・教員
市町 教育委員会
許可
地方公務員の服務などを規定する地方公務員法
第38条に基づき許可
12
兼業ルールと運用の実態
兼業のルール
教職員を含む地方公務員の兼業は、地方公務員法第38条により制限
地方公務員法第38条
【 趣旨 】
○原則として、職員の兼業を禁止
○任命権者の許可を要件として例外を認めている
(任命権者=市町立小中学校教職員の場合、市町教育委員会)
【 制限される行為 】
○営利を目的とする企業・団体の役員を兼ねること
○自ら営利を目的とする私企業を営むこと
○報酬を得て事業または事務に従事すること
【 許可 】
○職員は制限される行為を行う時には許可が必要
○任命権者は許可の基準に基づき許可
(参考)静岡県職員の場合の許可の基準※
以下の場合を除いて許可することができる
①職責遂行に支障を及ぼすおそれがある場合
②利害関係があり、職務の公正な遂行に支障を及ぼす
おそれがある場合
③全体の奉仕者として適当でないと認められる場合
※市町立小中学校教職員の場合、市町の基準による
本県内の市町教育委員会の対応(サンプル調査)
【 許可申請の流れ 】
許可
申請書
教職員
企業名、就こうとする役職、報酬、
勤務時間、従事する職務の内容を記載
学校長
教育委員会
内申書
職員の職務への影響、特別な利害関係の存在・
発生のおそれ、その事業に従事することが
公務員として適当であるかを内申
【 許可の基準 】
○職務の遂行に支障がないこと
○特別な利害関係又はその発生のおそれがないこと
ほか
東京都の対応(都立学校職員の兼業に関する取扱規程等を制定)
【 校長及び副校長 】
○教材選定に直接的な権限を有していることから、教材作成等に
関する業務に従事することを禁止
【 校長及び副校長以外の者 】
○兼業を許可できるのは教材選定に直接的な権限を有していない
教員に対してのみ
○兼業を許可する場合であっても教材種別ごとに1件を限度
また、作成に関与した教材の教科に係る教材選定にかかわる
ことはできない
13
全国的な教材会社における教員との関わり方(全国図書教材協議会から聴取した内容)
補助教材の作成過程における現役教員との関わり
他県で教員が関わっている事例
○教員と関係を持つのは民間企業にとって非常にハードルが高い
○ユーザーである教員の意見は、企画段階の会議(土曜、日曜)への参加や、
出来上がった問題の評価アンケートなどにより反映させている
○依頼する教員との関係は社員の個人的なものや、これまで企画会議等に
参画してくれた教員の紹介などが中心
○コラムや問題の一部を部分的に企画依頼することはあるが、問題作成と
編集作業は基本的に自社の社員が行っている
○一部の県で類似の事例があるが、
静岡県のような大規模かつ全県的
な事例は他にはないと思われる
その他、教員との関わり方の留意点
○出版社は、補助教材の作成過程の一部を教員に依頼する際には、教員に迷惑がかからないように、法的に問題がないよう
気をつけている
○協議会としても、出版社や販売店を対象にしたコンプライアンスの研修会を実施するなど働きかけをしている
「販売店のための関係法令解説」(全国図書教材協議会作成)より抜粋
第2章 地方公務員としての先生との関係
義務教育に携わっている公立学校(国立、
県立、市区町村立学校)の先生は公務員です。
公務員として守らなければならないことは数
多くあります。しかし一方で、先生方の力を
学校以外の場で教育のために発揮していただ
く必要もあります。その際には、法律に違反
したり、通達や服務規程に違反したり、第三
者から誤解を招いたりしないように適切に対
応することが大事です。
Q.先生が原稿の執筆をすることは兼業にあたりますか?
