ポリ乳酸系バイオマス接着剤 概要:金属フリーの新規有機重合触媒を開発し、分子量20万までの分子量分布1.1の精密ポリ乳酸 の合成に成功しました。得られた精密ポリ乳酸を接着剤に用いると、ポリ乳酸フィルムに対するは く離強度で市販品の20倍にも達し、有望なバイオマス新素材であることを見出しました。 長さ、形 を 設計通りに合成可能 ! “通常”のポリ乳酸 “分岐”したポリ乳酸 硬くて、脆い….. 広範囲の分子量1000~210,000 揃った分子量鎖長 分子量分布1.1 分岐構造 柔軟で、丈夫 ! 様々な分子量で、分子量が揃った、分岐構造のポリ乳酸が得られる。 → これまでのポリ乳酸とは全く異なる性質(柔軟性、接着性)を示す。 → 高機能ポリエステルとして、接着剤、塗料、フィルムなど、様々な用途に! 精密制御ポリ乳酸の合成. MALDI/TOF MASS 分析 分子量、化学構造の制御 observed O O O O O n=12 n=13 n=14 n=15 n=16 n=17 n=18 n=19 n=20 n=21 n=22 n=23 n=24 n calculated n=8 n=9 n=10 n=11 Mn = 3,200 PDI = 1.06 H Our result, Macromolecules, 43(21), 8874 (2010) 様々な条件で、 理論分子量 Mn(th)=144×n + M.W. of initiator alcohol と一致し、 Mn 1,000~210,000(PDI≒1.1) に制御された精密ポリ乳酸を合成可能。 calculated Fig.1 MALDI/TOF mass spectrum of synthesized Poly L-Lactic Acid initiated by p-phenyl benzyl alcohol. 同位体比まで一致! ポリ乳酸用のポリ乳酸接着剤として 2000 Peel strength (N/m) →通常のポリ乳酸とは性質 の異なる分岐ポリ乳酸を使 えないか? 引張せん断試験(木材) T剝離試験(フィルム) ポリ乳酸材料を接着するための生分解性接着剤が 望まれているが、充分な性能のものはなかった。 7 4分岐(熱プレス) 3分岐(熱プレス) 4分岐 3分岐 直鎖状 1500 6 Lap shear strength (MPa) 精密制御ポリ乳酸の接着性. observed 1000 500 4分岐精密ポリ乳酸 分岐精密ポリ乳酸を接着剤として、ポリ乳酸フィルム を接着したところ、市販品の20倍もの接着強度を示し た。また、ポリ乳酸成形品や木材の接着にも使用可能。 特許:特開2011-252102 、関連成果について2012年特許出願中 0 5 4 3 2 1 0 0 5 10 15 Mn by GPC (x104) Fig.2 Peel strength of synthesized poly L-lactic acid. 市販品の20倍! 0 5 10 Mn (x104) 15 Fig.3 Lap shear strength of synthesized poly L-lactic acid. 結論 ・新規有機触媒を用いることで、分子量、化学構造の制御された精密ポリ乳酸を合成可能 ・ポリ乳酸の分子量増加に伴って接着性が向上→オール生分解性材料への展開に期待 謝辞: 本研究は、H23年度JST A-STEP探索(AS231Z04434D)および、H24年度-科研費基盤研究(C)(JSPS科研費24550265)の助成を受けたものです。 大阪市立工業研究所 環境技術研究部 高機能樹脂研究室 門多丈治、岡田哲周、平野 寛、上利泰幸 *謝辞:本研究は科研費基礎研究(☆)(99999999)の助成を受けたものです TEL: 06-6963-8129 E-mail: [email protected]
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