一I 一I 一I 一I ¨I ¨I ¨ 山 ¨ ∵三 二 三 言 貫 工 〓 〓 Ξ 工 試 〓 〓 〓 露 〓 一 悟 ¨ 〓 1 ¨I 一要 一I 一I ¨I 一H ¨ I II一 I一 II一 I田 一 III一 三 一 ナ 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ¨ ¨ 一 一 一 一 一 一 一 一 一 ¨ 一 一 一一 一 . 〓 位〓 華 〓 〓 ・ ●IのIIIIII ■ 套華 I I I 一 ジキンプー 琶藝嚢 糖質制限食 の有効性 とそのエ ビデ ンス は じめに 1.糖 質制限食の有効性 2011年 に英 国糖 尿 病 学 会 が 8年 ぶ りに evi― そ 糖質制限食がその有効性 を最初 にアメリカ糖尿 こに記載 されていたポイ ン トを糖 質 に注 目した観 病学会 に認め られたのは減量 に対 してであった。 2008年 の栄養療法に関する position statementに dence― based nutridon guidelineを 1)。 改訂 した 点でまとめると以下の 3つ があげ られる。 ① 三大栄養素比率 よ り全 エ ネルギ ー摂取量 に 焦点 を当てるべ きである。 ② かつ ての勧告 では糖質摂取 45∼ 60%に すべ きとされていたが,医 学的根拠 に乏 しく, もっと 柔軟 な糖質摂取 を勧める (カ ーボカウ ン ト,低 GI 食な ど おいて,短期 の減量効果について低脂質 カロ リー 制限食 と同様 に糖 質制限食 も有効であろ う と記 さ れ た の で あ るの。 これ は,2007年 まで の state‐ mentに おける記述 “ 1日 130g未 満 の糖 質制 限は してはい けない"に 比較 して,大 きな変化 で あ っ た 3)。 )。 ③ 糖質制限食 は議論が分かれてい たが,最 近 のメタ解析か らは減量 ,血糖管理に有効であ り 専門家 のサポー トの下なら一つの選択肢 としてよ , い とい う概念 を英国糖尿病学会は支持する。 その後 ,ア メリカ糖尿病学会 のシステマテ イッ クレビューにおいては,糖 質制限食が血糖管理や 脂質管理 に対 して も有効であることが示唆 されて い る°.現 時点 で もアメリカ糖尿病学会 は特定 の 上記③ にあ るように,糖 質制限食 には賛否両論 の意見があ つたが,ご く近年 になって,治 療選択 1'a。 し 肢 として認め る とい う学会が出つつ ある 三大栄養素比率が糖尿病治療 に有効 で ある とは し 5), このシステマ テイック レビュ ー に てい ないが か しなが ら,ま だなお懸念 を持たれる読者 の先生 もお られ よ う。そ こで,本 稿 では,“ 糖質制限食 糖管理や脂質管理に対する有効性 を示 さなか った のに対 して,糖 質制限食 の成績 の良 さは特筆すべ は普及 させ て よいが,注 意点 を知 る専 門家 のサ ポー トを受 けなけれ ばな らない"と い う考 えに沿 い,糖 質制限食 の有効性 (メ リッ ト)お よびそのエ きものであ った とい える。特 に中等 ∼高糖質食 の レビュー において採用 されたメタ解析 もしくはレ ビデ ンス,懸 念 される欠点 (デ メ リッ ト)あ るい は 問題点 につ き述べ ,そ の上で運動パ フォーマ ンス に対する糖 質制限の影響 について触れたい。 * お いて,中 等 ∼高糖質食や低脂質食が ほとん ど血 ビューは 2件 と もに,中 等 ∼ 高糖 質食が対 照食 (す なわち比較的低糖質食)に 対 して血糖管理や脂 質管理 において劣 つていたことを示 してお り,逆 の視点に立て ば,糖 質を控 える ことの血糖管理に 対す る意義 はかな り確立 されつつ ある とい えるで あろう 4)。 