東京都教育庁の「教科書・教材等の作成に関するガイドライ
ン」では、教材選定の直接的な権限を有している校長や教頭、教
科書採択権限を有する教育委員会事務局員には、教材作成に関わ
ることを禁止しているほか、その他の教員についても、教材作成
の際には許可の制限を設けています。
また、その他の地域についても、許可の制限や兼業の解釈につ
いてガイドラインの設定がある場合もありますので、十分に留意
する必要があります。
14
校長等の関係団体への事業協力や役員就任の実態
無報酬ではあるが、教材選定に関わる校長等が関係団体の事業(教材づくり)へ協力又は役員へ就任
製作発行
研究成果提供
株式会社
静岡教育出版社
教材づくり
一般社団法人
出版文化会
校長会の教材づくりへの協力
役員
出版文化会への役員就任
校長会
○教材選定に関わる校長が副理事長、
理事、監事へ就任(非常勤、無報酬)
校長会の組織
○全ての現職校長により構成
○目的
○役員は校長会、教職員組合、
PTA等で構成
○人選はそれぞれの構成組織から推薦
供給
販売
学校生活協同組合
(学生協:13地区)
○社員総会に出席
○理事は年間3回程度の理事会に出席
○監事は年間2回の監査会に出席
注文・支払
役員
供給
学生協への役員就任
○教材づくりに従事する教員等の人選
○出版文化会への推薦
会員相互の緊密な連携によって、
校長の地位確立と職責遂行を期し、
本県教育の振興に寄与すること
選択・
使用
校長
(教頭・教員)
○事業
教育行財政、学校経営の研究
教育職員の資質向上と待遇の改善
教育に関する調査 ほか
○出版文化会の正会員
○正会員として、事業方針・計画を
審議、決議
○教材選定に関わる校長、教頭、教員が理事、監事へ就任(非常勤、無報酬、各地区とも10人程度)
○役員は校長会、教職員組合、PTA等で構成、人選はそれぞれの構成組織から推薦
(学生協には保護者のほか、教職員も組合員となっており、役員は組合員の中から選出)
○年間数回の理事会に出席、監事は別途中間監査・本監査の実施
これらの実態に対する市町教育委員会の対応
(サンプル調査)
無報酬であり、また営利目的ではないため、許可申請を求めていない
15
倫理や服務に関する規定
職員の倫理や服務の規定方法に関する本県と東京都との比較
静岡県倫理条例・規則
教職員を含む全ての
一般職員を対象
本県の
規定
東京都立学校職員服務規程(学校職員を対象)
任命権者ごとに
規定する方式
東京都の
規定
【 趣旨 】
○公務に対する県民の信頼の確保
【 趣旨 】
○学校職員の服務に関する必要な事項を規定
【 倫理行動基準 】
○県民に対し不当な差別的扱いをしてはならない
○常に公正な職務の執行に当たらなければならない
○常に公私の別を明らかにする
○職務や地位を私的利益のために用いてはならない
○県民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならない
○公共の利益の増進を目指し全力を挙げて取り組む
○勤務時間外においても自らの行動が公務の信用に影響
を与えることを常に意識して行動しなければならない
【 服務の原則】
○全体の奉仕者としての職責を自覚
○法令及び上司の職務上の命令に従う
○誠実、公正かつ能率的に職務を遂行しなければならない
○自らの行動が公務の信用に影響を与えることを認識
○常に公私の別を明らかにする
○職務や地位を私的な利益のために用いてはならない
県立学校職員特有の個別具体的な指針なし
学校職員特有の利害関係者との接触に関する具体的な指針を制定
【 趣旨 】
○学校職員服務規程の下位規定として制定
○利害関係者との接触ルールを規定
(参考)
市町立小中学校教職員は市町の規定が適用される
静岡県内市町における倫理制度の状況(平成25年12月1日現在)
制度あり21市町 制度なし14市町
学校職員特有の
事象に対する
ルール
【 教材会社との接触 】
○校長又は副校長は教材会社からの教材作成等に関する
依頼に応対してはならない
○それ以外の職員が依頼に応対する場合は、事前に上司の
承認を得なければならない
16
校長OBや教員OBの学校への関わり
関係団体へ再就職したOBが販売促進等のため学校を訪問
校長OB 、教員OBの再就職状況
団体
出版文化会
静岡教育出版社
人数
役割
理事長
<校長OB>
1人
団体運営全般
専務理事兼事務局長
<教員OB>
1人
団体運営全般
その他
<校長OB>
6人
事務局内の各部署責任者として、
原稿の校閲及び図書教材研究委員
への助言等
常勤役員(取締役)
<校長OB>
1人
会社経営全般
非常勤役員(取締役・
監査役)
<校長OB>
6人
非常勤参与
<校長OB>
11人
会社の経営方針及び業務内容の共
通理解のための会議への参加
学校訪問
※役職名は不明
地区)
OBが1人の地区:8
OBが2人の地区:3
OBが3人の地区:2
20人
学生協職員の管理
総代会・理事会等の資料作成
学校訪問
学校訪問の内容
販売促進等
地区学生協(
13
役職
図書教材についての説明
学校現場からの要望や意見の聞き
取り
物品紹介、広報活動、補助教材へ
の意見要望の聞き取り等
17
改正地方公務員法の概要
地方公務員法の一部を改正する法律 (平成26年法律第34号) の概要
(平成26年5月14日公布、公布日から2年以内に施行)
項
目
元職員による働きかけ
