臨床スポーツ2013

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糖質制限食 の有効性 とそのエ ビデ ンス
は じめに
1.糖 質制限食の有効性
2011年 に英 国糖 尿 病 学 会 が 8年 ぶ りに evi―
そ
糖質制限食がその有効性 を最初 にアメリカ糖尿
こに記載 されていたポイ ン トを糖 質 に注 目した観
病学会 に認め られたのは減量 に対 してであった。
2008年 の栄養療法に関する position statementに
dence― based nutridon guidelineを
1)。
改訂 した
点でまとめると以下の 3つ があげ られる。
① 三大栄養素比率 よ り全 エ ネルギ ー摂取量 に
焦点 を当てるべ きである。
② かつ ての勧告 では糖質摂取 45∼ 60%に すべ
きとされていたが,医 学的根拠 に乏 しく, もっと
柔軟 な糖質摂取 を勧める (カ ーボカウ ン ト,低 GI
食な ど
おいて,短期 の減量効果について低脂質 カロ リー
制限食 と同様 に糖 質制限食 も有効であろ う と記 さ
れ た の で あ るの。 これ は,2007年 まで の state‐
mentに おける記述 “
1日 130g未 満 の糖 質制 限は
してはい けない"に 比較 して,大 きな変化 で あ っ
た
3)。
)。
③ 糖質制限食 は議論が分かれてい たが,最 近
のメタ解析か らは減量 ,血糖管理に有効であ り
専門家 のサポー トの下なら一つの選択肢 としてよ
,
い とい う概念 を英国糖尿病学会は支持する。
その後 ,ア メリカ糖尿病学会 のシステマテ イッ
クレビューにおいては,糖 質制限食が血糖管理や
脂質管理 に対 して も有効であることが示唆 されて
い る°.現 時点 で もアメリカ糖尿病学会 は特定 の
上記③ にあ るように,糖 質制限食 には賛否両論
の意見があ つたが,ご く近年 になって,治 療選択
1'a。
し
肢 として認め る とい う学会が出つつ ある
三大栄養素比率が糖尿病治療 に有効 で ある とは し
5),
このシステマ テイック レビュ ー に
てい ないが
か しなが ら,ま だなお懸念 を持たれる読者 の先生
もお られ よ う。そ こで,本 稿 では,“ 糖質制限食
糖管理や脂質管理に対する有効性 を示 さなか った
のに対 して,糖 質制限食 の成績 の良 さは特筆すべ
は普及 させ て よいが,注 意点 を知 る専 門家 のサ
ポー トを受 けなけれ ばな らない"と い う考 えに沿
い,糖 質制限食 の有効性 (メ リッ ト)お よびそのエ
きものであ った とい える。特 に中等 ∼高糖質食 の
レビュー において採用 されたメタ解析 もしくはレ
ビデ ンス,懸 念 される欠点 (デ メ リッ ト)あ るい は
問題点 につ き述べ ,そ の上で運動パ フォーマ ンス
に対する糖 質制限の影響 について触れたい。
*
お いて,中 等 ∼高糖質食や低脂質食が ほとん ど血
ビューは 2件 と もに,中 等 ∼ 高糖 質食が対 照食
(す なわち比較的低糖質食)に 対 して血糖管理や脂
質管理 において劣 つていたことを示 してお り,逆
の視点に立て ば,糖 質を控 える ことの血糖管理に
対す る意義 はかな り確立 されつつ ある とい えるで
あろう
4)。
北里大学北里研究所病院糖尿病センター
臨床 スポ…ツ医学 Vol.30, No.10(2013-10)
:
0289-3339/13/¥100/頁 /JCOPY
995
特集 糖尿病運動療法 :運 動指導成功のためのノウハウーホップ・ステップ 0ジ ャンプー
また,脂 質 に関 してい えば,糖 質制限食 は,相
対 的 に脂 質摂取 が増加す るため,血 中脂質 プ ロ
ファイルに悪影響 を及 ぼす であろ うとの仮説が存
在 したが,上 記 の レビュー によりほぼ否定 された
といってよい→。 さらに,2012年 に報告 されたメ
タ解析 もしくは レビューは 2件 ともに糖質制限食
の脂質 プロファイルの有意な改善効果 を示 してい
6,7).