北里大学北里研究所病院糖尿病センター 臨床 スポ…ツ医学 Vol.30, No.10(2013-10) : 0289-3339/13/¥100/頁 /JCOPY 995 特集 糖尿病運動療法 :運 動指導成功のためのノウハウーホップ・ステップ 0ジ ャンプー また,脂 質 に関 してい えば,糖 質制限食 は,相 対 的 に脂 質摂取 が増加す るため,血 中脂質 プ ロ ファイルに悪影響 を及 ぼす であろ うとの仮説が存 在 したが,上 記 の レビュー によりほぼ否定 された といってよい→。 さらに,2012年 に報告 されたメ タ解析 もしくは レビューは 2件 ともに糖質制限食 の脂質 プロファイルの有意な改善効果 を示 してい 6,7). る さらに, この 2012年 に報告 されたメタ解析 の うちの Santosら の解析 では,収 縮期血圧 ,拡 張 期血圧 ともに糖 質制限食 によつて改善 してお り 血圧改善効果 も糖質制限食に よって期待 で きる こ , 糖質制限食 に懸念 されることと問題点 1.糖 質制限食 に懸念 されること アメ リカ糖尿病学会 は 2008年 以降,減 量 に対 「糖 質の推 す る糖質制限食 の有効性 を認めつつ も 奨量が 130gで あることは心に留めるべ きである」 との記載 を して い るい。その理 由 として,「 長期 の代謝効果 は不明で,エ ネルギー,線 維,ビ タミ ン, ミネラルの重要な源であ り,食 事 による満足 感 に重 要な,多 くの食物 を除去 させて しま う」と い う内容が記載 されてい る。 しか し,こ の記述の エ ネルギー,線 維 , ビタミン うちの後半部分 “ , ミネラルの確保"お よび “ 食事 による満足感"に つ 6). とが知 られるようになった これ らの糖質制限食 のメタボ リックシン ドロー いては,か つての Atkins diet(1日 20g以 下に糖 ムの構成要素 (肥 満,血 糖異常 ,脂 質異常 ,血 圧 異常)す べ て を改善す る効果 が発現す る機序 とい 質 を制限することで減量効果 を得 ようとす る極端 な糖質制限食 の代表例)に つい て問題 とされた も のであ り,糖 質制限食全般 についての問題 ではな うものは,ま だよくわかつていない。 まず,多 く の研究が示す ところは,カ ロ リー無制限の糖質制 限指導 によって も,摂 取 カロ リーが減少する こと であるの。 よつて,糖 質制限食 の有効性 は,少 な くとも部分的 には,自 ず と付随す るカロ リー制限 給食 として糖 質制 限食 を提供 し,2012年 2月 よ 「糖質制限食」とい う名 日での保険算定 を認めら り れてい るがぅその際にエ ネルギー,線 維 , ビタミ によって得 られる もの と考 えられる。 一方,摂 取 カロ リーの減少が ほぼ同等 であ って ン, ミネラルが適正に確保 で きてい ることを確認 していただいてい る。また,院 内 レス トラ ンの ラ も,減 量効果が糖質制限食 で大 きいこ とか ら,摂 取蛋 自 の増加 に伴 う基礎 代 謝率 の上 昇 (エ ネ ル ギー消費 の増加 )の 関与 も考 えられてい るの。 また,糖 質制限食では,イ ンス リン分泌 を減少 ンチセ ッ トとして糖質制限メニュー を提供 してい るが,ラ ンチセ ッ トメニューの中で最 も人気の高 い。実際,北 里研究所病 院では 2009年 よ り病院 いメニュー となってお り,食 事 による満足感 も高 いことが証明されてい る。 よって,残 される懸念 させ ることが知 られてお り,結 果 として脂質異化 に働 くホルモ ン感受性 リパーゼのインス リンによ 「長期の代謝効果が不明」の一点につ きる。 し 点は か し,す でに欧米 にお い ては DIRECT試 験 とい る抑制が軽 くな り,脂 質 同化 に働 くリポ蛋 白 リ パーゼのインス リンによる活性化 が減 って,脂 質 う試験 での 6年 間での糖質制限食 の体重 ,脂 質改 善 に対する有効性が示 されてお り,6年 間での代 が異化 に傾 き体重が減少す る可能性 も予想 され 謝効果 は証明済みである 一方,糖 質制限食 に今 なお反対 される医療従事 る。 