の禁止
総務省は「職務の公正な執行及び公務に対する住民の信頼確保を図る
観点から、法の施行前であっても退職管理に取り組むこと」を奨励
内
容
営利企業等に再就職した元職員に対し、離職前の職務に関して、現職職員への働きかけを禁止
○離職前5年に担当した契約事務等の職務が対象
○退職後2年間、現職職員への働きかけを禁止
国家公務員法の趣旨等を勘案し、退職管理の適正を確保するために必要な措置を講ずる
退職管理の適正を確保
するための措置
再就職情報の届出
○国家公務員法の退職管理に関する規定
再就職状況の公表、再就職あっせんの規制、現職職員の求職活動の規制 等
○再就職状況の公表を行っている団体(H26.1.1時点、首長部局対象、総務省調査)
都道府県 47団体/47団体(100%)
指定都市 19団体/20団体( 95%)
市区町村 55団体/1,722団体(3.2%)
条例により、再就職した元職員に再就職情報の届出をさせることができる
○条例で定める内容:対象者、届出の義務付け期間、届出事項 等
人事委員会等による監
働きかけの規制違反に対する人事委員会又は公平委員会による監視体制を整備する
視体制の整備
罰則
○働きかけをした元職員 ⇒ 10万円以下の過料
○不正な行為をするよう働きかけをした元職員 ⇒ 1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
○働きかけに応じて不正な行為をした職員 ⇒ 1年以下の懲役又は50万円以下の罰金
○不正な行為を見返りとする再就職のあっせん、求職活動等をした職員 ⇒ 3年以下の懲役
18
国家公務員及び本県 (知事部局・教育委員会等) の状況
県退職者の再就職に関する取扱要綱
○知事部局では平成22年に要綱を制定し、国家公務員法と同様、退職後に再就職した者による現職職員への働きかけを規制
国家公務員及び本県(知事部局・教育委員会等)の状況と法改正後の状況
< 地方公務員法改正後 >
< 現 行 >
項目
国家公務員
知事部局
県教育委員会
市町立小中学校
根拠
働きかけ規 制
国家公務員法
(H22.1.1施行)
県退職者の再就職に
関する取扱要綱
県の規定なし
(H22.2.22施行)
離職前5年に担当した契約事務等の
職務に関し、離職後2年間、職務上
の行為をするように、又はしないよ
うに現職職員に依頼・要求すること
を禁止
内容は同左
離職前5年に担当し
た契約事務等の職務 県の規制なし
に関し、現職職員へ
の働きかけを退職後
2年間禁止
届出
定年又は勧奨退職し
職員が在職中に再就職の約束をした た全職員に対し、退
場合、元管理職職員が離職後2年間 職後2年間に再就職 県の義務付けなし
に再就職した場合の届出を義務付け した場合の報告を義
務付け
公表
管理職職員から届出のあった再就職
状況を毎年度公表
管理職職員に係る再
県の仕組みなし
再就職先の営利企業等との利害関係 就職状況を公表
状況(契約金額等)の公表
知事部局:警察、議会、教育委員会等を除く一般の行政組織
県教育委員会:事務局、県立の高等学校及び特別支援学校等
知事部局
県教育委員会
市町立小中学校
地方公務員法
(H26.5.14公布、公布から2年以内に施行)
改正後の地方公務員法が適用
(内容は国家公務員法と同じ)
改正後の地方公務員法では、条例で定め
るところにより届出させることができる
条例による規定を検討
各市町において判断
改正後の地方公務員法では公表に係る規定はなし
条例又は要綱を検討
各市町において判断
19
教員の知識・知見の活用や資質向上
教材づくりに教員が関わることの意義
項目
出版文化会の考え
全国図書教材協議会の考え
東京都の考え
教員の意見反映
教員の研修、専門性向上
教材の作成に当たってはユーザーであ
る教員の意見を取り入れる必要がある
児童生徒の実態を良く知る、実際に授業を
しかし、民間事業者にとって、公務員
行っている教員が、授業や家庭で使用する図書 である教員との関係を持つことは、非常
教材を執筆していることが最も大きな意義
にハードルが高いので、教員等へのアン
ケート聴取などにより、できる限り教員
の意見を反映させるよう努力している
児童・生徒の指導に直接
携わる教育職員が、教科書、
教材などの作成にかかわる
ことは、教育現場に適した、
児童・生徒が学びやすい教
科書及び教材の実現に効果
をもたらす
図書教材研究会議は、そのほとんどが教科書
別・学年別に行われるため、1グループが4~
6人程度の少人数であり、監修を務める校長・
教頭の指導を中心に、研究を深めたり、教育実
践につながる自己研鑽や他の研究委員との研修
交流の場になったりしている
教育職員自身の教科の専
門性の向上等の効果をもた
らす
研究への取組が、各研究委員の資質向上の機
会となっており、学習指導力の向上や学校及び
地域等での教育活動の充実にもつながっている
学校 (教員) を支援する県教育委員会の体制
組織
場所
総合教育センター
(通称:あすなろ)
掛川市
静東教育事務所
沼津市
静西教育事務所
掛川市
設置課名
機能
総務企画課
専門支援課
総合支援課
教職員の資質向上のための研究、研修
教科等の学習指導、生徒指導及び進路指導の研究、研修及び指導
教育の情報化の推進、教育に関する相談、生涯学習の推進
総務課
地域支援課
小学校及び中学校の運営指導
市町教育委員会への支援 ほか
20