る
さらに, この 2012年 に報告 されたメタ解析 の
うちの Santosら の解析 では,収 縮期血圧 ,拡 張
期血圧 ともに糖 質制限食 によつて改善 してお り
血圧改善効果 も糖質制限食に よって期待 で きる こ
,
糖質制限食 に懸念 されることと問題点
1.糖 質制限食 に懸念 されること
アメ リカ糖尿病学会 は 2008年 以降,減 量 に対
「糖 質の推
す る糖質制限食 の有効性 を認めつつ も
奨量が 130gで あることは心に留めるべ きである」
との記載 を して い るい。その理 由 として,「 長期
の代謝効果 は不明で,エ ネルギー,線 維,ビ タミ
ン, ミネラルの重要な源であ り,食 事 による満足
感 に重 要な,多 くの食物 を除去 させて しま う」と
い う内容が記載 されてい る。 しか し,こ の記述の
エ ネルギー,線 維 , ビタミン
うちの後半部分 “
,
ミネラルの確保"お よび “
食事 による満足感"に つ
6).
とが知 られるようになった
これ らの糖質制限食 のメタボ リックシン ドロー
いては,か つての Atkins diet(1日 20g以 下に糖
ムの構成要素 (肥 満,血 糖異常 ,脂 質異常 ,血 圧
異常)す べ て を改善す る効果 が発現す る機序 とい
質 を制限することで減量効果 を得 ようとす る極端
な糖質制限食 の代表例)に つい て問題 とされた も
のであ り,糖 質制限食全般 についての問題 ではな
うものは,ま だよくわかつていない。 まず,多 く
の研究が示す ところは,カ ロ リー無制限の糖質制
限指導 によって も,摂 取 カロ リーが減少する こと
であるの。 よつて,糖 質制限食 の有効性 は,少 な
くとも部分的 には,自 ず と付随す るカロ リー制限
給食 として糖 質制 限食 を提供 し,2012年 2月 よ
「糖質制限食」とい う名 日での保険算定 を認めら
り
れてい るがぅその際にエ ネルギー,線 維 , ビタミ
によって得 られる もの と考 えられる。
一方,摂 取 カロ リーの減少が ほぼ同等 であ って
ン, ミネラルが適正に確保 で きてい ることを確認
していただいてい る。また,院 内 レス トラ ンの ラ
も,減 量効果が糖質制限食 で大 きいこ とか ら,摂
取蛋 自 の増加 に伴 う基礎 代 謝率 の上 昇 (エ ネ ル
ギー消費 の増加 )の 関与 も考 えられてい るの。
また,糖 質制限食では,イ ンス リン分泌 を減少
ンチセ ッ トとして糖質制限メニュー を提供 してい
るが,ラ ンチセ ッ トメニューの中で最 も人気の高
い。実際,北 里研究所病 院では 2009年 よ り病院
いメニュー となってお り,食 事 による満足感 も高
いことが証明されてい る。 よって,残 される懸念
させ ることが知 られてお り,結 果 として脂質異化
に働 くホルモ ン感受性 リパーゼのインス リンによ
「長期の代謝効果が不明」の一点につ きる。 し
点は
か し,す でに欧米 にお い ては DIRECT試 験 とい
る抑制が軽 くな り,脂 質 同化 に働 くリポ蛋 白 リ
パーゼのインス リンによる活性化 が減 って,脂 質
う試験 での 6年 間での糖質制限食 の体重 ,脂 質改
善 に対する有効性が示 されてお り,6年 間での代
が異化 に傾 き体重が減少す る可能性 も予想 され
謝効果 は証明済みである
一方,糖 質制限食 に今 なお反対 される医療従事
る。
2.糖 質制限食 のエビデ ンス
ここ数年 の糖質制限食 に関するシステマテイッ
クレビュー もしくはメタ解析か ら採用 されてい る
論文 を取 り上 げ,そ の評価 を示 したのが表 1で あ
10)。
る
現在 の ところ,介 入試験 につ い ての シス
テマ テ イック レビュ ー もしくは メタ解析 にお い
て,部 分的な もの も含めれば糖質制限食の有効性
を示 さなか った ものはない とい つて よい で あろ
う。
臨床 スポーツ医学
:Vol。
11)。
者が懸念す るのが,観 察研究において糖質摂取比
率が少ない集団において認め られた動脈硬化症 の
発症増加や死亡率 の増加 である。記憶 に新 しいの