2.糖 質制限食 のエビデ ンス ここ数年 の糖質制限食 に関するシステマテイッ クレビュー もしくはメタ解析か ら採用 されてい る 論文 を取 り上 げ,そ の評価 を示 したのが表 1で あ 10)。 る 現在 の ところ,介 入試験 につ い ての シス テマ テ イック レビュ ー もしくは メタ解析 にお い て,部 分的な もの も含めれば糖質制限食の有効性 を示 さなか った ものはない とい つて よい で あろ う。 臨床 スポーツ医学 :Vol。 11)。 者が懸念す るのが,観 察研究において糖質摂取比 率が少ない集団において認め られた動脈硬化症 の 発症増加や死亡率 の増加 である。記憶 に新 しいの は,Lagiouら のス ウェー デ ン女性 の コホ ー ト研 1° 究における動脈硬化症発症率 の増加 や Notoら の観察研究 9件 のメタ解析 にお け る死亡 率 の増 1° 加 で ある: しか し,こ う した懸念 に欠 けて い るのは,相 関か らは因果関係 を求める ことがで き ない (correlation does not imply causation)と い 30,No。 10(2013-10) トビックス 糖質制限食の位置づ け 表 1● 糖質制限食 についてのエビデンス ■■1■‖│■│ なし―‐ Robertson(2002) △ │,1■ │11111‖ ‖ ヽ││´¨ ‖│ 〇 │││││││││││ド Halmoto(2009) 一 一 ” ¨ ○ 暉 躙 smgle arml■ │■ ○ 中│ │││││││`2¨ ,'│■ ││││1111幹幸 Nielsen(2005) 標準バ ランス食 ○ 朝 ○ ○ 一△= 一 ム 一一一 ..│ ○ 〇 ○ ⅢⅢI■ ‖ ││││′ ヽ 「 │ ‐‐ │■ 191■ ││││││││‐ 期 剛 │■ ‐ 111瞑 査│ 1首 責 剛― ‐ ド写オ 1曝 拿 静 ○ │ │′ fゞ ○ 1価 ○ △ │■仰 中 ト OnSSOn(2009) 」 脂質制限食 △ 12`ヽ ○ △ ○ 〇 悪化 もしくは右意に劣悪,na ○ :有 意な改善 もしくは有意に優越.△ :不 変 もしくは同等 1今 。 。 。一 ¨ 〓 一 一 一一 一 一 一 一 基 │ 11Ⅲ Ⅲ IIII`Ⅲ → ○ 19 0‐ 肝 │二`==‐ == ■‖ 洲 ‖ │ 硼 │ △ ‐1今 ││││■ │││││‐ Miyashita(2004) ' ○ 一 一一一 一 一 一一 ・ ・ ¨ ■ⅢⅢⅢⅢ¨ 101 F ■ 一 一= ==璽 や ⅢK200'1111 ‐ ‐Day(2006) ○ 〇一 △ 一 il na ゛や ヽや 込や oお 1lr彙 〇 m‖ 0111 │ ││・ I Stё △ △ (2904)│││ │■ 脂質制限食│ │IVe啓 Ⅲ尋 │ ‐ ‐ △ # lI"1111‖ 静馨榊 │11ヨ 叩 1嘩 "Ⅲ IⅢⅢⅢIⅢll■ 脚 繭薫 ・ ・ rn(2010) │ ○ 一 一一 帷 一〓一〓・一 一 △ IⅢ III■ 11■■ ‖ ‥ Brehm(2003) 脂 質制限食 BmkwoⅢ │III‖ 馨申■│ 嚇 〇 ‖ ‖i 標準 バ ラ ンス食 ‖卜 101 l‐ │‖ ‖ 11111111・ │‐ ‐││││‐ 111111111 `¨ △ △ なし Gutierrez(1998) na │ ■ ■I■│ ○ デー タが示 されて い ない (文 献 10よ り抜粋 ) う観察研究の限界 についての認識である 観察研究 は,注 目す る環境 (今 回の場合は,少 因子 と呼 ぶ 未知 の交絡 因子 の 除夕れま理論 的 に不 可能 で あ る 一 方 ,交 絡 因子 を除外 して因呆 関係 ない糖質摂取)へ の曝露 の有無 で集団を分類す る が,曝 露 の有無以外 の環境が両群 において同等 で を求 め るた め に実 施 され るのが無 作 為 比 較 試験 あることを保証 しない すなわち,曝 露の有無以 (曝 露 の 有 無 )を 決 定 す るの で ,理 論 的 に は 介 入 外 の環境 がアウ トカムに影響 を及ぼ してい る可能 性 を除外で きない とい う欠点があ る これを交絡 (曝 露 の有無 )以 外 の条件 は両者 で均 一 にな る もの 臨床 スポ ーツ 医学 (介 入試験 )で ある と期待 され る :Vo1 30,No 10(201310) 介入試験 で は,無 作為 に介入 もちろん,観 察研 究 は安価 に多量 特集 糖尿病運動療法 :=動 指導成功のためのノウハウーホ ップ・ ステップ・ ジャンプー の症例数を確保 し,長 期間の経過を見ることがで きるという利点があるが,因 果関係があると断定 することはできないのである。 b.糖 質制限食 は動脈硬化症 の発症 や死亡率 と全 く関係 しな い (擬 似 因 果 関 係 faに e causalityあ るいは無実の傍観 者 innOcent 一般 に観察研究の結果 には以下の 3つ の解釈が bystanderl 糖 質 を制限す ることに問題 はないが ,代 わ りに あ りえる。 a.糖 質制限食 が動脈硬化症発症率や全死亡率 を上昇 させる (因 果関係 pos蘭 ve causality) 動物性蛋 白・動物性脂肪 を多 く摂取す る と問題が 生 じる とい う考 え方であ る。 ただ,こ の場合 には無作為比較試験 において血 糖 ・血圧 ・脂質 ・体重 を改善する ことが示 されて 例えば Nurses'Health Studyと い う観察研究で は,糖 質を少なく摂取 しながら植物性蛋白質,植 物性脂質を摂取 していると,動 脈硬化症 は増加ど ころか減少 しているかもしれない とい う結果であ い る糖 質制限食 が どの ような機序 でその ような結 る 糖質を制限す ると動脈硬化の発症率や死亡率が 高 くなるとい う解釈 である。 果 を生 じせ しめるのかについての基礎医学的な理 論が必要 であ る。 これまで,そ のような基礎医学的理論 を打ち立 14∼ 1つ てる 目的で実施 された研究が複数ある 。し か し,動 物実験 によって糖 質制限高蛋 白食 の動脈 14,lD,ぃ 硬化症促進作用 を示 した論文 は ずれ も 動 脈 硬 化 惹 起 性 蛋 白 と して 知 られ る カ ゼ イ ン18∼ 20)を 蛋 白 として採用 してい た.よ って,現 在 まで ヒ ト糖質制限食 のモデル動物実験 は存在 し ない とい える。 臨床介入試験 によって糖 質制限食 の動脈硬化促 23). このことは,糖 質制限す ることが動脈硬化症 と 関連 してお らず,糖 質 を少な く摂取 してい る群が 動物性蛋白質,動 物性脂質を多 く摂取 してい ると 動脈硬化症が惹起 され,植 物性蛋 白質,植 物性脂 質 を多 く摂取 してい ると動脈硬化症が予防される とい う可能性 を示唆する (こ の ような関係 を innO_ cent bystander(無 実 の傍観者)と 呼ぶ). この考え方 をサポー トす るデー タが前述のカゼ 18,19,糖 イ ンの研究 で あ り 質制 限 をす る際 に ・ るよ うに指導す る先生 も 動物性蛋白 脂質を控え , お られるようである。 c.糖 質制限食 は動脈硬化症 の発症 や死亡率 進作 用 を示 した とされ る論文 は,a哩 田 entadon index(AI)1° や ■ow― mediated diladon(FMD)17) に対 して予防的である (因 果の逆転 reverse を指標 としてい る。 しか し,前 者 においては糖 質 causal:w) に糖 質制限食が対照食 (脂 質制限食)よ りも動脈硬 糖質制限自体 は動脈硬化 に予防的・治療的であ るが,動 脈硬化症 の予防や治療が必要な人 ほど糖 質 を少な く食べ てい るため,因 果関係が逆に見え 化症 に予防的に作用 していた。後者 においては糖 るとい う解釈 である.例 えば,糖 尿病治療 におい 質制限食 で FMDの 有意 な悪化 (8.2± 0。 