第 3 回レポート問題解答例 作成 平成 26 年 7 月 17 日 (1) 導体中の伝導電流はオームの法則より、ie E で与えられる。一方、変位電流は、 今、角周波数 ω の正弦電磁波を考えると、 E (t ) E0 e jt 山田 博仁 D E である。 t t と表されるので、伝導電流は、ie E0 e jt 。 D j E0 e jt と表される。通常の金属のような導体では、導電率 σ の値は σ ~ 107 t 一方、変位電流は、 (S/m)であり、誘電率 ε は ε ~ 10-10 (F/m)である。従って、マイクロ波帯においても ω の値は ω ~ 2π×1010 (s-1) であるから、σ >> εω の関係が成り立っている。従って、低周波においては勿論、導体中の伝導電流 に比べて変位電流を無視できる。 (2) Faraday の電磁誘導の式 rot E rot(rot E ) rot B の両辺の rotation をとると、 t B H rot rotH (1) となる。導体中では、伝導電流に比べて変 t t t 位電流が無視できるので、Ampere-Maxwell の式は、 rot H ie と近似できる。これを式(1)の右辺に代入 し、左辺に対しては与えられたベクトル公式(1B)を適用すると、式(1)は、 grad (divE ) E E となる。ここで右辺に対してオームの法則 ie E ie E t t t を用いた。導体中には真電荷 e は存在しない(導体表面に現れることはある)ので、div E 0 であり、従 って式(1)の左辺は E となる。従って、最終的に式(1)は E 法則より E ie であるから、これを式(1’)に代入すると、 ie 電流も角周波数 ω の正弦波電流と考えると、 ie i e jt E t ie t (1' ) となる。オームの (1" ) が得られる。伝導 で与えられるから、これを式(1”)に代入すると、 式(1A) i j i 0 が得られる。 (3) 導体中を流れる電流として、 ie ( x, t ) i ( x)e jt で与えられる正弦波電流を仮定し、式(1A)に代入すると、 2 i ( x) j i ( x) となり、従って、 i ( x) i0e 2 x j x x i0 e e jx となる。ただし、 2 。ここ x で、復号の の方は、x に対して増大して発散するので無意味な解である。従って、 i ( x) i0 e e jx で 与えられる。 (4) 導体内を流れる正弦波電流は、 ie ( x, t ) i ( x)e 表面から内部に向けて指数関数 e jt x i0 e e jx x e jt i0e e x j t で与えられ、その振幅は x で減衰していく。導体内で発生するジュール熱は、 P 1 2 ie で与 えられるから、単位時間あたりに導体表面から深さ X0 までの導体中に発生する単位面積あたりのジュー ル熱は、 Q X0 0 1 ie dx 2 (5) 単位幅あたりの電流は、I i02 0 X0 0 e 2x dx i02 1 e 2 2 X0 i02 2 3 2X 0 1 e となる。 x i0e dx i0 であり、これが一定ということは、i0 は に反比例、即ち に比例する。ジュール熱を表す式は問(4)で導いたように i0 に比例し、 に反比例する。従って、導 2 体中に発生するジュール熱は に比例する。
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