は,Lagiouら のス ウェー デ ン女性 の コホ ー ト研
1°
究における動脈硬化症発症率 の増加 や Notoら
の観察研究 9件 のメタ解析 にお け る死亡 率 の増
1°
加 で ある: しか し,こ う した懸念 に欠 けて い
るのは,相 関か らは因果関係 を求める ことがで き
ない (correlation does not imply causation)と い
30,No。 10(2013-10)
トビックス 糖質制限食の位置づ け
表 1● 糖質制限食 についてのエビデンス
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脂質制限食
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脂 質制限食
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Gutierrez(1998)
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デー タが示 されて い ない
(文 献 10よ り抜粋 )
う観察研究の限界 についての認識である
観察研究 は,注 目す る環境 (今 回の場合は,少
因子 と呼 ぶ
未知 の交絡 因子 の 除夕れま理論 的 に不
可能 で あ る
一 方 ,交 絡 因子 を除外 して因呆 関係
ない糖質摂取)へ の曝露 の有無 で集団を分類す る
が,曝 露 の有無以外 の環境が両群 において同等 で
を求 め るた め に実 施 され るのが無 作 為 比 較 試験
あることを保証 しない すなわち,曝 露の有無以
(曝 露 の 有 無 )を 決 定 す るの で ,理 論 的 に は 介 入
外 の環境 がアウ トカムに影響 を及ぼ してい る可能
性 を除外で きない とい う欠点があ る これを交絡
(曝 露 の有無 )以 外 の条件 は両者 で均 一 にな る もの
臨床 スポ ーツ 医学
(介 入試験 )で ある
と期待 され る
:Vo1 30,No 10(201310)
介入試験 で は,無 作為 に介入
もちろん,観 察研 究 は安価 に多量
特集
糖尿病運動療法
:=動 指導成功のためのノウハウーホ ップ・ ステップ・ ジャンプー
の症例数を確保 し,長 期間の経過を見ることがで
きるという利点があるが,因 果関係があると断定
することはできないのである。
b.糖 質制限食 は動脈硬化症 の発症 や死亡率
と全 く関係 しな い (擬 似 因 果 関 係 faに e
causalityあ るいは無実の傍観 者 innOcent
一般 に観察研究の結果 には以下の 3つ の解釈が
bystanderl
糖 質 を制限す ることに問題 はないが ,代 わ りに
あ りえる。
a.糖 質制限食 が動脈硬化症発症率や全死亡率
を上昇 させる (因 果関係 pos蘭 ve causality)
動物性蛋 白・動物性脂肪 を多 く摂取す る と問題が
生 じる とい う考 え方であ る。
ただ,こ の場合 には無作為比較試験 において血
糖 ・血圧 ・脂質 ・体重 を改善する ことが示 されて
例えば Nurses'Health Studyと い う観察研究で
は,糖 質を少なく摂取 しながら植物性蛋白質,植
物性脂質を摂取 していると,動 脈硬化症 は増加ど
ころか減少 しているかもしれない とい う結果であ
い る糖 質制限食 が どの ような機序 でその ような結
る
糖質を制限す ると動脈硬化の発症率や死亡率が
高 くなるとい う解釈 である。
果 を生 じせ しめるのかについての基礎医学的な理
論が必要 であ る。
これまで,そ のような基礎医学的理論 を打ち立
14∼ 1つ
てる 目的で実施 された研究が複数ある
。し
か し,動 物実験 によって糖 質制限高蛋 白食 の動脈
14,lD,ぃ
硬化症促進作用 を示 した論文 は
ずれ も
動 脈 硬 化 惹 起 性 蛋 白 と して 知 られ る カ ゼ イ
ン18∼ 20)を 蛋 白 として採用 してい た.よ って,現
在 まで ヒ ト糖質制限食 のモデル動物実験 は存在 し
ない とい える。
臨床介入試験 によって糖 質制限食 の動脈硬化促
23).
