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新シンチレーション結晶:沃化ストロンチウム
沃化ストロンチウム(SrI2(Eu) )シンチレーターは> 80,000 ph/Mevの大きな発光量を有し、この値は従来の沃
化ナトリウム(NaI(Tl) )シンチレーターと較べて2.2倍以上にもなります。
この強い発光特性のためにΦ25㎜ⅹ25㎜サイズSrI2(Eu)結晶を用いた検出器の662keV(137Cs)のガンマー線
に対するエネルギー分解能は4%以下の高分解が得られます。SrI2(Eu)シンチレーターは1968年に米国の
Dr.R.Hofstadterにより発見され特許が成立しました。しかし当時は低品質結晶のためにNaI(Tl)より発光量が
少なく埋没してしまいました。それから40年後の2008年に、米国のローレンス・リバモア国立研究所を中心とし
た研究チームが高品質SrI2(Eu)結晶を用いて、NaI(Tl)をはるかに上回る上記性能を確認し再発見しました。
ユニオンマテリアル㈱は従来より革新的な”溌液結晶化技術”※を有しており、本技術をSrI2(Eu)の結晶成長に
適用することで、高品質SrI2(Eu)単結晶の量産化技術の開発に成功しました。ガンマー線検出器は環境放射
能計測、医療用放射線機器、原子力発電所関連そして石油・天然ガスの探査などで古くから用いられてきまし
た。従来のNaI(Tl)より高性能なSrI2(Eu)シンチレーターは、これらの幅広い分野での新たなご要望にお応えす
ることが期待されます。
(※”溌液結晶化技術”とはルツボと結晶材料融液が濡れない環境で結晶成長を行う理想のブリッジマン成長技
術で、この方法を用いると多くの無機素材の高品質単結晶化が可能になります。)
物理的・化学的性質
材質:
SrI2(Eu)
添加ユーロピウム濃度: < 1.6mol%
密度:
4.59g/cm3
融点:
538℃
屈折率:
1.9 (at435nm)
溶解度:
178g/100cc H2O
潮解性:
極めて高い
シンチレーション特性
発光ピーク:
発光ピーク
発光量1) :
エネルギー分解能1) :
減衰時間:
発光量比例性1):
自己放射能2):
(文献)
435nm
>80,000ph/MeV
< 4% (at 662keV)
~1,100ns
< 5%(6~600keV)
< 1/100 for LaBr3(Ce)
1)N.J.Cherepy. et.al.:Proc. of SPIE Vol.7449 (2009)
2)P.Belli.et.al.:NIM in Physics Res.A 670(2012)10-17
総販売代理店
ユニオンマテリアル株式会社
茨城県北相馬郡利根町押戸字城台1640
株式会社アンペール
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