7%か ら 0.6%)(p=0.049)が 10人 の被 検 者 にお い ては非薬物療法患者が一 番血糖 管理が良好 で あ り,経 口薬のみの患者がその次に良 く,イ ンス リ 制限食群 では統計学的 に有意な AIの 変化 は生 じ てお らず,逆 に脂 質 プロファイルについては明確 6.8± てみ られた と して い る。 しか し,糖 質制 限食 で ン使用患者 が最 も血糖管理が悪 い ことが知 られ FMDの 改 善 を認 め た とい う論 文 も存 在 してお り 21),FMDの 低下 が ことによるとケ トン体産生 る。ここに因果関係 をつ けて しまうとイ ンス リン 使用が血糖管理 を悪 くしてい るとい うことになる 食に限定 された ものである可能性 も示唆 されてい 2の る 。 ょって,ヒ トの研 究 にお い て も糖 質制 限 が,こ れはそ うではな く,血 糖管理が困難な患者 ほどイ ンス リンを使用 してい るのである。 食が動脈硬化症 を惹起するとい う医学的 に確実な デー タは存在 していない とい う状況 である。 何 らかの理由で動脈硬化症 を惹起 しやす い状況 にある集団 (例 えば肥満だった人)が ,そ の治療 を 目的にして糖質を少なめに摂取 してい るとい う環 境 にあれば,糖 質 を少なめに摂取 してい る群ほど 動脈硬化症 を惹起 しやす い とい う結果が得 られて 998 臨床 スポーツ医学 :Vol。 30,No.10(2013-10) トビックス 糖質制限食の位置づ け も不思議 ではない。 個人的には観察研究 ではあ って も,糖 質 を少な く摂取 している集団におい て問題が指摘 された こ 表 2◆ アメ リカ栄養士会,カ ナダ栄養士会,ア メ リカスポーツ 医学会合同声明 におけるアスリー トの糖質摂取 とを無視す るべ きではない と思 う.現 時点 では , 糖質市1限 食 を指導す る際には横断歩道 を渡るよう な気持ちで,「 右 を見て,左 を見て,注 意 して渡 る (動 脈硬化症やその他 の指標 を注意 して観察 し なが ら指導する (実 施する))」 とい う考え方 をもつ (文 献 29よ り作表) べ きである と思っている。 2.糖 質制限食の問題点 上記の動脈硬化症や死亡率へ の懸念 のほかに 実際,流 行 つているようである。 しか し,極 端な 現時点で糖質制限食が抱 える問題点 として 4つ あ げたい 糖質制限食 の結果 ,十 分なカロ リーの摂取が で き ず飢餓状態 に陥った り,ケ トアシ ドーシス を生 じ 第一 にはその定義が定まってい ないこ とがあげ られる 実際,難 治性 て んかんに対す る治療食 としてケ トン産生食 を指導 Westmanら は 1日 50∼ 150gの 糖質摂取 をもっ て定義 し,Accursoら は 1日 130g以 下の糖 質摂 取 をもって定義 している.個 人的には,食 後高血 す る場合 にも,カ ルニチ ン採血や腹部超音波,心 臓超音波検査 といった付加的な検査 をする ことで は じめ て 安 全性 が確 保 で きる もの とされ て い 糖 の是正 とい う糖質制限食 のメリッ トを享受する ためにも 1食 当た りの糖質量 で定義す る必要があ ィギ リス糖尿病学会 が勧告す るよ うに 1).特 に 専門家 のサポー トがあるべ きであろう ると考 えてお り,1食 20∼ 40g,1日 70∼ 130gの SU薬 やイ ンス リン製剤 を使用中の患者での低血 糖質摂取 で もって糖質制限食 と呼称す ることを提 案 したい。 糖 についての注意が望ましい , この量 で あれ ば,DIRECT試 験 にお いて認 め られた体重 ,脂 質,血糖改善効果 を確保する こと がで き,な おかつ ケ トン血症 をも避けることがで きる . また,第 二に腎症患者へ の適応の問題 もあげら れる . 