このことは,糖 質制限す ることが動脈硬化症 と
関連 してお らず,糖 質 を少な く摂取 してい る群が
動物性蛋白質,動 物性脂質を多 く摂取 してい ると
動脈硬化症が惹起 され,植 物性蛋 白質,植 物性脂
質 を多 く摂取 してい ると動脈硬化症が予防される
とい う可能性 を示唆する (こ の ような関係 を innO_
cent bystander(無 実 の傍観者)と 呼ぶ).
この考え方 をサポー トす るデー タが前述のカゼ
18,19,糖
イ ンの研究 で あ り
質制 限 をす る際 に
・
るよ
うに指導す る先生 も
動物性蛋白 脂質を控え
,
お られるようである。
c.糖 質制限食 は動脈硬化症 の発症 や死亡率
進作 用 を示 した とされ る論文 は,a哩 田 entadon
index(AI)1° や ■ow― mediated diladon(FMD)17)
に対 して予防的である (因 果の逆転 reverse
を指標 としてい る。 しか し,前 者 においては糖 質
causal:w)
に糖 質制限食が対照食 (脂 質制限食)よ りも動脈硬
糖質制限自体 は動脈硬化 に予防的・治療的であ
るが,動 脈硬化症 の予防や治療が必要な人 ほど糖
質 を少な く食べ てい るため,因 果関係が逆に見え
化症 に予防的に作用 していた。後者 においては糖
るとい う解釈 である.例 えば,糖 尿病治療 におい
質制限食 で FMDの 有意 な悪化 (8.2± 0。 7%か ら
0.6%)(p=0.049)が 10人 の被 検 者 にお い
ては非薬物療法患者が一 番血糖 管理が良好 で あ
り,経 口薬のみの患者がその次に良 く,イ ンス リ
制限食群 では統計学的 に有意な AIの 変化 は生 じ
てお らず,逆 に脂 質 プロファイルについては明確
6.8±
てみ られた と して い る。 しか し,糖 質制 限食 で
ン使用患者 が最 も血糖管理が悪 い ことが知 られ
FMDの 改 善 を認 め た とい う論 文 も存 在 してお
り
21),FMDの 低下 が ことによるとケ トン体産生
る。ここに因果関係 をつ けて しまうとイ ンス リン
使用が血糖管理 を悪 くしてい るとい うことになる
食に限定 された ものである可能性 も示唆 されてい
2の
る 。 ょって,ヒ トの研 究 にお い て も糖 質制 限
が,こ れはそ うではな く,血 糖管理が困難な患者
ほどイ ンス リンを使用 してい るのである。
食が動脈硬化症 を惹起するとい う医学的 に確実な
デー タは存在 していない とい う状況 である。
何 らかの理由で動脈硬化症 を惹起 しやす い状況
にある集団 (例 えば肥満だった人)が ,そ の治療 を
目的にして糖質を少なめに摂取 してい るとい う環
境 にあれば,糖 質 を少なめに摂取 してい る群ほど
動脈硬化症 を惹起 しやす い とい う結果が得 られて
998
臨床 スポーツ医学
:Vol。
30,No.10(2013-10)
トビックス 糖質制限食の位置づ け
も不思議 ではない。
個人的には観察研究 ではあ って も,糖 質 を少な
く摂取 している集団におい て問題が指摘 された こ
表 2◆ アメ リカ栄養士会,カ ナダ栄養士会,ア メ リカスポーツ
医学会合同声明 におけるアスリー トの糖質摂取
とを無視す るべ きではない と思 う.現 時点 では
