平成26年度 多治見北高校 1年生沖縄研究講演会 リーディングプロジェクト ゼミ別課題研究 実施日 12月4日(木) 場所 多治見北高校体育館 講師 曽宮 演題 「沖縄を理解するために 和夫氏(環境省那覇自然環境事務所次長) ~自然を中心に~」 1年生は現在、来年の沖縄への修学旅行に向けて各自がテーマを設定し、事前の研究を 行っているが、その一環として曽宮氏に沖縄について講演をしていただいた。 氏のお話は沖縄の文化、歴史、沖縄戦、基地問題、自然と多岐に渡り、特にご専門の自 然については沖縄固有の生物や生物多様性のことから南西諸島の成り立ちに至るまで興味 深いお話をたくさんしていただき、寒い中ではあったが、生徒は熱心に耳を傾けていた。 生徒の感想(抜粋) ・第二次世界大戦の話では国宝が戦争で焼けてしまったという話を聞き、とても驚きまし た。沖縄には戦死者を弔う建物も多く、改めて沖縄地上戦のことを詳しく知りたいと思い ました。 ・沖縄は「進化のるつぼ」と呼ばれるほど固有の種がたくさん存在し、改めて生物が多様 であると感じた。 ・沖縄の歴史を詳しく学んだことがないので分からないけれど、三国志の話や第二尚氏の 話はもう少し知りたいと思います。 ・最後の方は「景観を読む」というお話を聞きました。これは自然の裏または成り立ちを 知るというようなことだったけれど、このことは私の研究テーマである「食」についても いえることだと思いました。 ・沖縄独特の大きなお墓には多くのご先祖様がいて、そこで宴会をすることや、お祈りや 言葉についても岐阜と多くの異なる点があると思いました。 ・「頭」を表す言葉は南西諸島だけでも10種類はあり、それはポルトガル語やスペイン 語がなまった発音からきていて、ヨーロッパあたりの文化も根付いていることを知りまし た。 ・曽宮さんが、マングースを全て捕獲し、殺処分することが目標とおっしゃっていました が、もともと人間が連れてきたのに、人間の都合で殺すのは沖縄の自然のためには仕方の ないことだとしてもむごいことだと思いました。こういう外来種を簡単に持ち込まないこ とが元の生態系を守るために必要だと思いました。 ・曽宮先生は、沖縄だけでなく日本各地、世界を回っていて、そこでいろいろな県境や文 化の違いを見てきたから、沖縄のことについてあれだけ詳しく話せるのだなと思った。沖 縄については、城の石垣がサンゴでできていること、昔から日本本土とは遠く離れていた こと、台湾などのアジア、東南アジアの国々が近くにあることや、アメリカ軍基地がある ことによる異国の文化を取り入れた、多様性のある文化があることがわかった。 ・実際に本州や世界の国々と比較したグラフなどの資料や、沖縄の中での比較など明らか になっていたのでわかりやすかったです。特に数々の写真は美しいものが多くて、きれい だな、実際に行って見たいなぁなど沖縄への意識、意欲を高めるものばかりでした。 ・自然を中心としたお話でしたが、集団自決についてのお話もありました。手榴弾を抱い て爆発させて多くの人が亡くなったと聞いたときに、そこがどれほど激しい戦場だったの だろうかということを思いました。自ら命を絶たなければならないほどに追い込まれた状 況だったのかと考えさせられる話でした。 ・クジラは沖縄付近の海で子を産み育てる。だから沖縄は大切な子育ての場であると初め て知りました。私も来年沖縄に行ったとき、沖縄の「多様性の素晴らしさ」や「不思議へ の気づき」を生でより多く感じることができるようにしたいなと思いました。
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