腎症 3期 以降は蛋白制限食の適応であるが,糖 質制限食 は代替 として蛋白摂取量が増加する こと 24,2→ る症例が報告 されて い る 2の る , , これ らの患者が糖 質制限食 に加 え,運 動療法 を実践す る際に も薬物 の減量 のような注意が必要か もしれない . お わ りに 一運動 パ フ ォーマ ンスに対 す る糖 質 制 限 の影響 糖尿病専門医である筆者 が,ス ポ ー ツ医学 を専 門 とされる読者 の先生方 の前でスポーツ栄養 につ いて記述することは難 しいが,現 時点 での筆者 の が多 い。 よって,3期 以降の腎症患者 には避 ける べ きである と考えられ る そ して,第 二には小児 お よび妊婦へ の適応の間 認識 を述べ る 題がある て,筋 肉内 のグリコーゲ ン貯蔵 を高めることが よ い とされて い た2の _方 ,最 近で は限 りあ る筋 . 小児お よび妊婦へ の長期 の安全性 は証明 されて お らず,少 な くとも杓子定規 な糖 質制限の指導 は 避けなけれ ばならないであろう 第四に極端 な糖 質制限食が巷 に流行 っている ことが 問題 として あげ られる 極端 な糖 質制限 (1日 50g以 下程度の糖質摂取 )を ダイエ ット法や糖 尿病治療食 として取 り上げてい る先生がお られ , . 「カーボ ローデ ィ ング」といっ 筆者 が学生時代 は て,ス ポ ー ツ競技 の前 には糖 質 を多量 に摂取 し 肉内グリコーダ ンを保持で きるように筋肉 の脂肪 酸酸化能力 を高め るべ きであ り, トレー ニ ング の時期 には糖 質 を制限 し,試 合 の時期 に糖 質 を多 「trttn low,compete high*」 と く食 べ る とい う しか し,運 動 パ ーマ ンス フォ に対する糖質摂取量 を詳細 に検討 し い う概念 も提 唱 されて い る2の 臨床スポーツ医学 :VoL 30,No 10(201310) 特集 糖尿病運動療法 :運 動指導成功のためのノウハ ウーホ ップ・ステップ・ジャンプー 表 3● Burkeら が推奨す るアスリー トの糖質摂取 早常攀狩● 甲得甲 │ │■│■ │■ ■1■ ■ lill:: ニ ング =│ダ 軽度 トレー 軽強度運動 または技術 トレーニ ング 3∼ 5g/kg/日 │1幸│15-― ´ ⅢI識 卦榊榊│││1岬 │,││11111 ││,柵伸イ岬││││■ 6∼ 10g/kノ 日 持久カ トレーニ ング(1∼ 3時 間/日 高度 トレーニ ング ^■ 二L』′ ニ 1ク 百 超高度 トレ■ ング な ││'■ .:│^れ ヽレ │=′ グ ) 競技前お よび重要 な トレーニ ング時期 1市 撃中Ⅲ │11111■ ‐ │:● ::● :1■ : │■ │ イベ ン ト前補給 m‐‐ 帥 ‖ ,1.1)「 F‐ 1:l「 FlT「 ■ 11か‐ ,FI │‐ │1守 l∼ 4g/kgを イベ ン トの 1∼ 4時 間前 に ト │││ ││1満 │イ 満 │■ 111 ││││を │1111111‐ │11111 1轟 スポ ー ツ ドリ ンクを数 口 の 運 動 中 "││■ `■ ‐ │ │ヤ │1中 ‐ ■│■ │ ‐ ■││ 130-61纂 可■││││■ │:11 長時間のイベ ン ト中 1持続運動中 補砕 ■ │■ ││,伸 41叫 1■1111■ 90分 以上 の持続的 または間欠的運動 イベ 10∼ 12g/kノ 日を 15∼ 2日 ン トの準備 カ ー ボ ロー デ イング 急遠面覆│● : ": ``■ ‐ ■■│││││ :"ρ体仲 0澤勲4,71ψ ^│ン 45∼ 75分 │● 215∼ 3時 間以上の運動中 超長時間運動中 90g/時 間以上 (文 献 30よ て い る Burkeの 考 え で は,train low,compete highの 概 念 は必 ず しも立 証 され て い な い よ うで 2い Diabetes Care 31 : S61-S78,2008 Americaln Diabetes Association: Standards of medical care in Diabetes 2007 