,
糖質市1限 食 を指導す る際には横断歩道 を渡るよう
な気持ちで,「 右 を見て,左 を見て,注 意 して渡
る (動 脈硬化症やその他 の指標 を注意 して観察 し
なが ら指導する (実 施する))」 とい う考え方 をもつ
(文 献 29よ り作表)
べ きである と思っている。
2.糖 質制限食の問題点
上記の動脈硬化症や死亡率へ の懸念 のほかに
実際,流 行 つているようである。 しか し,極 端な
現時点で糖質制限食が抱 える問題点 として 4つ あ
げたい
糖質制限食 の結果 ,十 分なカロ リーの摂取が で き
ず飢餓状態 に陥った り,ケ トアシ ドーシス を生 じ
第一 にはその定義が定まってい ないこ とがあげ
られる
実際,難 治性 て
んかんに対す る治療食 としてケ トン産生食 を指導
Westmanら は 1日 50∼ 150gの 糖質摂取 をもっ
て定義 し,Accursoら は 1日 130g以 下の糖 質摂
取 をもって定義 している.個 人的には,食 後高血
す る場合 にも,カ ルニチ ン採血や腹部超音波,心
臓超音波検査 といった付加的な検査 をする ことで
は じめ て 安 全性 が確 保 で きる もの とされ て い
糖 の是正 とい う糖質制限食 のメリッ トを享受する
ためにも 1食 当た りの糖質量 で定義す る必要があ
ィギ リス糖尿病学会 が勧告す るよ うに
1).特 に
専門家 のサポー トがあるべ きであろう
ると考 えてお り,1食 20∼ 40g,1日 70∼ 130gの
SU薬 やイ ンス リン製剤 を使用中の患者での低血
糖質摂取 で もって糖質制限食 と呼称す ることを提
案 したい。
糖 についての注意が望ましい
,
この量 で あれ ば,DIRECT試 験 にお いて認 め
られた体重 ,脂 質,血糖改善効果 を確保する こと
がで き,な おかつ ケ トン血症 をも避けることがで
きる
.
また,第 二に腎症患者へ の適応の問題 もあげら
れる
.
腎症 3期 以降は蛋白制限食の適応であるが,糖
質制限食 は代替 として蛋白摂取量が増加する こと
24,2→
る症例が報告 されて い る
2の
る
,
,
これ らの患者が糖
質制限食 に加 え,運 動療法 を実践す る際に も薬物
の減量 のような注意が必要か もしれない
.
お わ りに 一運動 パ フ ォーマ ンスに対 す る糖 質
制 限 の影響
糖尿病専門医である筆者 が,ス ポ ー ツ医学 を専
門 とされる読者 の先生方 の前でスポーツ栄養 につ
いて記述することは難 しいが,現 時点 での筆者 の
が多 い。 よって,3期 以降の腎症患者 には避 ける
べ きである と考えられ る
そ して,第 二には小児 お よび妊婦へ の適応の間
認識 を述べ る
題がある
て,筋 肉内 のグリコーゲ ン貯蔵 を高めることが よ
い とされて い た2の _方 ,最 近で は限 りあ る筋
.
小児お よび妊婦へ の長期 の安全性 は証明 されて
お らず,少 な くとも杓子定規 な糖 質制限の指導 は
避けなけれ ばならないであろう
第四に極端 な糖 質制限食が巷 に流行 っている
ことが 問題 として あげ られる 極端 な糖 質制限
(1日 50g以 下程度の糖質摂取 )を ダイエ ット法や糖
尿病治療食 として取 り上げてい る先生がお られ
,
.
