1. 放射線測定器 放射線測定器には、測定目的、測定対象放射線により様々な検出器が用いら れます。 ・測定放射線の種類と主な検出器 α線 ⇔ ZnS シンチレーション検出器 β線 ⇔ GM管検出器、プラスチックシンチレーション検出器 γ線 ⇔ 電離箱検出器、NaI シンチレーション検出器、(Ge/Si)半導体検出器 液体シンチレーション検出器、GM検出器 中性子線 ⇔ BF3 検出器、フィッションチェンバー検出器、個体飛跡検出器 ・測定目的と使用測定器 空間線量率測定 ⇔ 電離箱サーベイメータ、NaI シンチレーションサーベイメータ モニタリングポスト 表面汚染測定 ⇔ GMサーベイメータ、ZnSα線サーベイメータ ハンド・フット・クローズモニタ ゲートモニタ 個人被ばく測定 ⇔ ガラス線量計、TLD、半導体測定器 個体飛跡検出器(中性子) 試料中放射能測定 ⇔ Ge 半導体測定装置、NaI シンチレーション測定装置 液体シンチレーション測定装置, GM測定装置(β放射能測定) ホールボディー測定装置(WBC) ・使用上の注意点 ① 測定器にショックを与えない。 ② 測定器(特に検出器)を汚染させない。 ③ スピーカーの使用は、場合によっては避ける。 ④ 高圧信号ケーブルに力をかけない。 ⑤ 測定の迅速化と時定数の選定を考慮する。 測定器取扱い実習 GMサーベイメータ ① BG測定 時定数(3秒、10 秒)の平均値と計数誤差の確認 30 秒間隔で 10 回指示値を読み、平均値と最大値、最小値を確認する。 ② 試料測定(1) 塩化カリ肥料試料を用い、単位面積当たりの放射能を算出する。 試料計数値からBG平均値を差引、換算定数を乗じて放射能密度を算出する。 ③ 試料測定(2) マントル芯試料を用いて、距離による計数値の減少を確認する。 距離 0cm、5cm、10cm での計数値を読み、計数効率の低下を確認する。 アルミ板を用い、β線の遮蔽効果を確認する。 スクリーニング基準となっている 13,000cpm のスピーカー音強度を確認する。 ④ 試料測定(3) 集塵ロ紙試料を測定する。 NaIシンチレーション・サーベイメータ ① 室内線量率の測定 時定数(3秒、10 秒)の平均値と計数誤差の確認 30 秒間隔で 10 回指示値を読み、平均値と最大値、最小値を確認する。 ② 試料測定 マントル芯試料を直接測定し、指示値を読む。 γ線に対する、アルミ板の遮蔽効果を確認する。 ZnSα線サーベイメータ (デモ) ① α放射線の存在の確認 マントル芯試料及び集塵ロ紙試料を測定し、α線の存在を確認 薄いビニール袋 1 枚でα線が遮蔽されることを確認する。 電離箱サーベイメータ(デモ) ① 測定レンジと測定下限を確認する。 個人被ばく測定器(デモ) ① 着用方法と着用部位の確認 2. 防護装備 防護装備は、外部被ばく、内部被ばく、皮膚被ばくを防ぐ目的で着用します。 実際汚染現場においては、上記目的に汚染拡大防止の観点を付加した考え方 で装備を選定/運用しています。 ・着用目的と使用防護装備 外部被ばく防護 ⇔ 鉛エプロン、鉛手袋、ゴム長靴 内部被ばく防護 ⇔ 呼吸保護具(各種マスク)、エアーラインスーツ 皮膚汚染防護 ⇔ 長袖作業着、タイベックスーツ、ゴム手袋 綿手袋 靴下、(綿/紙)帽子 汚染拡大防止 ⇔ タイベックスーツ、ブーツカバー、シューズカバー ゴム手袋 ・防護装備着用の効果 鉛エプロン、鉛手袋 ⇔ β線及び低エネルギーX線 呼吸保護具(フィルター) ⇔ ガス、粉塵、エアロゾルの吸入防護 空気呼吸気(陽圧式)⇔ガス、粉塵、エアロゾルの吸入防護 エアーラインスーツ ⇔ 皮膚呼吸からも体内に入る核種防護 より高濃度の作業エリアでの被ばく防護 以上
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