Diabetes Care ょっ 30 : S4-S41 2007 て ,現 時点 で は,積 極 的 にアス リー トに糖 質制 限 ヽ Vheeler, N4 L et al : Iゃ IacrOnutrients, food を適用す る必 要 はない 現時点 にお けるアス リー トに お け る 糖 質 摂 取 量 に つ い て の ACSMと groups,and eating patterns in the management of diabetes Diabetes Care 35 1 434-445,2012 Arnerican Diabetes Association i Standards of 29,30 Burkeの 考 え を表 2,3に 示す *似 medical care in Diabetes 2013 Diabetes Care 36 i Sll― た 用 語 に,「 live― high,train low」 が あ る S66,2013 Santos,F L et al i Systematic reviev′ and me― が ,こ れ はキ ャ ンプ地 を高地 に張 って,練 習 は平 ta― analysis 地で行 う とい う, トレーニ ングにお け る標 高 を気 carbohydrate diets on cardiovascular risk fac― of clinical trials of the effects of lo、 ァ tors Obes Rev 13 : 1048-1066 2012 にす る際 の用 語 で あ る 7) 文 ) ommendations and interventions fOr diabetes あ り,運 動 パ フ ォーマ ンス に対 して は しっか りと 糖 質 を摂 取 して お い て よい と思 わ れ る り抜粋 Hu.T et al:Eiiects of low― calbohydrate diets versus loM′ ― fat diets on metabolic risk factOrs: a 献 1)Dyson,P A etal: Diabetes UK evidence― based nutrition guidelines for the prevention and management of diabetes Diabet ゝ /1ed 28: 1282-1288.2011 2)American Diabetes AssociatiOn:Nutrition rec 臨床 スポ ーツ 医学 :Vo1 30 meta― analysis of randonlized controlled clinical trials Am」 Epidemlol 176:S44-S54,2012 ゝ 71anco ヽl et al i Effects Of 、 veight loss and calorie restriction on carbOhvdrate metabolism Curr Opin Clin Nutrゝ /1etab Care 8:431-439, 2005 No 10(2013-10) トビックス 糖質制限食の位置づけ Paddon― JoneS,E.et al.:Protein,weight man‐ 20)Holmer― Jensen,Jo et al.:Diferendal e“ ects of agement,and satiety.Am.Jo Clino Nutr.87: dietary protein sources on postprandia1 low― 1558S-1561S,2008. 山 田 悟 :栄 養 バ ラ ンス の エ ビ デ ンス .Diabe― grade i証lammation after a single high fat meal tes Frontier 24: 31-39, 2013. 2011. 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