「カーボ ローデ ィ ング」といっ
筆者 が学生時代 は
て,ス ポ ー ツ競技 の前 には糖 質 を多量 に摂取 し
肉内グリコーダ ンを保持で きるように筋肉 の脂肪
酸酸化能力 を高め るべ きであ り, トレー ニ ング
の時期 には糖 質 を制限 し,試 合 の時期 に糖 質 を多
「trttn low,compete high*」 と
く食 べ る とい う
しか し,運 動 パ
ーマ
ンス
フォ
に対する糖質摂取量 を詳細 に検討 し
い う概念 も提 唱 されて い る2の
臨床スポーツ医学 :VoL 30,No 10(201310)
特集
糖尿病運動療法 :運 動指導成功のためのノウハ ウーホ ップ・ステップ・ジャンプー
表 3● Burkeら が推奨す るアスリー トの糖質摂取
早常攀狩●
甲得甲 │
│■│■ │■ ■1■ ■ lill::
ニ ング
=│ダ
軽度 トレー
軽強度運動 または技術 トレーニ ング
3∼ 5g/kg/日
│1幸│15-― ´ ⅢI識 卦榊榊│││1岬 │,││11111 ││,柵伸イ岬││││■
6∼ 10g/kノ 日
持久カ トレーニ ング(1∼ 3時 間/日
高度 トレーニ ング
^■
二L』′
ニ
1ク 百
超高度 トレ■ ング
な
││'■
.:│^れ ヽレ │=′ グ
)
競技前お よび重要 な トレーニ ング時期
1市 撃中Ⅲ
│11111■
‐
│:● ::● :1■ : │■ │
イベ ン ト前補給
m‐‐
帥
‖
,1.1)「 F‐ 1:l「
FlT「
■
11か‐ ,FI
│‐
│1守
l∼ 4g/kgを イベ ン トの 1∼ 4時 間前 に
ト
│││
││1満 │イ
満
│■ 111 ││││を │1111111‐ │11111
1轟
スポ ー ツ ドリ ンクを数 口
の
運
動
中
"││■
`■
‐ │ │ヤ │1中 ‐
■│■ │ ‐
■││ 130-61纂 可■││││■ │:11
長時間のイベ ン ト中
1持続運動中
補砕
■ │■ ││,伸
41叫 1■1111■
90分 以上 の持続的 または間欠的運動 イベ 10∼ 12g/kノ 日を 15∼ 2日
ン トの準備
カ ー ボ ロー デ イング
急遠面覆│● :
":
``■
‐
■■│││││ :"ρ体仲 0澤勲4,71ψ
^│ン
45∼ 75分
│●
215∼ 3時 間以上の運動中
超長時間運動中
90g/時 間以上
(文 献 30よ
て い る Burkeの 考 え で は,train low,compete
highの 概 念 は必 ず しも立 証 され て い な い よ うで
2い
Diabetes Care 31 : S61-S78,2008
Americaln Diabetes Association: Standards of
medical care in Diabetes 2007 Diabetes Care
ょっ
30 : S4-S41 2007
て ,現 時点 で は,積 極 的 にアス リー トに糖 質制 限
ヽ
Vheeler, N4 L et al : Iゃ IacrOnutrients, food
を適用す る必 要 はない
現時点 にお けるアス リー
トに お け る 糖 質 摂 取 量 に つ い て の ACSMと
groups,and eating patterns in the management
of diabetes Diabetes Care 35 1 434-445,2012
Arnerican Diabetes Association i Standards of
29,30
Burkeの 考 え を表 2,3に 示す
*似
medical care in Diabetes 2013 Diabetes Care
36 i Sll―
た 用 語 に,「 live― high,train low」 が あ る
S66,2013
Santos,F L et al i Systematic reviev′
and me―
が ,こ れ はキ ャ ンプ地 を高地 に張 って,練 習 は平
ta― analysis
地で行 う とい う, トレーニ ングにお け る標 高 を気
carbohydrate diets on cardiovascular risk fac―
of clinical trials of the effects of lo、
ァ
tors Obes Rev 13 : 1048-1066 2012
にす る際 の用 語 で あ る
7)
文
)
ommendations and interventions fOr diabetes
あ り,運 動 パ フ ォーマ ンス に対 して は しっか りと
糖 質 を摂 取 して お い て よい と思 わ れ る
り抜粋
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versus loM′ ―
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