2輪移動ロボットの走行について

移動ロボットの走行
白井英俊 (機械情報工学科/情報知能学科)
独立 2 輪型移動ロボットの走行モデルを考える: 左の車輪の速度を vL [m/s]、右の車輪
y
O
R
ω
vL
v
w
vR
x
図 1: 2 輪式走行ロボットの移動モデル
の速度を vR [m/s] として、ロボットが O を中心旋回運動していると考える (x 軸の方向を
正とする)。
この時、角速度を ω[rad/s]、旋回運動の半径を R[m] とし、ロボットの中心の移動速度
v = (vR + vL )/2[m/s] と考える。すると、以下が成り立つ: (速さ = 半径 ∗ 角速度)
v = Rω
(1)
ロボットの車両の幅を 2w[m] とする (つまり w[m] は車両の幅の半分の長さ)。これを用い
ると以下が成り立つ:
vR = (R + w)ω
(2)
vL = (R − w)ω
vR − vL
ω =
2w
(3)
(4)
(5)
これから、次のように旋回運動の半径が求まる:
R=
w(vR + vL )
vR − vL
1
(6)
また、1 周するための時間 (周期)T は:
T =
w(vR + vL )
2
4πw
2πR
= 2π
∗
=
v
vR − vL
vR + vL
vR − vL
(7)
特殊ケース:
1. vR = vL 6= 0:
R は ∞、つまり直線走行
2. vL = 0, vR 6= 0:
wvR
vR
= w、つまり左側の車輪の中点を旋回運動の中心とする、 1 周するための
4πw
時間 (周期)T =
vR
R=
3. vL = −vR = v:
w∗0
2v
= 0 つまり、ロボットの車両の中心が旋回運動の中心。
2πw
1 周するための時間 (周期)T =
v
R=
BoeBot の場合、w ≈ 5.7[cm]、フル回転の時 v = 17.0[cm/s] とすると、vL = −vR = v の
場合 1 回転する時間は 2.11[s]
註: 実際には摩擦などにより 8%程度余計に時間がかかるはずなので、計測して調整する
こと
2